米国製ホワイトオークモデルの1944大戦モデルについては、日本製の1944モデルを履いていたこともあり、買うことはありませんでした。
しかし、リーバイスの英国サイトを見ていますと、1944モデルがスカッと売り切れていましたのでやっぱり欲しくなり、買った時には、レングス32は、ウエストが2サイズアップのものしか残っていませんでした。(レングス34についてはウエストも揃っています。)
LVC501では、1947モデルが象徴的な位置にあり、それと並ぶように1944大戦モデルの人気が高いということがあります。
このエントリーでは、日本製LVC1944モデルと米国製LVC1944モデルを簡単に比較してみたいと思います。
目次
リーバイス501(日本製)LVC1944モデル
全国チェーンの古着屋さんに行きますと、LVCの古着が出ていることがあり、色落ち具合をよくチェックしています。
個人的にいいなと思うのは、米国バレンシア製(~2003年)でもトルコ製でもなく日本製です。
オリジナルより生地が厚く、日本の軟水という選択事情を考慮した仕様になっています。そのため、色落ちやエイジングを考慮せずに日本で履いてもいい味が出るのだと思います。カイハラがつくった生地と思われます。
わりと普通に履いてきた日本製のLVC1944大戦モデルです。
大戦モデルは、第二次世界大戦中で物資が制限され、ディティールが簡略化されたモデルです。
サイズはW32×L34です。リジッドではなくワンウォッシュか軽くヴィンテージウォッシュされた製品だったと思います。
わりと履きこんでいます。東南アジアにも履いて行ってます。
日本製1944モデルの特徴は、黒っぽいインディゴ染にしていることです。全体的に黒い感じです。
オリジナルの生地が厚いと考えられているため、生地も厚めです。
加工製品から履いているので、わりとすぐにアタリがつきます。LVCの加工製品のいいところは、履きこみでかなり変化しますので、自分でつくった感が容易に得られることです。
右のバックポケットに財布を入れていましたので右のお尻が白くなっています。
膝裏もきれいではありませんが、ハチの巣が入っています。
履いてみましょう。
1944モデルは、股上寸法が長いです。この股上寸法が1940年代の501の特徴ということです。日本製LVCは相当凝ったスタイリングをしています。
股上が長いため、裾だしで着た方がまとまりやすいです。
最初は裾長めで履いていましたが、現在はジャストレングスに裾上げしています。
2度ほどユニオンスペシャルで裾上げをしています。
履いているうちにもう少し短い方がいいなとか分かってきますので、かなり後の段階でも裾長さを調整しやすいです。
ユーズドやヴィンテージですと、コモンズ的な考え方から、オリジナルの裾は残しておいた方がいいので、そのまま履きますが、LVC加工ものは、裾を後々まで調整しやすいということがあります。
手間はかかりますが裾上げの段階に関わらず裾の味出しを行うことができます。
リーバイス501(米国製)LVC1944モデル
2018年に購入したホワイトオーク工場コーンデニムの米国製1944モデルです。
サイズがなかったこともあり、2サイズアップした1944モデルを買いましたがどうでしょうか。
リジッド生地はしっかりした感じがしますが、オリジナルを忠実に再生する方針のため、日本製に比べると薄いです。
しかし、履き始めは薄く感じますが、履きこんでいくことで、生地がほぐれ厚みが出てきます。ヴィンテージデニムのような風合いが出るにはかなり時間がかかる感じですね。
現在の米国製LVCの生地の扱いについては、欧米と日本では、硬水と軟水という洗濯条件が違いがあり、欧米仕様でつくられた現在のLVCは扱いに注意した方がよいような気がします。
簡単に言いますと、履き始めてアタリがつきはじめる前までは、洗濯機や乾燥機は控えて、水で手洗いした方がいいと考えています。
リジッドのままですが、これも履いてみましょう。
縮める前なのでかなり大きいです。サイズはW34×L32です。
LVC1966モデルでもオーバーサイズのリジッドをセットアップしましたが、1944モデルは股上寸法が長いので、履きこなすのはちょっと難しいかもしれません。
1947モデルのリジッドW33×L32がジャストサイズで、レングスも短めな感じなので、1944モデルは、W33×L34という選択があったかもしれません。
L34は各サイズともたくさん残っています。
LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING 1944モデル/501XX/リジッド/CONEDENIM/WHITEOAK/MADEINUSA/セルビッジ/12.25OZ
日本製と米国製のディテールの違いを少しみてみましょう。
LVC1944大戦モデルの日本製と米国製のディテール比較
1944モデルについては、本物を持っていませんので、レプリカ同士の比較になります。
本物がある場合はディテールよりもシルエットに関心が行きますので、実際はどうなんだろうと想像する楽しさがあります。
本物と比較できないので、細かいディテールを見てもあまり意味はないということはありますが、日本製と米国製のLVCに対する考え方の違いが見えてきます。
トップボタンの違い
日本製44501
確かトップボタンは月桂樹柄なはずですか、リーバイスの社名が刻印されております。復刻したというよりも、リーバイス愛にあふれたトップボタンと言えそうです。
太いベルトループにも特徴があります。
米国製44501(ホワイトオーク)
米国製LVCはしっかりと月桂樹柄になっていました。確かに本物を復刻したという感じはしますが、日本製のトップボタンに存在感を感じるところもあります。
スレーキの違い
日本製44501
スレーキは、ポケットの内袋ですが、戦時中の物資の調達で色々な生地が使われたということなんですね。日本製1944モデルはグリーン(現状は薄茶に変化)でした。
米国製はどうでしょうか。
米国製44501(ホワイトオーク)
米国製は通常の生地と同じでした。しかもスレーキにリーバイス・ビンテージ・クロージングとスタンプしてあります。(このスタンプは、2018年3月以降の生産モデルでは消えています。ホワイトオークである確実な目印でもあります。)
実際は、製品ごとに、グリーンやストライプなど色々な生地が使われており、このモデルがたまたま通常とおなじ生成りの綿だったようです。
革パッチの違い
日本製44501
この1944モデルは何度か洗濯機で洗濯していますので、パッチが縮んでいい感じです。
米国製44501(ホワイトオーク)
革パッチですが、立派の革なのでボロボロになる感じに縮むのかなという感じがします。
アーキュエイティドステッチの違い
日本製44501
ペンキで書いたアーキュエイティドステッチが1944モデルの大きな特徴ですが、本物のヴィンテージではほとんど消えています。
日本製のレプリカはこのようにしっかりと残っています。ペンキより綿糸のステッチの方が先にエイジングしています。本当はペンキがかすれていくのがいいんでしょうね。
米国製44501(ホワイトオーク)
このペンキステッチが消えるかは履いてみないと分からないですね。日本製と同じで消えにくそうな気がします。
日本のイメージ再現とアメリカのリアル再現
日本のLVCは1944モデルが持っていたイメージを再現しているようなところがあり、米国製は1944モデルそのものを再現しようとしているところがあります。
また、ヴィンテージにはロットや工場の違いからくる個体差があり、現在のLVCは同じモデルに共通する特徴を抽出し、やや強調したかたちで製品化してるようにも感じます。
現在の米国製LVCに日本製の骨太なテイストが加わると面白いんでしょうね。
ホワイトオーク米国製で、LVCはピークの製品群をつくりましたが、ホワイトオーク工場のコーンデニムによるLVCは、現在の販売分で終わります。
今後の501のセルビッジはカイハラがつくるとされていますが、ピークではないけれど、最強のLVCが販売されるのだろうと期待されます。
カイハラLVC1944モデルのレビューとセットアップ方法はこちらの記事で紹介しています。
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