リーバイスにデニム生地を供給してきたコーンデニム社のホワイトオーク工場が2017年12月末で閉鎖されるということで、ホワイトオークLVC(リーバイス・ビンテージ・クロージング)を買うことにしました。
同等クオリティのLVCは今後も出ると予想していますが、ひとつの区切り的な意味合いはあるかと思います。
このエントリーでは、今回購入したLVCのシルエットとインプレッションを紹介したいと思います。
リジッドのままのシルエットですが、それぞれに特徴はやはり出ているので、これからLVCを買おうという人には、何らかの参考になるのではないかと思います。
目次
- レビューするLVCモデルの概要
- リーバイス501XX / LVC1947年モデル
- リーバイス501XX / LVC1955年モデル
- リーバイス501ZXX / LVC1954年モデル
- リーバイス501-501 / LVC1966年モデル
- LVC501のシルエット比較とインプレッション
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レビューするLVCモデルの概要
まず、この記事でレビューするモデルです。
1947が2サイズと1955、1954Z、1966の4モデルになります。
右下は、ホワイトオークのメイド・イン・USAリジッドです。比較で置いてますが、比較の意味は見出しにくかったです。
個人的なサイズ選びの前提条件になります。
サイズの前提
このLVC購入した時点のウエストは、W32です。
リジッドのウエストは1インチアップを買うのが基本ですが、幅を持たせたフィット感で履きますので、各モデルへの関心にあわせてW32~W34を購入しています。
個人的なレングスは、古着のサイズでは元表記でL33とL34を買っていますが、LVCでは一番短いL32を買っています。(LVCのリジッドのレングスはL32・34・36)
現在購入できるL32は減ってきましたが、メインのL34、36はまだ残っていますので、十分に流通している状態と言えます。
こちらの米国流通モデルのレビューでもサイズ感について書いています。
リーバイス501米国流通モデルをリジッド(生デニム)から履いてみた / サイズ選びとセットアップ方法
501のパターンが知りたかった
個人的には、つくられた年代に関係なく原型を留め続けるリーバイス501のパターンに最も関心がありましたので、今回のLVCは米国のアーカイブを参照したということで、パターンは完全に再現されてると思うんですね。
以前から出ているモデルということはありますが、改めて自分のサイズのオリジナルのパターンが知りたかったんですね。
リーバイス501XX / LVC1947年モデル
1940年台のモデルは、ヴィンテージショップでもかなり貴重な扱いとなっており、実際にはよく分らなかったモデルになります。
オリジナルのパターンが履けるというのは、1980年代後半から遡ってみますと、 考えられないレベルの話なんですね。
47501(W32×L32 )
リジッドでウエストジャストはほとんど買わないんですが、47はジャストが欲しかったので買いました。
1947モデルです。
細いです。スリムストレートのシルエットとなっていて、現在カッコいい感じの感覚に近くなります。
1940年代の501は、こんなに細かったのかということは感じますが、リーバイス本社がオフィシャルなアーカイブスに基づいて再現したものです。
ウエストがジャストのリジッドなので、履いたままバスタブで洗って乾かすという履き方になります。この場合、履いたまま洗いますので、ウエストは身体のサイズ以上には縮まず、レングスは2インチ(5㎝)縮みます。
パツンパツンになり失敗する可能性もありますが、コントラストの高いシワが入ります。
横と後ろです。
まだ履く予定がないので、フラッシャーはつけたままにしています。
リーバイス501は、自分のものであっても、コモンズ(共通の資産)的な意味合いがありますので、履く直前までは、フラッシャーはつけたままにしています。
同じモデルで、ウエストを1インチアップさせた場合です。
47501(W33×L32)
リジッドでウエストを1インチアップするという最も教科書的なサイズ選びになります。
W32と比べますと、腰まわりや太ももに余裕があります。
1940年代の501は、ふとももから膝、膝下までストレートなので、そうしたシルエットになっていることが、実際に確認できます。
このサイズですと、ウエストは1インチ縮んでもいいので、履かないままの手洗いや洗濯機が使えます。いわゆる洗って自分サイズにするシュリンク・トゥ・フィットになります。
横と後ろです。
この1947年モデルを実際に履いてみることで、見えなかった1940年代のリーバイス501のイメージが見えてきました。
デニム生地は1955年モデルに比べると薄いんですが、スペシャルとしか言いようがないLVCに仕上がっています。
ワークパンツがファッション性のあるジーンズになったのは1940年代で、それを象徴したような生地感がある、この再現された1947にはかなり共感できます。
細かいディテール的には、バックポケットの隠しリベット、片面表記の赤タブ、革パッチです。
1947モデル/501XX/リジッド/CONE DENIM/WHITE OAK/MADE IN USA/セルビッジ/12.25OZ(リーバイス公式ページ)
この1947モデルを実際にセットアップしたレビュー記事になります。
ここで、LVCの各モデルの生地の厚さをチェックしてみましょう。
LVCの年代別の生地の厚さ
織機の性能があがるほど、ぶ厚い生地が織れますので、古いものはそれほど生地は厚くありません。
1890モデルが8.8OZ、1933と1937モデルが12OZ、1944と1947モデルが12.25OZ、1954モデルが12.52OZ、1955モデルが12.5OZ、1966モデルが14.2OZ、1976モデルが13OZとなっています。
(データ上は、1947と1955のOZ数はわずかな違いですが、実際に触った体感的には、1955がかなり厚く感じます。)
次は、1955年モデルです。
リーバイス501XX / LVC1955年モデル
個人的なダブルエックスのイメージは1950年代のモデルになります。
生地もずしっと厚くいわゆるダブルエックスという感じになります。厚い生地が好みの場合は1955年モデルになります。
サイズは、リジッドのサイズ選びで基本的なW33×L32です。
55501(W33×L32 )
同サイズの1947モデルと比べると分かりますように、明らかに太いです。
1950年代の501は、ひざまでがストレートで、ひざしたからテーパーするのですが、そうしたパターンがそのまま読み取れます。
このリジッドの状態からウエストで1インチ、レングスで3インチ縮ませますと、いわゆるダブエックスのシルエットになります。
強烈ですね。
横と後ろです。
後ろから見ても太いですね。最も印象の強いLVC501です。
細かいディテール的には、バックポケットの隠しリベット、両面表記の赤タブ、紙パッチです。
1955モデル/501XX/リジッド/CONE DENIM/WHITE OAK/12.52OZ
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1955モデル 501® JEANS RIGID
この1955モデルを実際にセットアップしたレビュー記事になります。
1947年モデルと1955年モデルの印象は強いですが、他にも興味のあったモデルは買いました。
リーバイス501ZXX / LVC1954年モデル
フロントがボタンフライではなくジッパーフライの501ZXXです。
ボタンフライと履いた時のイメージを変えたかったので、リジッドで2サイズアップを選んでいます。
54501Z( W34×L32 )
リジッドで2サイズアップしてもモダンな感じになっています。
東海岸の若者に売るためにジッパーにしたそうですので、洗練されてシルエットにしようとしたんでしょうね。このモデルがやがて505に進化するのがわかるようなシルエットにしています。
これはバランス感のいいカッコいいジーンズですね。
横と後ろです。
すっきりしてますね。少し縮めるだけでそのまま履けそうです。
細かいディテール的には、バックポケットの隠しリベット、片面表記の赤タブ、革パッチです。(リジッド状態の生地は厚め)
1954モデル/501ZXX/リジッド/CONEDENIM/WHITEOAK/MADEINUSA/セルビッジ/12.52OZ
リーバイス501-501 / LVC1966年モデル
リーバイスの古着は、以前にジャストサイズ・ジャストレングス以外は手放してしまったということがあり、ベルトをして履く用に2サイズアップを選んでいます。
66501( W34×L32 )
サイズアップしたリジッドですが、現在の感覚に近いリーバイス501になります。
1960年代の501は、ふともも、ひざ、ひざ下まで連続的にテーパーしますが、そうしたシルエットが実際に確認できるかと思います。
一番馴染みがある感じだなと思いました。股上寸法が現在のパターンに近い感じなんでしょうね。
横と後ろです。
1960年代のシルエットですので、細く履いてもカッコいいです。
細かいディテール的には、両面表記の赤タブ、紙パッチです。LVCとしては、最後のビッグEのモデルになります。(リジッド状態の生地は厚め)
1966モデル/501/リジッド/14.2OZ/CONE DENIM/MADE IN USA
この1966モデルを実際にセットアップしたレビュー記事になります。
LVC501のシルエット比較とインプレッション
ウエストが1インチ違いますので、条件が揃った比較ではありませんが、紹介しました各モデルのシルエットの比較です。
おおよそのシルエットの傾向は分かるのではないかと思います。(各写真の大きさが厳密には同じではありませんので、股上寸法の比較としては正確ではありません。イメージになります。)
まとめますと、1947は全体ストレート、1955はひざまでストレート、ひざ下テーパー、1954と1966はゆるやかな全体テーパーという感じです。
フィット感では、1947がスリムフィットで、残りはレギュラーフィットという感じになります。
こうしたシルエットの時系列的な変化や違いを自分のサイズで確認したかったので、今回はリジッドばかり買いましたが、LVCの各モデルには、ウォッシュのかかった様々なバージョンがありますので、洗いやエイジングを経た、各年代のリジッド生地の風合いを直接楽しめる製品になっています。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING(ビンテージ クロージング)
個人的なインプレッションとしては、1947はカッコいいモデルで、ダブルエックス的なニュアンスを求めるなら1955、モダンでコーデにあわせやすいのは1954Zで、スタンダードでも人とは違った個性的な履き方でもできるのは1966という感じになります。
こちらの記事で、1947、1955、1966モデルの履きこみレポートをしています。
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