2月16日に岡崎京子原作の映画「リバーズ・エッジ」が公開されるという。
スター・ウォーズを見て、館内を出ようとすると、貼ってあったポスターに釘付けになった。
「リバーズ・エッジ」を語ることは難しい。
自分の部屋にあって、最も持ちだされた本が「リバーズ・エッジ」だ。
たくさん、そして長く借りていった人間は多いが、誰からも感想を聞いてもいないし、こちらから話してもいない。そういう漫画だ。
現在は、ボロボロになっている。なぜそんなに持ちだされたかというと、品切れで、入手ができなかったからだ。2000年になって違う表紙で何度か復刻された。
少し前に、同じ装丁で復刻版が発売されているのをコンビニで見た。
その表紙を見た瞬間は、スティーブン・キングのITが出現したようだった。
できれば、避けて通りたい類のものだ。なぜ今この原作が映画化されるのだろうか。
おそらく誰の地元でもこうしたストーリーは共有している。
自分たちの地元のストーリーとリバーズ・エッジのストーリーが融合してしまっていて、うまく切り分けることはできない。
死んだ人間もいるし、生きている人間もいる。取り返しのつかない罪をおかした人間もいる。そのすべてが川のほとりの街で起こった。
リバーズ・エッジの最後のページを閉じた時の感覚が今でも続いているし、それがリアルな感覚だと思う。
文学界で特集が組まれている。うまく語ってくれているだろう。
東京にはあまり行くことはないが、岡崎京子展には行った。リバーズ・エッジのコーナーはうまく構成されていたと思う。
僕はうまく語れないが、その感覚うまく語っている人もいる。アマゾンのレビューを読むとうまく語っている人も多い。
映画が公開されれば、現在の言葉でうまく語る人間が出てくるだろう。
第一義的には「リバーズ・エッジ」がうまく表現してくれているということがある。その連鎖だ。その連鎖はどこに向かうのか。
主題歌は小沢健二「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」
歌詞も曲もまだ聞いてないけどこういうタイトルのつけかたをするんだからアーティストっていうのはすごいよね。
ピュアでストレートなメッセージ。
このメッセージをほんの少しだけわけてもらってなら映画「リバーズ・エッジ」を強い意志でうまく見ることができるだろう。
(追記)ツイッターで歌詞発見。
「アルペジオ(きっと魔法のトンネルの先)」。試写で聴きました。曲もとんでもないんだけど、歌詞がちょっとすごすぎてね… pic.twitter.com/t7UrgliffW
— 宇野維正 (@uno_kore) 2017年11月30日
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