2018年12月に、ホワイトオーク工場は閉鎖され、リーバイスLVCのホワイトオークモデルの生産は終了し、 だんだんとカイハラモデルに切り替わっています。
ホワイトオークはサイズがないものが多くなっていますが、現在は、ホワイトオークとカイハラの両方が買える状態ですね。
個人的にも、LVCのカイハラモデルを買ってみましたので、このエントリーでは、LVCカイハラのインプレッションを、ざっくりと紹介してみたいと思います。
目次
LVC501カイハラ【1944・1966・1976】
UKで買ったLVCのカイハラです。
買ったのは、1944、1966、1976モデルです。
なぜUKで買ったかというと、気づいた時には欲しいサイズ(L32)が売り切れていたからです。ホワイトオークはまだあるから、カイハラが出回るのは、もっと先だろうと油断していて、出遅れてしまったんですね。
もともと44だけについては、L32の取り扱い表示がなかったということもあります。
L34のリッチ感
ただ、インスタグラムを見ても、グローバルな傾向でも丈の長いものをロールアップして履くのが主流になってきているようなところがあり、日本人でもL34ぐらいあった方がリッチな感じがしていいということなのかもしれません。(レングスの目安として、身長170㎝程度で、リジッドのL32ですと、平均的には1~1.5インチ程度の折り返し、古着の縮みきったL32では短めとなります。)
実際、LVCについては、かなり履きこんだ状態から、裾上げして丈をジャストにしていますので、オリジナルの裾にこだわるよりは、自分に似合うカスタマイズをした方が楽しめるという考え方もあるのではないかと思います。
なぜ47モデルと55モデルは買わなかったのか
47モデルと55モデルは、ホワイトオーク製を昨年末にリジットから履き始めた段階で、通常とは違って、できるだけ丁寧に履いています。
左が、リジッドから履いたホワイトオークの47モデルで、右が55モデルですが、パッと見て、501の雰囲気が出てきたかな思います。
同じサイズ(W33×L32)ですが、47と55で、これだけサイズ感が変わります。
最低でも、5~10年かけて色を落としていこうと思っていますので、1年ぐらいで色が激しく落ちてしまっては困るんですが、しわの位置はうっすらと色が落ち始めています。(1955モデルの方が生地が毛羽だっているために、シワの色落ちがしやすいということおはあります。)
ワンサイズあげて履いていますので、それほどヒゲは入らないかなと思います。きれいにヒゲを入れるためには、ジャストか小さめに寄せて履かないとブリブリには入らないんだと思うんですね。
ヴィンテージの古着とか見ていても、1950~1960年代の501は、10年ぐらいそれだけ履いていたみたいな感じがするんですよね。
現状は、2本とも水に通して縮めただけですので、アウトシームのアタリもまったく出ていません。キャタピラは、洗濯機にかけないとでないでしょうね。
この2本をファーストウォッシュした後で、カイハラの47と55は見てみたい気がすると思ったんですね。
リジットから履く時のセットアップ方法としては、様々な方法があります。一度糊を落として、再度、裏から糊付けするような方法もあります。ビシッとシワ部分の色を落とす方法ですね。
個人的には、もう少しソフト目に、水通しだけして、糊は残して、サイズだけ縮める方法を採用しています。
1947モデルのセットアップは、こちらの記事で紹介しています。
1955モデルのセットアップは、こちらの記事で紹介しています。
現在購入できるLVCのホワイトオークモデルのページです。
LEVI'S VINTAGE CLOTHING (ホワイトオークモデル特集)
かなり、話が脱線していますが、各モデルをもう少し詳しく見てみましょう。
話の前提としては、リジットの状態では、印象に留まり、本当のクオリティは、水に通して、履きこんでみないことには分からないということはあります。
また、製造国は、2019モデルは、ブルガリアになり、生地の生産国の記載はありません。生産国の記載はありませんが、日本のカイハラです。
では、なぜカイハラと分かるかと言いますと、これは公然の事実となっていて、実際にカイハラのホームページにも記載されています。
では、各モデルのインプレッションです。
LVC501カイハラの1944モデルの印象
44モデルです。いわゆる大戦モデルですね。
写真の青みが少し強くなっていますが、左がホワイオークの44モデルで、右がカイハラの44モデルです。
44モデルについては、ホワイトオークとカイハラは、よく似ていますね。
全体を並べて見てみましょう。
左がホワイトオークのW32×L32で、右がカイハラのW33×L32です。
カイハラの方が、レングスを若干短めに寄せているのではなかと思います。また、カイハラは縦方向にムラが入っているようにも見えます。
ホワイトオークとカイハラの違いです。
左がホワイトオークのスレーキ(フロントポケットの袋地)で、右がカイハラのスレーキです。大戦モデルということで、ありあわせでつくった感を出しています。
LVCの44モデルは、15年ぐらい前に、日本製(おそらくカイハラ)のものを履いていましたので、ホワイトオークもカイハラも、まだリジットからは履いていません。
15年前ぐらいの日本製のLVC44モデルです。
リジットではなくウォッシュが入ったモデルで、 裾も一度カットしてジャストにしていますが、LVCモデルの中では、黒みがかったインディゴなので、雰囲気は出やすいのではないかと思います。(股上寸法はあります。)
この日本製の44モデルとホワイトオークの44モデルのディテールを比較した記事です。
実際の大戦モデルは、ヴィンテージショップでお目にかかる機会もあまりありませんし、生地が本当に厚いのかも分かりませんが、外国のリーバイスのサイトのレビューを見ても、44モデルは人気のあるモデルです。
ホワイトオーク版の説明書きにはこんなことが書かれていました。
戦時中の当時は、物資が不足していた為、スレーキや糸の種類が統一されず作られておりました。このモデルは、当時を忠実に再現するため、スレーキや糸には複数の種類を混在させて作成しております。
出典:LVC
カイハラモデルには、この記述はありませんが、ホワイトオークの44モデルと同じように複数の糸を混在してつくっているのではないかと思います。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1944モデル 501® JEANS RIGID
こちらの記事で、リジッドからセットアップするまでを紹介しています。
次は1966モデルです。
LVC501カイハラの1966モデルの印象
LVCではダブルネームと呼ばれるモデルです。
左がホワイトオークの1966モデルで、右がカイハラの1966モデルです。
これは、カイハラの方が青みがかっています。
1966モデルになりますと、違いがあるということを感じます。
ホワイトオークは、床の振動が加わりながら織っているということがあり、極端な言い方をすると、生地表面にでこぼこがある感じですが、カイハラは滑らかです。光沢も含めてビューティフルな感じに寄せているような感じですね。
全体も見てみましょう。
左がホワイトオークのW32×L32で、右がカイハラのW33×L32です。
写真レベルでも、リジッド状態では、カイハラの生地が、滑らかでブルーがかっていることが分かります。1966モデルは、毛羽がカットされていますので、生地に光沢が出やすいということはあります。
しかし、裾を見てもらうとわかるように、カイハラの方はリジット状態でも、縮みが、ホワイトオークより大きくなっています。水を通した時の縮率がけっこうあるということだと思いますので、実際に履いた時は、かなり味がある表情になっていくのではないかと思われます。
実際、リジッドに水を通しますと、色は変わります。
ホワイトオークの1966モデルのリジッドと、リジッドから履いている3度ほど水に通した同モデルです。
左がリジッドのW32×L32で、右が、W34×L32ですでに履いているものです。1966モデルは、47モデルや55モデルと比べるとかなりブルーですが、リジッドを水に通すと色はこれだけ変わります。履いているうちにもブルーが濃くなってきます。
2サイズアップで履いていますので、ヒゲはおそらくそれほど入らないでしょう。パツパツで履くほど入りやすくなります。このモデルは、47や55と違って、わりと普通に履いています。複数回水通ししていますが、糊は完全に落としていません。
こちらの記事で、2サイズアップのホワイトオークの1966モデルをセットアップした時の方法を紹介しています。
1966モデルは、501XXと501のダブルネームということで、移行期のモデルになります。
個人的に考えている1966モデルのイメージとしては、こんな感じです。
これは、実際には、1950年代のダブルエックス(ループずれ)の古着なので、太めですが、全体的にテーパードがかかっていますので、1966モデルっぽいシルエットになっているのではないかと思います。これをもう少し細くした感じですね。
日本のリーバイスストアのフラッグシップ店が原宿にできたとき、記念モデルとして、1966モデルのカタカナモデルが発売されました。
こうしたモデルに採用されることからも、実際に水通して履いてみないと分からないということはありますが、かなりつくりこんでいるのではないかと思われます。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1966モデル 501® JEANS RIGID
こちらの記事で、リジッドからセットアップするまでを紹介しています。
このモデルは、1966モデルですが、一般に、66(ロクロク)と言えば、次の1976モデルを指します。66でも、66前期ですね。66にも、66前期と後期があって、66前期までが、LVCで復刻されているモデルです。個人的には、66後期が好きだったりします。
LVC501カイハラの1976モデルの印象
LVCの66前期です。赤タブの表記は、スモールeになります。
左がホワイトオークの1976モデルで、右がカイハラの1976モデルです。
これは、明らかに色が違います。カイハラの方がかなりブルーです。
これだけ違ってどうなんだということはありますが、66前期は同じくくりでも、製造年ごとに、かなり色落ちやイメージが違いますので、実態に即しているということは言えるのではないかと思います。
全体を見てみましょう。
左がホワイトオークのW32×L32で、右がカイハラのW33×L32です。
明らかに違いますね。
もともとこのモデルは、1978モデルだったんですが、ビームスの40周年記念にあわせて、1976モデルになりました。1976がビームスの創業年だったんですね。
こちらの記事で、ビームス40周年記念モデルのホワイトオーク1976モデルのインプレッションを紹介しています。
個人的な印象では、66前期は細身な体形の方が似合いやすいのではないかと思います。
それ以前のモデルは、もともとがワークウェアですので、労働者体型でも似合うんですが、1970年代は、当時のカルチャーの影響を受けて若干変わります。
66後期になると、また腰がしっかりした労働者体型が似合うんですが、現行のMade in USAの501セルビッジモデルを見ると、また細身系になっているような感じです。
こちらです。
MADE IN THE USA 501®オリジナルフィット リジッド TWOHORSE セルビッジ 14OZ
この現行モデルは、ホワイトオークではありませんが、タブはビッグEとして発売されています。(おそらく47モデルがベースになっています。)
話を戻しまして、66前期です。30年ぐらい前は、赤耳の次に入手しやすい古着だったのでよく履いてました。
同じ1976年製の66前期の古着です。
これは、洗濯機に入れて洗うこともありましたので、ほぼ色が抜けた状態のものです。 元のサイズは、W32×L34ですが、この個体は、洗濯機にかけたので、このぐらい縮んでいるんですね。(身長170㎝程度)
66前期でも、ビッグEよりの質感のものと、それ以降のものがあって、これはどちらかと言うと後者です。
洗った時に濃淡がつくものと、あまりつかないものという言い方もできます。1976年製の66も持っているんですが、そちらの方が生地の質感も、色の濃淡もあったりします。
表面的な印象では、ホワイトオークが前の時代に寄せてつくっていて、カイハラが後の時代に寄せてつくったようにも見えますが、カイハラの方は、水に通した時に縮率が大きそうな感じもしますので、実際には、履いてみないと分かりません。
66前期については、個体ごとの印象も違い、体型によって履いた時の印象も違いますので、特に履いてみないと分からないモデルになっているのではないかと思います。
このモデルはずっと根強い人気がありますね。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1976モデル 501® JEANS RIGID
こちらの記事で、リジッドからセットアップするまでを紹介しています。
上の写真のデニムジャケットは、ほぼ同じ時代のラングラーの24MJZです。
66にあわせますと、やはり70年代みたいな感じになりますね。今の時代ですと、コアになっている部分です。80年代とか90年代とか言われますけど、バックボーンは70年代になるんでしょうね。
1970年代のものは、同じカルチャーの影響が色濃く出ていますので、 違う種類をミックスさせてもそれほどおかしくないのではないかと思います。
Tシャツは、Made & Craftedとループウィラーのコラボモデルです。
現在は、スウェットとパーカーとTシャツの一部サイズが残っている感じです。
LEVI’S® MADE & CRAFTED®×LOOPWHEELER®
原宿のカタカナ1966モデルの元ネタという感じもしますね。ストック用に買ったんですが、結局、着てしまいましたね。
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