リーバイス501には、米国流通モデルと言われるレギュラーやLVCと言われるリーバイスビンテージクロージングなど、たくさんのモデルが販売されています。
そうしたモデルには、セルビッジという旧式の織機でおられた生地のモデルがあります。
このエントリーでは、今現在、リーバイス501で最初に選ぶセルビッジデニムを紹介してみたいと思います。
目次
新品で買えるリーバイス501の代表的モデルを3つ
現在、新品で買えるリーバイス501の代表的モデルを3つ選んでみました。すべてリジッド(生デニム)になります。
左が米国流通モデルで、真ん中がMADE IN THE USAの501、左がLVCの1947モデルになります。
リーバイス501がはじめての場合は、わりとラフに扱える米国流通モデルがおすすめですが、多少こだわりを持ちたい方のの場合はセルビッジモデルがおすすめです。
MADE IN THE USAとLVCがセルビッジモデルになります。
いきなりLVCでもいいんですが、個人的にリーバイス501を履きはじめた30年前に欲しかったモデルはどれだろうと考えると、それは、MADE IN THE USAだと思うんですね。
リーバイス501 MADE IN USA セルビッジモデル
MADE IN USA セルビッジモデルの全体のシルエットです。
前です。
ウエストとレングスのサイズ比率はありますが、思ったよりも迫力あるシルエットです。
後ろです。
後ろから見ても迫力あるシルエットです。
結論から言ってしまうと、水通しした後に履いてみて、(当たり前の話なんですが、)これは501だと感じてしまったんですね。
自分がリアルタイムで感じた501のイメージだったんですね。
商品の出方としては、オンラインに入荷されると、よく出るサイズからすぐになくなる状況を繰り返しています。
同じモデルのホワイトオーク生地の後継ではありますが、引きつける何かがあったということなんでしょうね。
MADE IN THE USA 501®オリジナルフィット リジッド TWOHORSE セルビッジ 14OZ - リーバイス公式オンラインストア
どの辺がそうなのかを3モデルの比較によって、チェックしてみたいと思います。
MADE IN THE USAとLVC 1947モデルの比較
このモデルとLVC 1947モデルの比較を行います。
まず、LVCの47モデルの上にMADE IN THE USAを重ねてみます。
ウエスト、腰回りは、MADE IN THE USAの方が上に重なり、下の47モデルは見えません。
レングスは、下の47モデルの方が1インチ程度長くなっています。
実際の表記サイズは、MADE IN THE USAがW32×L32、LVC 1947モデルがW33×L32になります。LVCの1947モデルと1944モデルは、他のモデルよりウエストが1インチ小さめで設定されていてこのサイズが同サイズになります。
次に、MADE IN THE USAの上にLVCを重ねてみます。
下にあるMADE IN THE USAのウエスト、腰回り部分がはみでて見えますので、明らかに、MADE IN THE USAの方が、47モデルより腰回りがゆったりとつくられていることが分かります。
同サイズの47モデルをリジッドから3ヶ月ほど履いた状態です。
身長170㎝程度、体重68kgで、W33×L32を履いた状態ですが、体重が64kg以下の時にあわせましたサイズなので、腰まわりがピチピチになっています。
つまり、47モデルとか44モデルですと、体型管理が必要になるんですが、MADE IN THE USAのシルエットですと、多少の体重増加でも対応できるというわけです。
ただ、47モデルとか44モデルは、スタイリッシュなシルエットであることに間違いはないため、細身寄りの体型の方には、おすすめのモデルになります。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1947モデル/501XX/リジッド/CONE DENIM/WHITE OAK/MADE IN USA/セルビッジ/12.25OZ(ホワイトオーク)
現在は、ホワイトオークから、カイハラ生地に切り替わっていってます。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1947モデル 501® JEANS RIGID(カイハラ)
こちらの記事で、LVCの47モデルのセットアップ方法を紹介しています。
47モデルも、44モデルと同じ細身のシルエットになります。
こちらの記事で、LVCの47モデルのセットアップ方法を紹介しています。
MADE IN THE USAとレギュラーの比較
次は、MADE IN THE USAとレギュラーの比較です。
シルエット的には、ほぼ同じです。
大きく違うのは生地です。
MADE IN THE USAは、シャトル織機という昔仕様の織機によって、丁寧につくられますが、レギュラーの生地は、現代的な生産設備で効率的につくられます。
生地の違いは、生地両端の違いにあらわれます。
左がレギュラーで、右がMADE IN THE USAです。
レギュラーの裾部分の拡大です。
レギュラーは大きな生地を裁断して、脚部分の生地がとられ、生地両端はほつれないようにミシン掛けされています。
MADE IN THE USAの裾部分の拡大です。
生地の両端がきてますので、シャトル織機で織られた生地の全幅で、脚部分の生地がつくられています。
シャトル織機で織られた生地の両端が、いわゆるセルビッジですが、両端の白い生地には、赤い糸が入り、これを総称して、赤耳と呼んでいるわけですね。
最初に、リーバイスの古着を履いたのは、30年以上前になりますが、1万円以内の買える価格帯ということで、まず、赤耳(オールド)を探すわけですね。
その上が、スモールeの66前期で、いいものは2万円台しました。タイプもので4万、ダブルエックスのダメージが強いものが5万からという感じですね。
このセルビッジの幅なんですが、LVCとMADE IN THE USAでは違います。
左がMADE IN THE USAで、右がLVCの1947モデルです。
LVCのセルビッジが細いのは、昔のヴィンテージがそうだからなんですが、逃げが少ない分、仕事としては難しいでしょうね。
MADE IN THE USAのセルビッジは、しっかりとした幅がとられています。
気持ちもう少し細めでもいいかもしれませんが、501の歴史を考えると、これで自然ではないかと思います。
といいますのは、ダブルエックスからタイプものぐらいですと、生地の風合いが魅力が前面にきますが、スモールeの66後期から生地の風合いが変わり、セルビッジのアタリ(キャタピラ)が501の魅力度が高まってくると思うんですね。
傾向的な話になりますが、66後期以降のモデルは、キャタピラが強調された方が501的ではないかと思うのです。
一番の違いは、生地の製造工程の違いから、履きこんだ時の、色落ちや味の違いにもあらわれます。
熟練工がシャトル織機でていねいにつくった生地であるため、エイジングの風合いが出やすいんですね。
リジッドから3ヶ月ほど履いたLVC1947モデルです。
色落ちの傾向としては、なかなか色落ちしにくいということはありますが、シワの凸部が白くなっていくような色落ちをします。
また、生地的な特性から、上から見て、時計回りによじれが強くでます。
半年ほど履いたレギュラーの生地です。
何も気にせずに、家事でも履いていたということもありますが、レギュラーは、ピタピタで履くのでなければ、生地的に、シワの形状はそれほど定着しません。
基本的には全体的に色落ちして、色落ちのメリハリはつきにくい傾向があります。
それでも、楽しみ方の自由度は高いので、レギュラーを好む方も多いのではないかと思います。
セットアップ方法(リジッドからの水通し)でも、セルビッジ生地は生もの的な生地なので、一発で終わらせるようにしてますが、レギュラーの生地は、あれこれと楽しみながら、身体にフィットするよう生地を縮めています。
こちらの記事で、レギュラーのセットアップ方法を紹介しています。
MADE IN THE USAの意味
重要なのは、MADE IN THE USAの意味でしょうね。
同型番の前ロットは、ホワイトオーク工場の生地でした。
現行品と前ロットを簡単に比較してみましょう。
左が現行品で、右が前ロットでホワイトオークの生地です。
パッと見では、現行品の方が色が濃く、ホワイトオークは青みが強くなっています。
色見だけ見れば、現行品は、LVCの色に寄せていて、ホワイトオークはレギュラーの色に寄せたという感じです。
同じ型番なので、シルエットは同じですが、細かいディテールは微妙に違います。
現行品では、赤タブがスモールeからビッグEになりました。
個人的に明らかに違うと思うのは、ベルトループの縫い付けです。
一番上がホワイトオークで、真ん中が現行品で、一番下が1960年代のタイプものの古着です。
ホワイトオークのベルトループは、本体とまたぐようにしっかり縫いけられていましたが、現行品で、昔からの方法に戻りました。
パッチのデザインを見ても、クラシックな方向に寄せています。
現在の生地の生産地がどこかはよく分かりませんが、アメリカで製品に仕上げています。それが重要になります。
あとさき逆になりますが、水通し後の裾です。
水通し後は、生地はざっくりとして、裾にはパッカリングが入り始めています。
どういったミシンで塗ったかは分かりませんが、パッカリングが入るミシンで縫ったことは分かります。
履きこんでいった時に、この辺のつくり方が、伝統的な501の味となって出てきます。
ホワイトオークの生地がいいのは分かっていますが、現在は生産が終了しましたし、パッカリングが出るようなつくられ方をしているのならば、現行ロットもよしと考えます。
むしろ、個人的には、色が現行品の方が好みだったために、現行ロットを試してみたかったということはあります。
リジッド状態で履いてみる
水通し後の縮み具合をチェックするために、現行品のMADE IN THE USAをリジッド状態で履いてみましょう。
その前に、フラッシャー類を外します。
レギュラーに比べると、タグ類も少し多い感じです。
501と書かれたタグの裏です。
501のリジッドのどこかに書かれているサイズ関係の取り扱い表です。
501のリジッドは、縮ませてフィット(シュリンク・トゥ・フィット)させるわけですが、3種類のサイズ選びが書かれています。
①は、リジッド状態で、ジャストのウエスト、レングスは2インチ長めを選んだ場合は、履いたままバスタブにつかって、そのまま乾かしてねというセットアップ方法です。
②は、リジッドのまま、洗濯機で回して、乾かす場合で、ウエストが27インチから36インチの場合は、1インチアップ、レングスが27インチから34インチの場合は、3インチ上のレングスを選ぶという最もスタンダードな方法です。
③は、リジッドのまま洗わないで履く場合で、その場合は、ウエストもレングスは、ジャストもしくは履きたいサイズを選んでねと書かれています。
個人的には、セルビッジ生地の場合は、サイズ選び的には②で、水通しだけでサイズだけ縮ませて、糊は残すという方法を行っています。
では、リジッド状態で履いてみます。
水通し前なので、ウエスト、腰まわりも、レングスもかなり余裕があります。
横です。
この事例の体型は、ふくらはぎが後ろに出ていますので、ウエスト、腰まわりに余裕があるシルエットの方が、シルエットはきれいにでます。(腹はひっこめています。)
後ろです。
尻が大きいということで、避けたいアングルではありますが、どのくらい縮むかということで、参考になるアングルです。
最後にセルビッジの確認です。
セルビッジが開いてないと、アタリがきれいにでませんので、開いてるかの確認です。
さすが、MADE IN THE USAだけあって開いてます。開いてない場合は、生地に負担をかけないレベルで、アイロンなどで丁寧に開きぐせをつけます。
よく見ると、片方の裾部分の開きが、あやしい感じです。
せめて裾近くのセルビッジは開いてほしいということがあり、今回は、あやしい部分を禁断の荒業で開きますが、基本的には最終手段になります。
リジッドを水通しする
まず、気象条件の確認です。
時間的には、午前中のうちに、外に干しておくぐらいがいいですね。
大事なのは湿度ですね。梅雨の60~70%あるような湿度では、乾きにくくなりますので、避けた方がいいでしょうね。肌感覚ですが、仕上がりがぬめっとしそうな気がします。
気温的には、寒さが気にならなければ、冬でもいけるのではないかと思います。
洗面器で水に浸けます。
507XXセカンドの場合は、バスタブを使いますが、それ以外は、ほとんど洗面器でできます。
リジッドなので多少、水をはじきます。
生地に水が浸透するまで、完全に浸します。
内側から水を入れたりして、3~4分ぐらいまでに浸しきります。5分は浸けない感じです。水に少し色が出始めた状態になります。
(補足)あやしいセルビッジの処理
裾近くのセルビッジがあやしい場合の処理です。
裾部分を折り返したまま、水通しします。
こうすれば、裾部分のセルビッジは開いたままセットアップされますが、その引き換えとして、折り跡が完全に残ります。
この折り跡が、履いているうちに消えるかは、どうかなという感じなので、裾部分のキャタピラを優先する場合の最終手段になります。
水に浸かりきりましたら、2~3分程度脱水機にかけます。
ねじれきって出てきますので、セルビッジが開いてるか確認して、かたちを整えて干します。
フロント部分に折シワをつける場合は、濡れたまま履きます。
ウエスト、腰まわり、レングスが一目瞭然で縮んでいます。レングスは1回の水通しで、2~3インチ縮んでますね。
横です。
レングスは、むかし基準で言えば、ワンクッションのジャストレングスになっています。
後ろです。
腰まわりに余裕があるシルエットのため、縮んだ後も、尻がパンパンにはなりません。
手のひらにインディゴがついていますので、LVCよりは、色落ちしやすくつくっている感じですね。
シワを入れる場合は、軽く椅子に座ってから、あぐらをかくようにしゃがむと深いシワを入れることができます。これは好みですね。
シワを入れ終わりましたら、シワをキープしたまま、脱皮のイメージでどうにか脱いで、干します。
平置きでほせ場合は、平置きで水分をある程度とばしてから、ハンガーで干します。
ごはんを食べたり、ビールを飲んだりして、乾くのを待ちます。
水通し後に履いてみる
乾きました。(一度、履いたしまった状態の写真です。)
501の特徴である右回りのねじれがはやくも確認できます。
初期段階で裾にパッカリングをもう少し入れたい場合は、裾だけ水につけて、手でもんで乾かすことを繰り返すことで調整できます。
乾いたばかりの状態で履いてみます。
まだ、馴染んでいませんが、いいフィット感です。
上にスウェットを着てみた写真です。
シンプルなスウェットを着てみても、わりとすっきり着れます。
生地にけっこう質感がある感じだと思うんですが、上に、LVCの506XXセカンドを着てみましょう。
LVCの506XXとか507XXですと、LVCでも限られたモデルしかあわないんですが、このMADE IN THE USAをあわせても、おかしな感じはしません。
現行のアメリカ製501としてのクオリティを意識してつくられたモデルということになるかと思います。
一週間ぐらい履いた感想としては、生地のクオリティとしては、レギュラーとLVCの中間ぐらいになるかなという感じです。
最初のセルビッジは、どれを選ぶかという内容でしたが、USA製のセルビッジ・ジーンズをラフに履きたいといった場合にいいのではないかと思います。
MADE IN THE USA 501を3ヶ月ぐらい履いた感想
3ヶ月ぐらい履いていると、ザラ感のある生地が色落ちしてきて、思ったよりもいい感じになりました。
オリジナルのファーストにあわせた感じです。
506XXには、1966モデルがあわせやすいと感がていますが、MADE IN THE USAも同じ系統のシルエットのため、古着の506XXにあわせることもあります。
ワイルドなつくりなので、ボロボロのファーストにもあってしまうようなところがあるのかもしれません。
(この状態は、まだレングスが縮み切っていないので、裾を1インチ折り返して撮るべきでした。)
オリジナルのファーストにあわせても、それほどおかしな感じがしないので、MADE IN THE USA は最初に考えていた以上のクオリティがあるのだと思います。
MADE IN THE USA 501はアメリカ人がカッコいいと思う501といった感じになります。
MADE IN THE USA 501®オリジナルフィット リジッド TWOHORSE セルビッジ 14OZ - リーバイス公式オンラインストア
MADE IN THE USA 501の特徴10選をこちらの記事で紹介しています。
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