ジャストレングスのリーバイス501をよく探してきました。ほとんど古着屋でしたが、ウエストがジャストサイズで、しかもジャストレングスのリーバイス501が見つかるとかなりうれしかったことを今でも覚えています。
約20年前でもビッグEのジャストレングスは見つかりにくい状況でしたので、リーバイス501のジャストサイズを探すことは、結局はジャストレングスの501を探すことになります。(リーバイス501についてはこちらの記事)
リーバイス501ジャストレングスの世界
裾上げしてる501でも全然問題ないんですが、裾上げしてない501にはアタリのついたチェーンステッチの裾がついていました。
裾上げすると501全体のシルエットが変わるということも言われますが、それよりも気になっていたのは裾でした。裾上げしても、ユニオンスペシャルという古いミシンでチェーンステッチすれば、綿生地がぐにぐにと縮んだカッパリングとアタリは出ますが、オリジナルに近いアタリを出そうとしますとかなり神経を使います。
オリジナルの裾はただ洗濯しただけで、なんの苦労もなく狂ったようにカッパリングしておかしいんじゃないかと思えるほどアタリがついたのです。
人によってはどこに価値があるのか分らない種類のことではありますが、ヴィンテージでもなくオールドでもない、リーバイス501ジャストレングスの世界があったのです。
チェーンステッチのレギュラー はまだつくられている
USラインの501リジッド(生デニム)の裾は、シングルステッチとなって久しいですが、まだチェーンステッチのレギュラーはまだアメリカでつくられています。このエントリーではリーバイス501のジャストレングスの入手方法を紹介したいと思います。
目次
リーバイス501とは
リーバイス501とはジーンズの原型とも言えるモデルで現在でも販売されている型番。フロントがジッパーではなく、ボタン留めであることが有名です。
スティーブ・ジョブズもジャストレングスのリーバイス501をよく履いていました。
501をジャストサイズで履くのがカッコいいかと言うと、それはまた別問題で、ウエストがワンサイズかツーサイズ大きめで、裾は1インチから1.5インチぐらい折り返してベルトをして腰ばきするのが501っぽいと個人的には思います。基本がジャストレングスということなんですね。
では本論に入りましょう。
ジャストレングスのリーバイス501(古着)
まず、リーバイス501のジャストレングスを紹介したいと思う。当然のことながらジャストレングスは人それぞれによって違う。つまり自分のサイズを知ることが重要になる。特にリーバイス501は生地の種類によって縮み方が違うので、縮んだ後のサイズを想定して購入する必要があるのだ。それゆえ、古着屋でジャストサイズの501を買うのが比較的やさしい方法であり、ウエスト、レングスともにジャストサイズを知る方法だったのである。今は数も少なくなっているかもしれないが、時間がある人は古着屋をじっくり探してみるのも楽しすぎるだろう。
リーバイス501 Aタイプ
501Aタイプ。いわゆるビッグEモデルのひとつ。1960年代のもの。AとかSとかはクオリティをあらわしたと言われている。このビッグEの前のモデルがヴィンテージで有名な501XX。30年前でもダブルエックスのジャストサイズというのは、手頃な価格では入手できなかった。
このモデルは縮み方が激しく、ジャストレングスよりはやや短めのレングスになっている。
501Aタイプの裾のパッカリングとアタリ。製造が50年以上前になるので、経年変化的なアタリになっている。
拡大して見てみよう。
パッカリングが斜めに入るのがチェーンステッチの特徴である。シングルステッチだとパッカリングが垂直に入るのでスッキリした印象になる。
リーバイス501 Sタイプ
501 Sタイプ。これはジャストレングス。これもビッグEなので、今の分類だとヴィンテージということになる。ヴィンテージの場合、生地が硬く、インディゴの青が強く残る特徴がある。
Sタイプの裾のパッカリングとアタリ。
リーバイス501 66
これは66モデル。スモールeのモデルであるが、赤耳(セルビッジ)の生地を使っていたために、昔はオールドと呼んでいた。ビッグEと比べると生地は柔らかい感じがする。
66タイプのパッカリングとアタリ。ステッチの糸も現在と同じオレンジ色になっている。
リーバイス501 赤耳
いわゆる赤耳のスモールe。1980年代のモデル。現在も古着屋さんで見つかるのはこのタイプが多いのではないかと思う。生地がほわっとした感じになり、現在の501に近くなる。
このモデルで赤耳(セルビッジ)生地は終わるのだが、裾のステッチはチェーンのために、パッカリングは斜めに入っている。
次は新品のジャストレングスを見てみよう。
ジャストレングスのリーバイス501(新品)
リーバイス501 レギュラー
これは現在も売られているジャストレングスの501。まだ洗っていない。ワンウォッシュで売られていたものなので、ウエスト、レングスが1~2センチ程度は縮むと思われる。生地の厚さは、現在の501の厚さである。あんまり厚い生地は好まれないのだろう。そういう意味では履きやすいジーンズになっている。
ワンウォッシュなのですでにパッカリングが入っている。チェーンステッチなので斜めに入っている。オリジナルのチェーンステッチはワンウォッシュなのにこうなってしまうのだ。ちょっと履いただけでぐりぐりになるのが分ってもらえると思う。
では入手法。
リーバイス501のジャストレングスを入手する方法
なにを重視するかによって買うモデルは変るが、 ネットで簡単に買えるのである。30年前にはありえない話である。
ホワイトオーク工場モデルレギュラー(チェーンステッチ)
これは上で紹介したものである。ホワイトオーク工場モデル。レギュラーなのでセルビッジではない。しかしメイドインUSAのモデル。標準の501はアメリカ以外でつくられるので、アメリカ製のモデルは象徴的な意味があるのだろう。
ホワイトオーク工場は、2017年末で閉鎖してしまったので、いまはまだあると思うがUSA製コーンミルズの生地による501はいずれなくなるだろう。
裏にホワイトオーク工場のタグやUSA製のタグがついていたりしてアメリカらしからぬ芸の細かさがある。しかし仕上がりにはアメリカらしいラフさもあるので味があると言える。個体差があるのである。多様性を重んじるアメリカらしさでもある。
裾長さは、アマゾンで売っているものは、30インチと32インチの2種類である。30インチから縮むことを想定すればジャストレングスになる人は多いだろう。1インチほど折り返せばさらに増えるだろう。
出典: 【アメリカ製 Made in USA】Levi's 501 ワンウォッシュ [並行輸入品]
サイズ表もついている。想定ではあるがどの程度縮むかとあわせたものがリーバイス501のサイズ表となる。
( ホワイトオーク工場のリジッドセルビッジの現行品もあるが、レングスL32のものは少なくなっている。品質にバラツキはあるが楽天で探すとみつかる。)
リジッド(シングルステッチ)
501は生デニムからシュリンク・トゥ・フィットで履かないとダメだという人が選ぶモデルだ。現在はUSA製ではなく、チェーンステッチでもない。生デニムの場合は、レングスの種類ももう少し細かくあるので完全なジャストレングスが入手できる。
あと生デニムはガンガンに縮むのでそれに注意する必要がある。ウエストは1~2インチだが、レングスは7~10センチ近く縮む場合もある。
出典:【Made in USA】 Levi's 501 ボタンフライ ワンウォッシュ(リンス)[並行輸入品]
こちらの生デニムのサイズ表もよくできている。縮み寸法は目安である。このあたりがリジッドの楽しさである。
この米国流通モデルのリジッドの実際のサイズ選びとセットアップの方法のポイントの記事。
シングルステッチのリジッドであるが、1インチ刻みでレングスを展開しているショップもある。
リーバイス 501 LEVI'S 501-0000 オリジナル ボタンフライ ストレート ジーンズ リジッド STF (LEVIS RIGID 生デニム USAライン)
いずれもUSA製ではないので、品質にバラツキがあることには留意する必要がある。手づくりですからね。
どうしてもチェーンステッチにこだわる場合は、多少長めを買って、ユニオンスペシャルがあるジーンズリペアショップで裾上げしてもらう方法がある。オリジナルの裾ではないが、生デニムからユニオンスペシャルでチェーンステッチすれば、ぐりぐりにカッパリングするだろう。
ようするに古いミシンなので、ガチガチに留めてしまうことで生地がヨレてくるのである。新しいミシンだとヨレないような縫い方のため、同じチェーンステッチでもヨレが少ないのである。
シングルステッチではダメなのかという意見もあるだろう。
シングルステッチのアタリは、縦落ちするので、これもけっこう渋いのである。
リーバイス501シングルステッチ
これは、赤耳が終了した後の501。裾はシングルステッチである。
シングルステッチでも、履きこむとこのような垂直に近いアタリがつく。今風のファッションにはくどくないシングルステッチのアタリの方がマッチするだろう。ほとんど変らないではないかという話もある。
501リジッドは縮むのでもっとアタリが出るだろう。
しかしぐりぐりの斜めのカッパリングにはならない。結局は好みの問題になるのかもしれない。
今でもあるかどうか分からないがそうしたリーバイス501のジャストレングスの世界が確かにあったのである。USのプレミアムラインは今でもチェーンステッチだから、やはりその世界は残っているのだろう。
はじめて興味を持てたものが今でも残っているのはうれしい。
リーバイス・ビンテージ・クロージング
もっとこだわりたい場合は、リーバイス・ビンテージ・クロージングのビンテージタイプでジャストレングスを探すという方法もある。
日本製のリーバイス501はクオリティは良いが、レングスが長いのでほとんどの人はチェーンステッチの裾をカットして、再度チェーンステッチで縫うことになる。ウォッシュの状態によってはオリジナルのカッパリングが出るか分からないのだ。グラインダーをあててアタリをつくりこんだりしてそれはそれで楽しいのではあるが…
しかし目を皿のようにして探しているとリーバイス・ビンテージ・クロージングの中にレングスの短いもの(リジッドでL32)がある。現在は、ホワイトオーク工場ものでリジッド(生デニム)で短いレングスも出しているのを発見できる。
2018年5月2日現在、リーバイス・ビンテージ・クロージングの1947年モデルの501のL32が大量入荷中。あまり見ない光景なので、最後のUSコーンデニムモデルのゲットを考えている場合にはチェックがおすすめ。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1947モデル/501XX/リジッド/CONE DENIM/WHITE OAK/MADE IN USA/セルビッジ/12.25OZ
裾もどのくらい縮むのか分らない楽しさもある。このヴィンテージだとセルビッジデニムなので赤耳もつくので完璧だ。そのかわり価格もそれなりである。現在はすでに買われてしまいサイズも歯抜け状態だ。入荷したらメールで通知してくれるようである。
(小まめにチェックしていると、入荷されていたりする。)
また、1940年代のビンテージだと股上寸法があることに留意する必要がある。1950年代になるとやや現代的なシルエットに近づく。シルエット的にはホワイトオーク工場のレギュラーが履きやすいだろう。
(追記)1947モデルを実際に履いてみた記事になります。
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他にはセレクトショップの別注でジャストレングスを置いたりしているところもあるので、昔よりははるかに、リーバイス501のジャストレングスを入手する方法が増えたように思う。
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