アーキペラゴを探して

デニム、ヴィンテージ、旅、レビューのブログ

レビュー-本

岡崎京子原作の映画「リバーズ・エッジ」誰がうまく語れるのだろうか / 小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」 

2月16日に岡崎京子原作の映画「リバーズ・エッジ」が公開されるという。 映画『リバーズ・エッジ』公式サイト スター・ウォーズを見て、館内を出ようとすると、貼ってあったポスターに釘付けになった。 「リバーズ・エッジ」を語ることは難しい。 自分の部屋…

Googleのマインドフルネス実践法を理解する本8選 / サーチ・インサイド・ユアセルフ による能力開発

今年は、鎌倉でZEN2.0が開催されるなど、禅やマインドフルネスへの関心が高まっています。世界的なマインドフルネスへの関心の高まりに大きな影響を与えたのが、グーグルのマインドフルネスプログラムです。 そのグーグルのマインドフルネスに根差した能力開…

マルグリット・デュラス × 小泉今日子 / 「誰も知らない小泉今日子」

デュラスへのインタビューが掲載され「マルグリット・デュラスの世界」という本。 本屋で 「誰も知らない小泉今日子」という雑誌をパラパラっと見て、その本を思い出した。 マルグリット・デュラスが、家について言及している本。人と家との関係、もっと言え…

台湾特集の雑誌を見かけるとつい買ってしまう件

本屋で、台湾特集の雑誌を見つけるとつい買ってしまう。 近々に行く予定はなくても、つい買ってしまう。パラパラっと見てるだけで何となく楽しい。むかしは、香港とか沖縄がそうした対象だった。かの地で政治的な圧力が高まるとともに、無条件に楽しいという…

僕が村上春樹の新刊「職業としての小説家」を買った理由と感想 / 河合隼雄先生の思い出

村上春樹氏の新刊が発売された。自伝的エッセイ「職業としての小説家」。本の帯コピー。 誰のために書くのか、どのように書くのか、そしてなぜ小説を書き続けるのか、小説を書くための強い心とは。 この本を買った理由 この新刊を買ったのは、僕が小説家志望…

「村上さんのところ」書籍版とコンプリート版 / 掲載されたやりとりの傾向

「村上さんのところ」書籍版とコンプリート版のどちらがおすすめか? 選ばれたやりとりには傾向らしきものがありました。選ばれなかったやりとりの魅力。

村上春樹「女のいない男たち」の面白さ

村上春樹『女のいない男たち』の感想、面白かったところ、全作品レビュー。おすすめナンバー。この作品が持つコンセプトアルバムとしての意図に沿って読んでみました。

「村上さんのところ」を旅する休日 / 印象に残った回答(前の方から)35選

「村上さんのところ」の質問と回答のなかから、特に印象的だったものを前の方から順番に35個選んでみました。

闇に拮抗する力 / 「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」

トピック「岡崎京子」について 「今月は岡崎京子の…を買いたいから…」紀伊国屋のマンガコーナーですれ違いざまに中学生ぐらいの女子二人連れが言うのを聞いた。 岡崎京子の作品が自分にとってどのような意味を持つのかにしか興味がなかった。女子の会話を聞…

くちびるから散弾銃で不可視の内戦を生き抜く / 「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」

岡崎京子展を見る前に公式カタログを見ながらの主要作品のふりかえり。『くちびるから散弾銃』的世界観を通しての個人的な感想。

竹鶴と文庫本のマリアージュを愉しむ / マッサンから学ぶウイスキー入門

休日に竹鶴ピュアモルト三種類を飲みくらべながら文庫本を楽しむ。ニッカを飲むならブレンデッドから。マッサンから学ぶその理由。

「言い訳」と「謝り」の真髄とは何かを考える / 『できる大人のモノの言い方大全』

以前勤めていた会社は、言い訳のプロや謝りのプロで満ち溢れていた。 反発心から、言い訳のプロや謝りのプロには決してならないでおこうと誓ったものだ。しかし、1900年代ののんびりしたビジネス環境とは違って、弱肉強食の2000年代は、仕事を覚えるより前に…

大人って何だ? 『おとなになる本』

大人って何だ?かつて大人とは何かを知りたくて万巻の書物を探った。 結論的には、みんな大人なのでその問いには意味がないということだ。フィリップ・アリエスによれば、子どもの発見は近代の出来事であった。つまり、むかし子どもは「小さな大人」として大…

状況に関わらず支配的であり続ける / ジョルジュ・バタイユ「非‐知―閉じざる思考」

12月に入り、法事が続いた。彼らの人生と重なる幾分かの時間を思い出した。彼らの笑った顔しか思い浮かばない。違った表情を思い出そうとすればできるのだけれども、なぜ、彼らの笑った顔しか思い浮かばないのか考えてみた。 ジョルジュ・バタイユ。岡本太郎…

ウィトゲンシュタインは究極のミニマリストか /「ウィトゲンシュタインの建築」

1. ウィトゲンシュタインの建築とは 90年代後半には閉店していたと思うが、西部美術館の横に「アール・ヴィヴァン」というアート系書店があり、アール・ヴィヴァン叢書というB4版の冊子を出していた。各冊子は決まったアーティストやムーブメントを特集し、1…

楽園 / ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』

ヴィンロンかサデックに向かう船の中で読んだと思う。ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』という本の内容を思い返していた。 集団のなかに働く力学は、小さな友人関係から国家規模までどれも似ている。愛とか平和もあるだろうが、繰り返し発現する集合・…

自由に生命が泳ぐ柵へ / 『若者よ、マルクスを読もう』

倉敷国際ホテルのロビー吹き抜けに、棟方志功の大きな板画が掛けられている。この板画の横のチェアで『若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 』(以後、若マル)を読んだ。前作から続いて、内田樹氏と石川康弘氏によるマルクスの頭脳への憧れが綴られ…

エクリチュールと旅2 / バルト『零度のエクリチュール』

(9月15日エントリーのメモ) ベトナムエアラインの中で、バルトの『零度のエクリチュール』を読んだ。字面を追うことはできるが理解は難しい。デュラスの小説はすらすらと頭に入る。デュラスはバルトを嫌っていたという。デュラスの本心は分からない。バルト…

エクリチュールと旅 / マルグリッド・デュラス『愛人 ラマン』

書くこと。フランス語でエクリチュール。エクリチュールと聞いて、思い出すのは、『エクリチュールの零度』を書いたR.バルトと、書くことが生きることであったM.デュラス。 『エクリチュールの零度』は何度か読んでみたが、歯が立たなかった。内田樹氏のブロ…