デニムジャケットが人気で、傾向的には、上がデニムジャケットで、下が違うボトムスのパターンが多いのではないかと思うが、セカンドまでは、基本的に作業着としてデザインされているため、基本はやはりデニムオンデニムではないかと思う。
このエントリーでは、LVCを使ったリーバイス507XXセカンドと1950年代の501XXのデニムオンデニムを検証してみたいと思う。
目次
- リーバイス507XXセカンドLVC1953モデル
- リーバイス507XXセカンドにあわすLVC501は?
- リーバイス507XXセカンドと1955年モデル501XXのデニムオンデニム
- リーバイス507XXセカンドをセットアップすることにした
リーバイス507XXセカンドLVC1953モデル
LVCの507XXセカンド。
ファーストはポケットがひとつでアシンメトリーでキレキレなデザインだったが、セカンドでポケットが2つになり、どことなくユーモラスな感じになる。
LVCで言うと、ファーストの生地は12OZなのに対し、セカンドで13.7OZになる。サードになると15OZになる。
生地が厚くなっているのは、LVCが大判ふるまいをしているというわけではなく、織機の性能があがり、厚い生地が織れるようになったことを再現している。
LVCはその年代のモデルにあわせた仕様に基づいて生地設計がなされており、スペックが全部違うのである。
シンチバックが両サイドにつくサードっぽいデザインになっているが、サードがセカンドのシンチバックを継承しているという言うべきなんだろう。それだけサードが普遍的なデザインになってしまったということでもある。
ファーストとセカンドは、ワークウェア系統であるが、サードはどちらかというとウエスタンテイストを加えたデイリーウェア&お洒落着系統という違いがある。
では、これにあわす501を考えてみよう。
リーバイス507XXセカンドにあわすLVC501は?
このセカンドは1953年モデルなので、あわすのは1950年代のLVC501ということになる。
ラインナップとしては、1954年モデルの501ZXXと1955年モデルの501XXがある。このどちらかを選ぶことになる。
左がLVCの1954年モデルの501ZXXで、右がLVCの1955年モデルの501XX。
1954年は、東海岸でリーバイスが販売された年でもあり、東海岸ではウエスタンスタイルへの憧憬が残っていただろうから、東海岸向けジッパーフライの501ZXXは1940年代の501と同じようなストレートシルエットになっている。丸っこくはないのだ。
一方、1950年代のオリジナル系統の501は、1940年代とはうってかわりワイドで丸っこくなる。レッグ部分でテーパーが入ることにより、レッグ部分のねじれの曲率が変わるからだろうと思う。
検証するまでのことではないのではあるのだが、歴史的コンテキストを考えても、シルエットを考えても、1953年モデルのセカンドにあわすのは、1955年モデルの501XXである。
では着てみよう。
リーバイス507XXセカンドと1955年モデル501XXのデニムオンデニム
サイズ的には、セカンドがXS、LVC55501がリジッドでW33×L32を、身長170㎝程度、体重64㎏が着用している。
セカンドはリジッドのままの状態であり、55501は、一回水通し天日乾燥した状態のもの。現在、減量中のためベルトをしている。
55501のセットアップ方法の記事。
セカンドの袖が、萌え袖になっているが、水通しすれば、ジャストのサイズになるだろう。水通しするかが問題になる。
ボタンを閉めて着てみよう。
萌え袖ではあるが、デニムジャケットは肘部分にシワが入り、多少の袖長さは調整されるので、リジッドのまま着れないことはない感じだ。
セカンドを水通しして着るかどうかという問題
水通しした方が、ランダムなシワが入ったり縮んだりして、いい感じでは着れると思うのだが、当時のアメリカ人がどう着たかを考えると、デニムジャケットは、買ってすぐに洗った人はいないのではないかと思う。
アメリカの戦後は、多くの地域で外干し禁止法が施行されていたはずだから、洗濯は、洗いと乾燥がセットになっている。また、硬水という洗濯には適していない条件ということもある。1950年代は多くのアメリカ人が洗濯するとゴワゴワになってしまうイメージを持っていたと思う。
よほどサイズがあわない場合をのぞいて、買ってすぐに洗い乾燥をしたとは考えにくいから、着はじめはリジッドのまま着ていただろうと思う。
個人的には水通ししたい誘惑にかられるが、ファースト同様あえてリジッドのまま最初は着てみたいと思う。
LVCファーストのデニムオンデニムを検証した記事。
ファーストはしばらく水通しすることはないが、セカンドは生地が厚いこともあり、比較的早い段階で水通ししてしまうかもしれない。LVCのリジッドは生もの感が強く、素材の状態を見ての判断が必要になる。
いずれ判断が必要になるのならば、水通ししてから着ようということで、次の日、セットアップすることにした。晴れなら決行だ。(以下、実況中継風)
リーバイス507XXセカンドをセットアップすることにした
ジーンズは洗面器で十分に水に浸かるが、デニムジャケットはバスタブでないと入らない。
空のバスタブの底にセカンドを置き、軽く水をかけた。
水のはじき具合を確かめる。セカンドはけっこう水をはじきやすいリジッドだ。
長く水に浸けたくないために、急速に水を浸透させることにした。
拡げて水をかけて、水に浸ける時間を短縮させる。内側や襟まわりが十分に濡れていることを確認して完了。3分~5分は浸けてしまったのではないかと思う。糊も一部溶け出ている。
素早く脱水機にかけて取り出す。
セカンドは根性で脱水機に張りつき原型をとどめていた。
それでもいろんな所がねじれているので、手でかたちを整え、冷たいが裸のまま着て、身体のカタチにセカンドをあわせる。
2~3分身体になじませたら、天日に干す。
まず、気温と湿度を確認。
気温は23度台、湿度は41%。風も少しある。AM8:30で41%ならば、あと1時間すれば湿度は30%前半まで下がるだろう。昼からは曇りという天気予報なので、徐々に湿度をあげていくだろう。
午前中でほぼ乾かしてしまう必要がある。
まずは天日干しで、重量を減らす。重量が減ったら、ハンガー干しでいいだろう。ジーンズは干してる段階で、ほとんど手を加えることはないが、セカンドはハンガー干ししながら背中のプリーツや襟など細かい部分を整えていく。
85%ほど乾いたらもう一度着て、身体にフィットさせる。
11時近くでほぼ乾燥。
まだ少し湿っている部分があるが状態を見る。
ほぼ立体的にセットアップすることができた。文字通りセットアップだ。
着てみよう。
リーバイス507XXセカンドをセットアップ後に着用
袖がある程度縮んだということもあるが、袖にシワを入れて、萌え袖を解消している。
縮みすぎていないか確認するためにボタンを閉めてみる。
水通しして縮めることでフィット感はかなり良くなった。
1955ソートゥースシャツは水通しして、どうだったかと思うが、セカンドは水通ししてよくなったと思う。
ただ、オリジナルの時代状況では、初期段階はリジッドのまま着ていたと思う。結局、欧米と日本では、水の性質が違うし、LVCの生地の状態を考慮したセットアップ方法が必要になると思う。
19535モデル/507XX/リジッド
現在はカイハラ生地に切り替わっている。
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1955モデル/501XX/リジッド
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