LVCの1944大戦モデルは、リーバイスによって再現される生地に興味があります。
ヴィンテージの大戦モデルと比べてどうかというより、リーバイスがどのように復刻したかという視点になります。
リーバイスは、本物のアーカイブ(収集品)や仕様を持っていますので、スペック的な資料は残っていると思いますが、戦時中のランダムな仕様もあるため、実際には正確な再現は難しいのではないかとは思います。
それでも、海外のリーバイス公式サイトを見ると、レビュー欄があって、1944モデルの人気が高いことが分かります。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1944 501 ジーンズ ORGANIC リジッド - リーバイス公式ストア
この記事では、リーバイス1944モデルのアウトラインとリジッドから履く方法を紹介したいと思います。
目次
リーバイス501 LVC1944モデルのアウトライン
リーバイス501 LVC1944モデル、サイズはW33×L32です。
ホワイトオークの1944モデルはサイズがなかったのでカイハラにしました。また、L32はなかったのでUKで買いました。(L34は日本の公式ストアで買えます。)
セットアップ後の結論としては、カイハラの1944モデルはレングス方向の縮率があるので、身長170㎝以上の方は、L34が安全側のレングスになります。
ひろげてみます。
生地に縦方向にムラが入っているのが写真でも分かるかと思います。 他のLVCの生地とは全然違いますね。
後ろです。
後ろもやはり生地に縦方向のムラが入っています。大戦モデルの生地を再現するために、意図的にムラを入れているんでしょうね。
このムラが履いているうちにどう変化していくかですね。
フラッシャーの拡大です。
大戦モデルなので、FOR THE DURATIONと書かれています。
その下に戦時中の製品規則により等が書かれています。
ステッチはペンキです。
フラッシャーやタグを全部外します。
LVCのジーンズは、カイハラになってもリーバイスからのお手紙が入っています。
お手紙の最後の部分です。
最後の部分には、このモデルのディテール的な特徴と、一番最後にフレーズが書かれます。
このモデルは、” When there's work to be done, ”となっていますね。
ディテールを見てみましょう。
大戦モデルなので、スレーキ(ポケットの袋)がありあわせの生地になっているわけですが、カイハラはストライプ生地です。
ホワイトオークの時は複数の種類があったようですが、多くは通常と同じ生成り生地だったので、ストライプに統一されたのは分かりやすいですね。
2000年付近の日本製LVC1944モデルのスレーキはグリーンでした。
こちらの記事で、日本製1944モデルとホワイトオーク1944モデルのディテールを比較しています。
リジッドのまま着用
セットアップ後の 縮率の変化を見るために、リジッドまま履いた写真です。
リジッドのままなので、ぶかぶかです。
横です。
横もサイズに余裕があります。
後ろです。
後ろは特にぶかぶかです。
リジッドのままではサイズが大きいので、糊は落とさないレベルで水通ししてサイズだけ縮めます。セットアップ方法については、いろいろな方法ありますが、ほぼ同じ方法でセットアップしています。
501 LVC1944モデルをリジッドから履く方法
では、リジッド状態からセットアップします。レギュラーの501ですと、楽しみながらセットアップできますが、LVCの場合は、生地の生もの感が強いので、一発勝負です。
まず、気温や湿度をチェックします。
気温は約25℃、湿度は36%です。乾きやすいいい天気です。
水通しします。
基本的には洗面器で水通しします。バスタブでやったのは、LVC507XXだけですね。LVC506XXもたたんで洗面器で水通ししました。
生地全体に水を浸みわたらせます。念のため、裾から水を入れたりします。
水に薄いイエローの色が出はじめたら素早く引き上げます。
時間的には、水に浸けてから、2~3分ぐらいです。水が浸みにくい生地の場合は、4分ぐらい浸けた方がいいですね。
この後、脱水機にかけます。脱水時間は、あまり絞りすぎない3~5分以内ぐらいの感じですね。
脱水機から取り出した状態です。
完全によじれてしまっています。
ひろげます。
アウトシームがねじれていないかなどを細かくチェックしながら、かたちを整えます。
かたちを整えたら着用します。
2~3分の水通しで完全に縮んでいます。カイハラの生地は縮率がありそうです。
横です。
ウエストもしまった感じになっています。
後ろです。
お尻部分のたるみも解消されています。股上寸法の深い1944モデルらしいシルエットになっています。
あとは、座ったりして、シワをつけます。スレーキは出した方がビシッとシワが入りますね。
シワをつけたら、シワを壊さないように、脱ぎます。脱皮のイメージですね。
シワに余計な重力をかけたくないので、最初は、寝かせたまま乾かします。
糊を残しているのでこのまま固まります。
ある程度、水分が飛んで、重量が減りましたら、ハンガーで干してもいいかと思います。
乾きました。
ワンサイズ下(W32×L32の1944モデル)のリジッドと重ねてみました。
レングス方向の縮みが激しく、乾燥直後は約7㎝程度縮んでいます。
通常のLVCは約7.5㎝なので、縮率のある生地ということが言えます。
水通し後、1週間程度履いた縮み寸法は、ウエストが3㎝、レングスが5.5㎝となっています。
501 LVC1944モデルをセットアップ後に着用
完全に乾いたので着用します。
少し前の時代のジャストレングスに仕上がりました。全体的にも縮率が激しいので、身長170㎝程度がL32が履くとギリギリのレングスです。
1回の水通しでこの縮率なので、今後、洗濯を重ねるともう少し縮むでしょう。
1インチ程度折り返して履いてみます。
全体のイメージとしても、履いた時の感じも、1947モデル近いというのはありますが、生地から受ける印象が、1947とは変わります。
履いてから、2日目ぐらいの状態です。
腿の部分の写真ですが、セットアップ後も、生地に明らかに縦方向にムラが入っているのが分かります。
生地表面もこころなしかぼこぼこしており、1947の生地とは完全に違っています。
色については、履きはじめのため、かなり黒みがかっていますが、履いているうちに、光と空気と水蒸気で青みがかってくるのか、それとも、黒みがかったままなのかは、チェックしてみたいところです。
履きはじめは生地が薄く感じますが、履き続けますと、生地がほぐれて厚みが感じられるようになります。これはLVC共通ですね。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1944 501 ジーンズ ORGANIC リジッド - リーバイス公式ストア
現在の縮み寸法
2週間程度履いた縮み寸法は、参考値となりますが、ウエストで1㎝、レングスで5㎝程度です。
こちらの記事で、各モデルもあわせて、LVCをリジッドから履いた縮み寸法を紹介しています。
LVCは初期状態でも、ユニオンスペシャルで裾上げされてはいないため、パッカリングは弱めですが、ネットでは、リジット状態を1940年代のユニオンスペシャルで裾上げしてくれるショップもありますね。
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