リーバイス501をリジッドから履いて、実質2〜3ヶ月目の色落ちレポートになります。
米国流通モデルの1本とLVC3本を同時並行で履いていますので、履き始めた時期はもう少し前になりますが、毎日履いたと仮定しての目安的な日数になります。
このエントリーでは、過程ということもあり、速報版的に、2~3ヶ月月履いた4本の501の色落ち経過を紹介したいと思います。
目次
- 全体比較(USライン・LVC47501・55501・66501)
- 米国流通モデル501(実質約3ヶ月目)
- LVC1947モデル(実質約2ヶ月目)
- LVC1955モデル(実質約2ヶ月目)
- LVC1966モデル(実質約2ヶ月目)
全体比較(USライン・LVC47501・55501・66501)
それぞれのモデルには、それぞれの良さがあり、比較することにはあまり意味がないと考えますが、購入予定の方が、やっぱりそっちの方が良かったなんてことにならないように、色落ちの傾向をラフに紹介したいと思います。
リジッドから履いて、2〜3ヶ月目の4本のモデルを同時に並べた写真です。
左上が米国流通モデル(USライン) 、右上がLVC501の1947モデル、左下が1955モデル、右下が1966モデルです。
セットアップで入れた履きシワは、わりとキープしています。
毎日履き続けたとして、USラインは、3カ月目ぐらいの状態、LVCは、2カ月目ぐらいの状態になります。
同じ501でありながら、それぞれのモデルは素材も生地も染めも異なります。
USラインは、1980年代後半のインシームがダブルだった時の風合い受け継いでいる感じです。
LVCは、ざっくりした言い方になりますが、1947は、精緻にザラっとした感じで、1955は、毛羽立ってソフトな感じ、1966は、艶めかしくツルっと感じのテクスチャです。
段階的には、USラインがようやくアタリがついてきたかなという感じで、LVCの方は、ようやくアタリがつき始めたかなという感じです。
アタリがつくまでは、基本的に、何もせずに履き続けるということがポイントになります。
アタリがついた後は、手を加えていい段階になると思いますが、これも人によって考え方が異なります。ジーンズはカルチャーなので、異なっていていいんだと思うんですね。
まず、個人的なセットアップの考え方です。
個人的なセットアップの考え方
個人的に、基本としているのは、綿は水に触れると縮むという性質です。
リジッドのまま履いていても、身体から出る水蒸気で縮むかもしれませんし、一気に縮めたい場合は、最初に2分ほど水通しします。
USラインは、汎用品ということもあり、シュリンク・トゥ・フィットさせたいので、2~3回ほどこの作業を繰り返します。LVCは、最高品質でつくりこまれていることもあり、水通しは一発で決めます。糊は極力落としません。
セットアップ後は、アタリが出るまでは基本的に何もせずに履き続けます。
具体的な方法は、過去のエントリーで紹介しています。
次に個人的なメンテナンスの考え方です。
個人的なメンテナンスの考え方
これは、USラインとLVCで変わります。
USラインは、アタリがつくまでは洗いませんが、アタリがついた後はケースバイケースで洗います。基本的には手洗いにして、必要に応じて、洗剤や洗濯機を使います。
LVCは、風合いをキープしたいため、できるだけ洗濯はしたくないということがあります。
そのため、セットアップの時期も、汗のかく真夏は避けています。
洗う場合は、水による手洗いになるかと思います。
洗わない問題点としては、アジアの場合、汗を含んだデニムに雑菌が繁殖し、生地の劣化が早まるという問題がありますので、水洗いした時に、裏表、天日干することが重要になるかと考えています。
以上は、あくまで、個人的なセットアップとメンテナンスの考え方ですが、こだわり派の中には、デニムの水通しも洗濯もやめた方がいいという考え方があります。リジッドのまま履くスタイルですね。リジッドまま履く方法もフラッシャー等で推奨されている方法になります。
リーバイスCEOがそうした考え方をしています。
リーバイスCEOの洗濯についての考え方
リーバイスCEOは、ジーンズを洗濯機で洗ってはいけないという考え方をたびたび表明しています。
こちらの記事で紹介されています。
リーバイスが再上場、CEO「ジーンズの冷凍ダメ、洗濯機もダメ」
確かに、ジーンズは(極力)洗わない方がいいんだろうなと思うんですが、アレはどうなるんだろうということもあります。
アレとは、裾のパッカリングであり、アウトシームのキャタピラです。
裾のパッカリングは、その部分だけ、水通ししたり乾かしたりしていれば入るかもしれませんが、サイドのキャタピラは、アタリは出せても、陰影あるキャタピラは、洗濯(できれば洗濯機)しないと出ないと思うんですね。
洗濯しないとキャタピラが出ないのでは…
これは、古着の501ダブルエックス最終型の裾部分です。
かなり洗わないと、裾のパッカリングもそうですし、サイドのキャタピラの陰影はくっきりとは出ないと思うんですね。
LVCについては、グリグリしたパッカリングとボコボコのキャタピラは優先度を下げるかと考えていますが、このキャタピラ問題は、おいおい考えるとしまして、個別の履きこみ状態をそれぞれ見て行きましょう。
米国流通モデル501(実質約3ヶ月目)
実質約3ヶ月履いたUSラインのレギュラー501です。
しわの凸部の色が落ち始め、腿のすれた部分についても全体的に色が落ちはじめた状態です。
フロント部分の拡大です。
生地の性質やフィットさせるために何度か水通しをしていますので、しわ自体はぬるいしわです。現行のレギュラーの場合は、ヒゲはビシッと入らずにぼかした感じで入るという特徴はあります。
しわの凸部が明らかに白くなりましたら、アタリがついた状態と考えています。
この段階からがスタートラインです。アタリがつく前に、洗濯をしてしまいますと、全体的にのっぺりした感じで仕上がります。
色落ちに濃淡をつける場合は、ここからどこまで洗わずに履き続けるかということになります。
後ろです。
ひざ裏にしわは入っていますが、はちの巣的な色落ちはしていません。後ろには、目立った変化は見られない状態です。
裾です。
基本的には、裾の部分からすれていきますので、アタリがついていきます。
しかし、洗濯をしていませんので、グリグリのパッカリングにはなっていない状態です。現行品レギュラーのステッチはシングルのため、パッカリングは入りにくいということもあります。
室内では裾を折って履いていますが、折った部分の生地は傷みやすいという傾向があります。
水通しをしていない現行品の同サイズの米国流通モデルと大きさの変化を見てみましょう。
同サイズのリジット新品との比較
まず、色目の変化です。
一般的に、インディゴは、空気と水に触れることで、ブルーに変化する性質がありますので、水通ししたり履いていくに従って鮮やかなブルーに変化していきます。
各モデルのインディゴは調合が違いますので、レギュラーはコバルトっぽいブルーに変化します。
大きさの変化です。
レングスで、9㎝縮んでいます。スペックでは、7.5㎝(3インチ)ですので、少し上回った縮み方をしています。
2019年4月のUSライン501は、フラッシャーのデザインが変わっていました。
このフラッシャーの部分に洗って、どのくらい縮むか書いてあったんですが、タグの部分に移動しました。
タグです。
タグにこれまでの縮み寸法が書いています。洗濯機で洗いと乾燥をする場合は、ウエストが27~36インチの場合は、1インチアップ、レングスが27~34インチの場合は、3インチアップを選んだでくださいと、これまでと同じ内容です。
そして、現在も、洗わないで履く場合は、リジッド状態でジャストを選ぶと書いています。
こちらがUSライン501のAmazonのリンクです。
Levi's 501 (Shrink-To-Fit) [並行輸入品]
サイズ多めのリンクもあります。
LEVI'S 501 ORIGINAL(シュリンクトゥフィット)
セットアップ方法は、こちらの記事で紹介しています。
以降は、LVCのエイジングレポートです。
リジッドLVCは、現行品のレギュラー501と比べて、色落ちしにくい傾向があります。
当時の製品を最高品質でつくりこんでいるようなところがあり、現在も、1950~60年代の501は普通に履けることを考えますと、ホワイトオークのLVCは一生ものと言ってもいいようなところがあると思いました。
少し履いて濃淡ある色落ちは期待できませんので、一生もの的なつきあい方になるのではないかと思います。
状態的には、少しアタリがつき始めたかなという状態です。アタリがつくまでは、まだちょっとかかるという感じですね。
LVC1947モデル(実質約2ヶ月目)
LVCの象徴的なモデルです。
全体です。
色目的には、レギュラー501と比べますと、グレーがかった色目です。
あたったりした部分は、色落ちするもの全体的に色落ちしていない状況です。
フロント部分です。
セットアップ時に入れたシワはキープしているもののシワが色落ちしているかはよく分からない状態です。
フロント部分をもう少し拡大した写真です。
シワの凸部がほんのりと色が落ち始めたかなという状態です。ザラザラとした生地です。
まだちょっと時間がかかるという感じですね。
後ろです。
後ろも目を引くような変化は出ていない状態です。バックポケットのあたった位置は色が落ちたりしています。
裾です。
この1947は、裾を折らないで履いてることもあり、やはり裾はすれてきます。
この裾部分の色落ちの仕方だけ見ますと、シワ部分では、濃淡ある色落ちが期待されるのではないかと思います。
実際にどうなるかは、履きこんでいってみないと分からないところはあります。
着用した写真です。
シルエット的には現行の501に近いんですよね。逆ですね。
現行の501が1947モデルのDNAを継承してるんでしょうね。
1947モデルのリーバイス公式リンクです。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1947モデル/501XX/リジッド/CONE DENIM/WHITE OAK/MADE IN USA/セルビッジ/12.25OZ
こちらのモデルのセットアップ方法を紹介した記事です。
次は、1955モデルです。
LVC1955モデル(実質約2ヶ月目)
LVCの中では、最も強烈なシルエットです。他のモデルと違って、コーデを多少考える必要があります。
全体です。
エイジングの特徴はまだほとんど出ていない状態です。
セットアップで入れたシワが消えつつあります。わたりがありますので、ヒゲ位置に余裕ができてしまいシワがつきにくいということがあります。
わたりがありますので、その分、太もも部分に鋭角のしわが入ります。
生地が毛羽だっているため、全体にソフトな印象になりますが、最もハードなLVCだと思います。
後ろです。
いつのまにかお尻にたるみシワが入っていますので、適宜、伸ばす必要があります。
バックポケットです。
あたった部分から色が落ちています。
裾です。
裾は1947モデルと同じ傾向があります。
着用した写真です。
裾にアタリがついたのが少しわかる程度で、見た目のエイジングはそれほど分からないですね。
1955モデルは、雰囲気が出るのに少し時間がかかる感じですね。
それでも501の代表的モデルということもあり、時間をかけてエイジングさせる分には適しているかと思います。
1955モデルのリーバイス公式リンクです。
LEVI'S® VINTAGE CLOTHING 1955モデル/501XX/リジッド/CONE DENIM/WHITE OAK/12.52OZ - リーバイス・オンラインストア
こちらのモデルのセットアップ方法を紹介した記事です。
最後は、1966モデルです。
LVC1966モデル(実質約2ヶ月目)
1947モデルと1955モデルは、過保護気味に履いているということはありますが、1966モデルは、USラインと1947モデルの中間ぐらいのラフさで履いています。
全体です。
1966は、1947や1955と較べますと、青みが強めになります。
生地のテクスチャもツルっとしたところがあり、LVCの中では、比較的、味出ししやすいモデルではないかと思います。
フロント部分です。
シワ部分がところどころ色が落ちはじめています。
この1966は、2サイズ上のウエストを、シンチバックの位置で、絞って履いています。オーバーサイズの古着的な履き方をしています。
太もも部分です。
オーバーサイズなので、太ももの部分の生地があまり、太ももの内側にシワが入りやすくなります。
後ろです。
後ろは、目立った変化は出ていない状態です。1966モデルは、アーキュエイティドステッチの形状が独特です。
裾です。
裾については、ロールアップして履いていることもあり、1947や1955ほどアタリはついていません。
1966モデルのリーバイス公式リンクです。
LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING 501(R)1966モデル-リジッド/14.2OZ/CONE DENIM/MADE IN USA
こちらのモデルのセットアップ方法を紹介した記事です。
エイジングレポート速報版のまとめ
米国流通モデル(USライン・レギュラー501)については、アタリがついてきたこともあり、好みによって、手を加えていっていい時期に入ったと考えられます。
もう一度、水通しして、サイズを縮めるなどですね。もう少し履いてみるのが安全ではあります。
LVCの方は、アタリらしきものがつき始めたということはありますが、まだはっきりとわかるレベルではありませんので、同じように履き続けるという状況になります。
LVCの共通事項として、履き始めは生地が薄く感じますが、履いているうちに生地がほぐれてきて、厚みが感じられるようになります。1950年代の501も重量を計ってみますと、それほど重くはつくられていません。
履き始めから最新の状況までの全体的なエイジングレポートはこちらの記事で紹介しています。
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