今シーズンもオープンカラーシャツは人気の高いアイテムとなっています。
その中でも、ユニクロユーのオープンカラーシャツは、デザイナーのルメールが最初からオープンカラーを展開していたこともあり、評価の高いアイテムになっています。
このエントリーでは、ユニクロユーのオープンカラー半袖を振り返りながら、オープンカラー長袖シャツの着こなしやコーデを検証してみたいと思います。
特にややメタボな体型の方がコーデする場合のポイントですね。
目次
まず、春夏に人気だったオープンカラーの半袖を振り返ってみましょう。
オープンカラーシャツ半袖の基本形コーデ
まず、デザイナーのクリストフ・ルメールが提示したスタイリングを見てみましょう。
ルメールの推奨スタイリング (半袖)
出典:ユニクロ|Uniqlo U(ユニクロユー)2018年春夏コレクション
ボタンは全留めで裾を外だしして、ワイドなパンツをあわせています。微妙なAシルエットをつくるのがルメールの推奨スタイリングのようです。
しかし、このスタイリングは細身でないと似合わないんですね。細身の身体とワイドなシルエットの隙間に風が抜けていきそうな感じがお洒落だと思うんです。
シルエットは同じでも服の下に肉がぎっしりつまっていては爽やかな感じがでないんです。
体型を選びますので、こうしたスタイリングはきまればカッコいいものの、主流ではなかったように思います。
世間的には、ルメール推奨ではないスタイリングが好まれているように思いました。
ちまたのスタイリング傾向 です。
オープンカラー縦レイヤードとチャンピオン白Tと黒スキニー
ちまたでは、色つきのオープンカラーのインナーに、おそらくチャンピオンの白Tを縦レイヤードさせて黒スキニーでしめるという感じではなかったかと思います。
出典:ユニクロ|オープンカラーシャツ(半袖)|MEN(メンズ)
コーデしやすい3色です。白以外の色物は、オレンジと黒がありますが上級者の着る色ですね。中央の深いブルーが最もかっこよく見えたのではないでしょうか。
インナーは白Tシャツです。白見せなので、チャンピンなどの真っ白いTシャツが好まれますし、オープンカラーのヴォリュームを出すために身幅があるものの方がいいでしょう。一番重要な点は着丈ですね。
オープンカラーシャツよりも白Tシャツの着丈が長くないと縦レイヤードは完成しません。
チャンピオンのTシャツにもいろいろありますが、最も人気と価格が高いのがT1011(ティーテンイレブン)です。(T1011は実際は着丈の短いTシャツなので、チャンピオンはT1011以外のタイプは着丈が長めです。)
なぜ高いかと言いますと、生地が厚かったり、アメリカでつくっていることもありますが、T1011はホールガーメントという製法でつくられていることが大きいです。
通常のTシャツは表生地と裏生地をピタッと貼り合わせますが、ホールガーメントはつぎめなしでつくります。そのため着た時にTシャツが立体的になるんですね。
上にアウターを着れば、インナーのホールガーメント効果でホワッとするわけです。
これです。価格がそれなりにするのが悩ましい点です。ポケットなしの方が若干お安いです。
ボトムスは黒スキニーです。
出典:https://www.uniqlo.com/jp/store/goods/408490-68
黒スキニーを履いとけばお洒落だということで重宝されましたが、下半身が太い体型にはとても履けるしろものではありませんでした。それでも無理して履いてる人はいます。お尻がブリンブリンしています。
お洒落にユニクロユーのオープンカラーシャツを着こなした例です。
ユニクロのオープンカラー半袖をかなり独断と偏見でふり返ったわけですが、次は長袖を見てみましょう。
オープンカラー半袖にはまった人はかなり関心が高いのではと思います。
このエントリーを書いた後に、ユニクロユー2018秋冬コレクションが発表されました。2018春夏の長袖が再度、スタイリングも交えて登場しています。
ルメールの推奨スタイリング (長袖)
オープンカラー長袖のルメール推奨スタイリングです。
出典:Uniqlo U(ユニクロユー)2018年秋冬コレクション|UNIQLO
裾がフラットなので、裾だしかと思いきやタックインです。しかも単品で見せるのではなくインナーに着たタートルともあわせています。
で、実際の2018AWオープンカラー長袖はどうなんだい?
ユニクロの売り場には、早くも長袖が並んでいます。
発売されたのは2月でしたが、 ユニクロユー2018AWのラインナップとして、本格投入です。
オープンカラー長袖の白です。
見かけ上は、半袖の後に長袖が店頭に並んでいますので、半袖を長袖にしただけだろ? と思う人は多いのではないかと思います。
それが違うんです。
ユニクロユーのオープンカラーの半袖が好きだった人は、当然、ワクワクしながら店頭で手に取ってチェックしたと思うんですね。
たぶん、生地が薄いのでは? と思ったと思うんです。
こう思ってしまうのにも理由があるんです。半袖と長袖では生地が違うのです。
半袖の生地は、綿50%、レーヨン50%で光沢がある女子も大好きなとろみ系ですが、長袖の方は、綿100%のブロードなんです。
ブロードといっても初期ルメールの高級感ある光沢素材ではなく、通常レベルの光沢はありますが、夏らしくシャリ感のあるものになっています。
ブロードなので生地はペラペラでもいいんですが、半袖のとろみ生地との落差でそう感じてしまうんだと思うんですね。
おそらく手に取ったあと、レジに向かうのに躊躇したのではないかと思います。
確かに売っている製品は乾燥昆布のようにハンガーにかけられて売っていますが、まさに乾燥昆布と同じで、一度水につけるとある程度戻るような感じです。
生地を拡大して見てみましょう。
一度水につけて乾かした状態です。微妙にホワッとしたような気がします。
しかし、この襟回りのデザインはいいですね。このオープンカラーをデザインしたルメールはエルメスをディレクションしていたわけですから、ユニクロユーのオープンカラーシャツにはエルメスのニュアンスがあるんだと思うんです。
ただ、やはりテロリ感のあるオープンカラー長袖を欲しいという人もいると思うんですね。2018AWの9月中旬発売分でしっかり用意されていました。
出典:ユニクロ|Uniqlo U(ユニクロ ユー) 2018年秋冬コレクション
再生繊維50%、綿50%の生地です。新素材によりオープンカラー半袖で見られたドレープのテロリ感が出るものと期待されます。
デザイン的には、ワークシャツテイストで胸に大きなポケットがついています。
サイズはどうでしょうか。見た感じがワイドですよね。試着せずにSを買いました。
けっこう大きいなあと印象があるのではないかと思いますが、実際はそれほどでもありません。
かなりタイトに着ているユニクロユーのブロードシャツと比べてみましょう。
オープンカラーSサイズの上に、ブロードシャツのSサイズを重ねてみました。
身幅はやはり太目ですが、着丈は同じです。裾をフラットにしているので、裾が長めの印象なんですね。
では、オープンカラー長袖のコーデを考えてみましょう。
細身の人が着る場合には、なんなく着れると思いますので、ややメタボな骨格ストレート体型のケースですね。
ルメールが推奨する半袖での裾だしと長袖でのタックインの2パターンです。
オープンカラーシャツ長袖のコーデ(裾だし)
まずは、半袖の世間的コーデで考えてみます。黒スキニーはありませんので、手持ちの材料であわせてみます。
メタボ体型が半袖世間的コーデをするとどうなるか…
なんでしょうかこれは…
半袖世間的コーデをややメタボ体型がやってしまいますと、似て非なるものができてしまうんですね。
インナーには、チャンピオンのT1011で、ボトムスはZOZOのテーパードスリムのライトインディゴです。スキニーっぽいのがこれしかなかったんですね。
繰り返しになりますが、オープンカラーシャツを着てお洒落なのは、ルーズのシルエットと身体の間にできる隙間なんだと思うんです。ここに風が通ってる感じがして爽やかだな、お洒落だなと判断するわけです。
しかし、メタボにはその隙間がありません。ぎっしり肉がつまっているのです。そして優れた人間の視覚は服を着ていてもその肉づきを判断します。こいつは脂がのっているなと。
ルーズな服を着ていても肉がぎっしりつまっていることはバレてしまうのです。
横と後ろも見てみましょう。
横から見ると、骨つきフライドチキンのようなシルエットになっています。これをどう考えるかですね。
細身の方は、半袖に準じるスタイリングでいいと思うんですが、メタボな体型は、オープンカラーを着る場合のコーデを新たに考える必要があるのではないかと思いました。
メタボのためのオープンカラー長袖コーデ(裾だし)
問題はボトムスですね。テーパードスリムはやめてレギュラーフィットにします。
レギュラージーンズは誰でも履けますので、レギュラージーンズをボトムスにしたコーデです。
まず基本の裾だしするパターンです。
裾だしする基本パターン
まず、何も考えずに着てみます。1970年代のリーバイス501スモールeの古着に、最高にお洒落と言われるユニクロユーのスーピマ白Tを着て、ボタンをしめずに外だしです。
どのアイテムも高価なものではありませんが、いいものです。
袖は少し長めのこともあり、かなり適当にまくっています。(袖はきれいにまくった方がいいです。)
基本形オールドスタイルNG
この恰好はどこかで見たことがありますよね。
そうです。そば屋のバイトです。
白のオープンカラーを無造作に着るとやばいのは、おそば屋さんのバイトの人になってしまうことなんです。出前を頼むとバイトの人が上だけ白い服着てますよね。
あれは調理用の白衣なんですが、アマゾンでも売っています。
女性用ですと、かなりオープンカラーに近くなります。
かわいいデザインもあったりしてルメールもびっくりです。コムデギャルソンもむかしオープンカラーをよくつくっていたので買ってましたが、ギャルソンのニュアンスもあります。
ここでもう一点注目してもらいたいポイントは、インナーのTシャツとオープンカラーの間に大きな隙間ができてしまっていることです。ユニクロのTシャツは裾まわりをシュッとしぼり気味にしていますので、こうなってしまうんですね。それがいいところでもあるんですが。
レギュラーフィットのジーンズを履く場合は、白以外のカラーを選ぶか、そば屋のバイトに見えないようにスタイリングを考える必要があったのです。
ここで、このスタイルを修正して世間的ニュアンスを取り入れます。
世間的ニュアンスによる調整スタイリング
ユニクロユーのスーピマ白TをチャンピオンのT1011のMサイズに換えて、ジーンズもワンサイズ小さめにしました。 1980年代のリーバイス501スモールeです。
Tシャツの方が着丈が長い縦レイヤードで少しマシになりました。
ジャズがBGMで流れているそば屋のバイトです。
しかし、その辺りを狙うのもありなのかもしれませんね。
チャンピオンのTシャツにすることで、オープンカラーとの隙間は少なくなりました。
ちなみに、チャンピオンのT1011サイズのMサイズでも、着丈がユニクロユーのオープンカラーより短かいですので、もう少しサイズをあげるか、他のロングTを買うかの方がいいんでしょうね。
T1011を骨格ストレート体型が着用した記事です。
この写真は、オープンカラーを背抜き(背中の方向にずらす)して、見かけ上、オープンカラーの着丈が短いようにみせています。
横や後ろは、このように縦レイヤードになっていません。
インナーのTシャツの着丈が長い縦レイヤードにして、フィットしたレギュラーフィットジーンズにすることが、メタボ体型がオープンカラーを着る場合のポイントになるかと思います。
半袖と同じように、色物が着やすいとは思うんですが、綿100%ですので、艶やとろみが少ないということで、半袖の時ほど色物にアドバンテージはないのではないかと思います。
細身の人は裾だしでもカッコいいと思うんですが、万人には少し難しい感じですね。ルメールが長袖でタックインさせた理由がなんとなく見えてきました。
次にルメールがオープンカラー長袖で推奨するパンツインもやってみましょう。お洒落に裾を入れる場合は、タックインで、なんでもかんでも習慣的にパンツにつっこむ場合はパンツインとなります。毎度同じですが、リーバイス501の方向に持って行ってしまう流れです。
オープンカラーシャツ長袖のコーデ(タックイン)
タートルをインナーに着るとややメタボなストレート体型ではマグロのようになってしまいますので、インナーをTシャツに変えてすっきりいきます。
ベルトなし
身幅があるシャツなので、ウエストのあたりでたるませて、上下のヴォリューム感を調整しています。501は1970年代のスモールe(いわゆる66モデル)です。
ルメールならではの襟まわりデザインが、リーバイス501独特のシルエットに抗しています。
ルメールでないとこれだけきれいな襟にはなりませんので、パンツインして普通のシャツ的に着るのもありではないかと思うんですね。エルメスのニュアンスのあるシャツです。
袖もきれいにまくった方がいいですね。
出典:Uniqlo U(ユニクロユー)2018年秋冬コレクション|UNIQLO
こんな感じですね。プロの腕まくりです。
パンツインして袖をうまくまくれば、骨格ストレート体型でも、ユニクロユー2018AWオープンカラー長袖を着れることが見えてきました。
横や後ろは見えませんので、意外とだらしない状態になっています。
ちょっと寂しい感じもしますのでベルトをしてみましょう。
ベルトあり
ベルトというアクセサリーが加わった感じですね。
ベルトもユニクロの端が斜めにカットしてあって一番厚くみえるタイプです。
ユニクロのベルトもかなり早くから試してきましたが、初期に比べて品質はかなりあがりました。
最初はワンサイズ展開でしたが、現在は2サイズある製品が多いです。
靴はレッドウイングのオックスフォードです。
[レッドウィングシューズ] RED WING SHOES ブーツ ワークオックスフォード 8106 BLACK(Black/8 1/2)
- 出版社/メーカー: RED WING SHOES
- メディア: ウェア&シューズ
- この商品を含むブログを見る
シャツの裾を腰まわりでヴォリュームを出す場合はサイドと後ろに注意する必要がありますね。見ないでやりますと、こんな感じになります。
最後でリーバイス501とのコーデといういつものパターンです。このパターンにならないために、リーバイス513のエントリーを書きましたが、確実に循環していますね。
アウターにだいたいジャケットを着ることが多いんですが、オープンカラー長袖の上にジャケット着たイメージの記事です。
ジャケットのインナーにオープンシャツの長袖を着ますと、オックスフォードボタンシャツほどはカジュアルになりすぎない着方ができます。
アクセサリー要素はベルトしか使いませんでしたが、腕時計などもしますと、質感の違いからシャツの生地がひきたったりします。
腕時計の持つアクセ効果によってルメールが持つエルメスの文脈もこのシャツに浮かび上がってくるのではないかと思います。
スポンサーリンク
関連記事
スポンサーリンク