現行のLVC(リーバイス・ビンテージ・クロージング)の501はどうなのかという問題に対しては、ジーンズは履いてみないと分からないという考えを持っているため、実際に履いて確かめることにした。
ホワイトオークの最終に近いLVCを1947と1955と1966の3本履いてみたが、これについては、リジッドから履いて、実日数で4ヶ月ぐらい履いたところで、真価らしきものが感じられた。
再現性はどうかということではなく、ジーンズとしてのクオリティは相当高いと思った。
それで、現行品のカイハラ生地のLVCはどうなのかということになるのだが、結論から言ってしまうと、現行品の1944モデルはかなりいいと思う。
これも再現性はどうということではなく、ジーンズとしてのクオリティだ。はじめは薄い生地に感じるが、履いているうちに厚みと風合いがでてくるホワイトオークに迫る生地となっている。ただ、ホワイトオークとカイハラではテイストは違う。
他のモデルは、1966と1976を履いているが、これは履き続けてみないと分からない。
なぜかと言うと、履き始めから、生地がタフで、分厚く感じるからだ。
というわけで、現行品のリーバイスLVC501の色落ちやエイジングを定期的に、この記事でレポートしたいと思う。
目次
- エイジングをレポートする現行LVC501
- LVC501 1944モデルのエイジング
- LVC501 1966モデルの色落ち
- LVC501 1976モデルのエイジング
- MADE IN THE USA(W32×L32)のエイジング
エイジングをレポートする現行LVC501
色落ち等のエイジングをレポートする現行のLVC501は、1944モデル(44501)・1966モデル(66501)・1976モデル(76501)の3本と、MADE IN THE USAのセルビッジモデル。
4本を並べた写真。
写真では、分かりにくいかもしれないが、4本を並べた時に、1976モデルの色目がかなり明るい。1966モデルも、76モデルほどではないが、明るめである。
同モデルのホワイトオークと比べても明るいので、 1966モデルとか1976モデルは、ホワイトオークとは、ディレクションが変わっていることが分かる。
フロント部分。
リーバイスのリジッドから履いたものを並べると、けっこうな圧がある。
44モデルは、ホワイトオークのようなシワの入り方をするが、66モデルと76モデルは、生地がタフなので、動脈のように太いシワが入る。
色もホワイトオークに比べて落ちやすいのではないかと思う。
カイハラは、まだ、履き始めなので、この4本を履きこんでいく必要があるのだが、現在、リジッドから履いているものが10本程度あり、進行がなかなか進まないことが問題点である。
(これは、ジーンズ、特にリジッドが好きな人は誰でもかかえている問題ではないかと思う。)
リジッド状態でのシルエットと印象
1944モデル、1966モデル、1976モデルのリジッド状態のシルエットと初見の印象は、こちらの記事で紹介。
LVC501 1944モデルのエイジング
まず、LVC501 1944モデル。
セットアップから履きこみ1週間程度の状態。この1944モデルは、ホワイトオークの1947モデルと1955モデルと同様、家事履きはせず、わりとていねいに履いていくつもり。
LVC501 1944モデル(履きこみ7日目)
映りにくい天気に撮ってはいるが、まだ何の色落ちもない状態。
大戦モデルなので、トップは月桂樹、小股は無地のドーナツボタン。
後ろ。
アーキュエイトステッチがペンキなので、他のモデルのようには目立たない。
LVC501 1944モデル(履きこみ2週間)
2週間程度履くと、ヒゲの部分がうっすらと擦れてきたが、まだ、色落ちは始まっていない状態。
着用した状態。
余計なシワは取れてなじんできた状態。裾もすれはじめた状態。
LVC501 1944モデル(履きこみ1ヶ月目)
ヒゲが微妙に育ってきている段階。
後ろ面。
バックポケットにアタリが多少ついてきた。
LVCの大戦復刻は、通常の大戦復刻とは逆に、生地を薄くする方向でディレクションしているが、そのメリットが出てきた。
生地が薄いため、深いシワがビシビシに入るのだ。
膝裏も同様である。
このまま履き続けたら、はちの巣が入るだろうと思われる。
LVC501 1944モデル(履きこみ3ヶ月目)
リジッドから履きこんで3ヶ月ぐらいの状態です。ワンサイズ下のリジッド(ホワイトオーク)と比べています。
1ヶ月目とそんなに変わらない感じですが、生地に落ち着きは出てきました。
色目は直射日光にあたってしまいましたので、黒味が少なくなり、青みが強くなってきました。
インディゴは空気と光と空気中の水分に触れると青みが強くなる性質を持っています。
フロント部です。
ヒゲは育ってきている段階です。
膝裏です。
はちの巣はいい感じで育ってきています。
裾です。
ブルガリア縫製のオリジナルのステッチです。ローピング(斜めのパッカリング)しないことからユニオンスペシャルでのステッチでないことが分かります。(ホワイトオークもユニオンスペシャルではないです。)
ストレートですがアタリはついてきています。
後ろです。
気持ちペンキステッチが薄くなって、いい感じになっています。
LVC501 1944モデル(履きこみ4ヶ月目)
LVCの生地は、ぶ厚くはないので夏でも余裕で履けて、真夏に1ヶ月ほど履きこんでみた。(LVCは日本の気候でも一年中履けるのでサスティナブル)
上は、00年代のLVC1944モデル(日本製)。
色落ち的には、3ヶ月目よりもシャープにヒゲが入ってきた感じ。
1955モデルのように濃淡ある色落ちではないが、リーバイスの人たちは、1944モデルの復刻については、股上の長さを活かしたフロント部分の段状ヒゲにポイントを置いているのではないかと思う。
はちの巣についても、面状に形成されつつある。
バックは、隠しリベットの部分がダメージとなり、当たる部分の色が落ち始めている。
LVC501 1944モデル(履きこみ6ヶ月目)
6ヶ月程度履いた状態。
4ヶ月目の濃淡が深まっていくというというよりも、全体に色落ちしていく感じ。
上は、カイハラ生地の日本製の1944モデルで、このモデルが、色目が黒っぽく履きやすかったので、リピートした。
日本製は、ブルガリア製よりはしっかり縫製されているが、基本的には同じモデル。
LVCのセルビッジは基本的に平織に近い仕様なので、横系の色落ちを意識するのは同じだと思う。(1966モデルは少し綾が入る)
はちの巣の進行は少し進んだ。
アーキュエイトのペンキが少し薄れてた。
以前のモデルはなかなか薄れなかったので、よくなった。
カイハラ生地の場合、糊を落としきらないと、生地が完全にシュリンクしてこないという性質があり、このまま履き続けるか、一度、ワンウォッシュかけるか悩ましい状態が続いている。
LVC501 1944モデル(履きこみ8ヶ月目)→ NEW
履き込み8ヶ月ぐらいで、迫力ある表情がでてきた。
体重がかなり増えたため、ヒゲの位置が微妙にズレてきているが、かえってリアルだろう。
アーキュエイトステッチもさらに薄くなった。
ハチの巣もなんとかキープできている状態。
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LVCの1944モデルのレビューはこちらの記事。
LVC501 1966モデルの色落ち
LVCの66モデルは、ホワイトオークに続いて2回目。
LVC501 1966モデル(履きこみ3日目)
水通し後の余計なシワがまだ残っている感じ。
ホワイトオークよりもしっかりした生地だと思う。色は明るめ。
後ろ。
後ろも乾燥後の余計なシワが残っている感じ。
このモデルを着用。
まだ余計なシワが残っているが、テーパーのラインが何となくでているのが分かる。
LVC501 1966モデル(履きこみ7日目)
1966モデルは、履きこみ1週間程度で、ヒゲのあたりがうっすらとすれてきた。
どこかに当たって擦れてしまったのかもしれないが、他のモデルと比べて進行が早く感じる。
LVC501 1966モデル(履きこみ1ヶ月目)
ヒゲは順調に育ってきている。
ヒゲがはちの巣形状で入ったがキープできるかは分からない。
1966モデルなので、ヒゲのコントラストはナチュラルな傾向。
膝裏のはちの巣は、生地が厚めなので1944や1947ほどにはビシッと入らないだろう。
水通しだけでは、巻縫い部分にパッカリングは入らない。
裾は折り返さずにクッションさせて履くことが多いので、裾付近にもシワが入っている。
LVC501 1966モデル(履きこみ3ヶ月目)→ NEW
今のところ、ハチの巣型で入ったヒゲはキープできている。このカタチで入るヒゲは珍しいと思う。
後ろは、それほどエイジングしていない。
ヒゲも多少育ってきた。
ホワイトオークとカイハラでは、ダブルネームのディレクションは違っていて、カイハラの方はダブルネーム特有のグラマラスな感じにフォーカスしている。
個人的には、カイハラの1966は気に入っていて、わりと丁寧に履いている。
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LVCの1966モデルのレビューはこちらの記事。
LVC501 1976モデルのエイジング
いわゆる66前期。古着では一番履いたモデル。
LVC501 1976モデル(履きこみ3日目)
カイハラの1976モデルは、色が明るい。66モデル同様、ホワイトオークよりしっかりした感じがする。
後ろ。
後ろはかっこいいのではないかと思う。やはり色目は明るい。
このモデルを着用。
66前期らしいシルエットが出ているだろうか。
66前期は一番履いたモデルであるが、カイハラの1976モデルについては、もう少し履いてからレビューは書きたいと思う。
再現性は別にして、ホワイトオークの47、55、66とカイハラの44モデルはこうつくりたかったんだろうなというのがすぐに理解できて、カイハラの66モデルもギリギリ理解できた。
カイハラの76モデルは、コーデがもっと今風なんだろうと思う。そのため、ファーストやセカンドにあわすとおかしなことになる。
その辺の理解になりますね。
ホワイトオークの76モデルは、リジッドからおろしてなくても理解できた。
ビームス40周年モデルというストーリーがあったために、理解しやすかったということはある。
カイハラの76モデルには、別のストーリーがあるということなんだろう。
LVC501 1976モデル(履きこみ7日目)
1976モデルは、1週間程度では、色落ちの進行は確認できない。
毛羽立ちが目立つ感じなので、通常の色落ちの考え方とは少し変えた方がいいのだろう。
LVC501 1976モデル(履きこみ1ヶ月目)
1976モデルは66前期の復刻ということになるが、66前期はもともと、縦落ちするということで、根強い人気があったモデルなので、個人的には、特にヒゲとかはちの巣とかはそれほど気にしていない。
実際、カイハラの1976モデルは、66前期のボリューム感にフォーカスしたディレクションをしているので、ヒゲもはちの巣も入りにくい。
ティアオフタグは少し取れかかってきた。
米国流通モデルだと、この管理タグ部分ははさみで切り取ってしまうが、LVCの場合は、レビューということもあり、そのまま履いている。
ビームス40周年記念モデルでもあるホワイトオークの1976モデルと、カイハラの1976モデルはかなり色味が違う。
このぐらい青さが実際に近い。
ホワイトオークもカイハラも毛羽立ちは多めである。
66前期は、40年代から50年代のリーバイスと違って、80年代から依然としてリーバイスの最もディープな領域に留まり続けている。
逆の見方もできて、66前期があることで、その後の501というモデルの連続性がうまくつなげている。
というようなことはあるが、理屈抜きに66前期は履いていて楽しいモデルである。
これは復刻の1976モデルにも言えて、ワンサイズアップ以上をベルトでしめて、ロールアップすると、きれいなテーパードストレートとなるので、何にあわせてもスッキリした感じになる。
反対に、ウエスト位置を落として、ロールアップしないで、ワンクッションで履いても、70年代っぽく履ける。
色んな履き方をしてしまうため、結局は、ヒゲやハチの巣が定着しないということがある。
LVC501 1976モデル(履きこみ2ヶ月目)
履きこみ2ヶ月目で、ヒゲも少し強くなってきた。
冬場に撮っているので、光量が不足し、実際の色目よりも濃い感じになっている。
巻き縫い部分のパッカリングは、履いているだけでは出てこない感じ。
後ろも多少すれてきたが、まだ、時間がかかるかなという感じがする。
LVC501 1976モデル(履きこみ4ヶ月目)
ヒゲが入ってきているが、ロクロク(66前期)なので、それほど入る必要はないと思う。
紙パッチの管理タグ部分が外れかけてきた。
太もも部分の拡大。
インディゴの色がもともと濃くはないので、太ももの汚れが目立ってきた。
太ももの汚れが目立ちはじめると、完全なワンウォッシュをして、糊を完全に落としているので、そのタイミングとなった。
ワンウォッシュして完全に糊を落とした。
完全に糊を落とすと、少し色が濃くなり、生地は多少硬くなった。
カイハラ生地はウォッシュをかけて、糊を落としてからがスタートという感じがする。
洗って乾かしたままなので、余分なシワが残っている状態。
ウエスト、レングスとも0.5インチほど縮んでいる。
お尻まわりが縮んでいる感じがする。
ハチの巣はそれほど残らないと思う。
LVCの1976モデルのリジッドからおろした時のレビューはこちらの記事。
MADE IN THE USA(W32×L32)のエイジング
ホワイトオーク以後のMADE IN THE USAもどんなものか気になったので、履いている。
基本はレギュラーなので、家事用にも履いている。
MADE IN THE USA(履きこみ7日目)
色はダーク。 意外と太いシルエット。
後ろ。
お尻まわりもかなり余裕がある。
このモデルを着用。
色がホワイトオークの507XXと同系統なので、リジッド水通し直後はあわせてもそれほどおかしくないということがある。
MADE IN THE USA(履きこみ2週間程度)
うっすらとヒゲが擦れてきた状態ではあるが、家事でラフに履いているため、最後までヒゲは残らないと予想している。
MADE IN THE USA(履きこみ3ヶ月目)
シャープなヒゲは残らないと予想していたが、色落ちがよいので、うっすらとしたヒゲはついてきた。
後ろはそれほど色落ちしてない。
膝裏に特徴があらわれた。
シワに近いはちの巣がびっしりと入ってきた。膝回りにそれほど余裕をとっていないからだと思うが、これほど入るのは個人的には、あまりない。
ただ、リジッドからの水通しをLVCのように、水に5分程度浸す方法でやってしまったため、生地の目が十分に詰まっていない感じもする。(ほとんどのLVCは5分程度で生地の目が詰まる)
色落ちはこのまま履いた方が濃淡はつくが、目を詰めた方が履いた時の感じはよいので、米国流通モデルのように、適宜、水通しをして、フィッティングさせながら履こうと思う。(ヒゲはズレるかもしれない。)
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MADE IN THE USA 501のレビューはこちらの記事。
MADE IN THE USA 501のディテール的な特徴はこちらの記事。
LVCの生地は、生ものに近いため、リジッドからのセットアップは、水通し3~4分で仕上げているが、米国流通モデル(レギュラーリジッド)のセットアップは、最低1週間程度かけている。
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