ポロシャツの着丈に頭を悩ませる人は多いのではないかと思います。ポロシャツの重要問題は、着丈につきると言っていいかもしれません。
最近話題のZOZOSUITでもポロシャツのベストの着丈を即答するのは難しいと思います。
カジュアルに着るポロシャツの着丈とクールビズに着る着丈は同じではないからです。
このエントリーでは、クールビズで着ることの多くなったポロシャツの着丈問題を現在進行形で検証してみたいと思います。
目次
ポロシャツの裾を外に出すのか入れるのか
まず、ポロシャツの裾をパンツの外に出すのか、入れるのかという問題があります。
テレビで見るゴルフの選手は、しっかりとポロシャツの裾をパンツインさせています。ポロシャツの原点はスポーツウェアなので、オリジナルの着方では、裾が邪魔にならないようにパンツインが正しいということになります。
しかし、子どもがポロシャツの裾をパンツインさせたらどこか変なように、現在のファッションではカジュアルなポロシャツな着方では、外だしが主流になっています。
結論的には、裾を外に出すのも入れるのも正しいと言えます。
それゆえ、裾を外だしする場合とパンツインする場合、両方の着丈寸法を検証する必要があるのです。(売られているポロシャツにも、ショート丈と標準の2タイプがあります。)
まずは、裾を外だしする場合のベストの長さを検証してみましょう。
裾を外に出す場合のベストの着丈
ポロシャツと言えば、ポロ・ラルフローレンのポロシャツが昔からありますので、それを例に考えてみましょう。
ラルフローレンのポロシャツの裾は長かった
これは、昔からあるタイプのラルフのポロシャツです。昔のタイプは、胸のロゴが小さいのでそれほどTPOを選びません。
しかし、裾が長いのです。正確には、着こんでくると、生地がくたっと垂れてしまうので、たるませるなどの調整がきかず長く感じるのです。
そこで、裾上げです。ポロのポロシャツを裾上げするというよく知られているかどうかわからない裏技があるのです。
まず、基本知識として、ポロシャツの着丈寸法を正確におさえる必要があります。(ユニクロは、前を身丈、後を着丈と厳密に呼んでいます。)
ポロシャツの着丈寸法の測り方
ポロシャツの着丈寸法は、襟のつけねから裾下までの寸法になります。ポロシャツの種類によっては、後ろが尻かくしのため長いのですが、前の裾下までの長さでよいのではないかと思います。
こうして測ったラルフローレンUSAのポロシャツSサイズの着丈寸法が71㎝となります。後ろはそれよりも5㎝長い76㎝となります。なぜ5㎝かというと、アメリカは1イン=2.5㎝で調整しますので、2.5ピッチになるんですね。
ちなみに、ラルフ新品の着丈寸法も確認してみましょう
新品 Sサイズの着丈は70㎝なので着ているうちに1㎝伸びた感じとなります。
ちなみに、最近のアマゾン・ファッションでは、サイジングもだんだん細かくなっていて、着丈寸法を調整したカスタムもあわせて売っています。
カスタムというのは、「CUSTOM FIT」もしくは「CUSTOM SLIM FIT」のことで、スリムにつくっていて着丈も短いです。アマゾンで売っているこのラルフポロシャツのカスタムMのサイズを見ると、着丈は67㎝と4㎝短くなっています。
では、ポロシャツの裾上げをしてみましょう。
ポロシャツの裾上げ寸法の決め方
この時に、何センチ裾あげするかが問題となります。
この何センチにするかを決めるには2つ方法があります。ひとつずつ見ていきましょう。
1.方程式によって決める
まず通常のシャツの着丈を検証する時に使う方程式です。信頼性は別にしてとりあえずの目安です。
通常シャツの着丈方程式:身長×0.42=通常シャツの着丈標準値
例えば、身長が170㎝とした場合、170×0.42=71.4㎝が通常シャツの着丈の標準値です。ポロシャツをパンツインする場合は、170㎝の人にラルフローレンのポロシャツの着丈寸法はぴったりというこことになります。
このシャツの着丈の標準値を基準として、マイナス10㎝の61.4㎝が通常シャツの着丈の最小寸法になります。
通常シャツの着丈方程式(最小):身長×0.42-10=通常シャツの着丈の最小値
身長×0.42という標準値を基準として、この寸法のマイナス7.5㎝が、Tシャツやポロシャツなどの裾を外出しするカットソー類の標準の着丈寸法となります。
カットソー類の着丈方程式:身長×0.42-7.5=カットソー類の着丈標準値
170㎝の人には、63.9㎝が、ポロシャツを外だしで着る場合の標準の着丈寸法になります。
こうした方程式の信頼性はどうなんだという意見もありますので、実測値でも検討します。
2.よいと思うポロシャツの着丈と同じにする
ポロシャツを何着か着てみて、一番よいと思いましたのは、ジャーナルスタンダードのポロシャツでした。
ジャーナルスタンダードのポロシャツ
首まわりのデザインがラルフローレンのように前立てがありませんのですっきりしています。
測ってみると着丈は61㎝でした。170cmの身長の人がパンツインで着れるぎりぎりの着丈寸法です。
外出しする場合は、カットソー類の着丈方程式で算出した寸法63.9cmよりは2.9cm短めとなっています。
持っているポロシャツで一番短い着丈は、ビームスがフレッドペリーにかけてスキッパーの別注でした。
フレッドペリー(ビームス別注)のポロシャツ
スキッパーは、ボタンのないタイプです。フレッドペリーのポロシャツは丈夫なのでアジアで着ていきますと意外とはやく色褪せしました。
フレッドペリーの通常の標準品の着丈は、S、Mサイズで、68、69㎝とラルフローレンよりはやや短めです。
ビームス別注のフレッドペリーの着丈を測ってみましょう。
着丈は59㎝でした。ノーマルのフレッドペリーより10㎝ほど短かく別注しています。かなりのショート丈です。170cmの身長の人がパンツインはできない着丈寸法となっています。
カットソー類の着丈方程式で算出した寸法63.9cmよりは4.9cm短めとなります。
検討の結果11cm裾あげすることにした
こうした検討を経まして、ビームスとジャーナルスタンダードの中間をとって、着丈を71㎝から60㎝に11㎝つめることにしました。後ろは、前よりも1インチ(2.5㎝)ほど長くすることにしました。標準よりは3.9cm短めの設定です。
ジーンズのリペアは自分でやりますが、仕上げものは、やはり器用な仕事がいいので、近所のお直し屋さんに持ち込みました。
これが出来上がりです。
一番最初の写真と比べますとだいぶ短くなりました。下は裾上げして残った生地です。
ビームスとジャーナルスタンダートと重ねてみました。
一番下がジャーナルスタンダートで、中間がラルフローレンで、一番上がフレッドペリーです。
袖のデザインもかなり違っています。
デザイン的には、着丈の他にも、首まわり、袖のチェックポイントがあることがわかります。
ポロシャツの裾上げをしての感想
立ち姿のバランスはいいのですが、物を落としてかがんだ時などに、後ろの裾があがって腰の部分が露出してしまうのです。
股上寸法の短いジーンズを履いた場合などは、かがむと尻の上まで見えてしまいます。
この着丈の長さは、リーバイスのジーンズを履いた時に、後ろのポケットについているレッドタブが見える長さにしています。
これまでは、この着丈寸法を着ていましたが、腰や尻の上を露出させるにはもう若くはなかったのです。 この着丈は短かく感じるようになってきました。すくなくともあと3~5㎝は欲しいと思いました。 方程式の標準値63.9cmでよかったのかもしれませんね。
こうしたやや恥ずかしくもある事情をふまえながら、裾をパンツインする場合のベスト寸法を検証してみたいと思います。
着丈の方程式を補足してみた
ポロシャツを外出しして着る場合、尻の上が見えても喜ばれることのない年代のベストの着丈は、170㎝の人の場合、かがむと尻の上がまる見えしてしまう60㎝に5㎝上乗せした65㎝程度となります。それでも、しゃがんだ場合などは、10㎝近く長くないと尻の上はかくせません。
あてにならないと言われる方程式を実際の検証結果で補足しますと、こんな感じになります。
最小(女子や若い男子の場合):身長×0.42-10【61.4㎝】
標準値1(尻の上がやや見えにくい):身長×0.42-7.5【63.9㎝】
標準値2(尻の上が見えにくい):身長×0.42-5【66.4㎝】
シャツ並(尻の上が見えない):身長×0.42-2.5【68.9㎝】
シャツ寸法(外だしでは長め):身長×0.42【71.4㎝】
【】書きの寸法は身長170㎝の場合になります。
結論的には、もう若くはない身長170cmの人が外だしで着る場合には、63.9㎝から68.9㎝の着丈がいい感じになります。(女子や若い男子で身長170㎝の人が外だしで着る場合には、61.4㎝から66.4㎝の着丈がスタイリッシュな感じになります。)
こうした長い検討と検証プロセスを経て、もう若くはない年齢層のポロシャツは、カジュアルでもクールビズでも同じ着丈でよいのではないかという可能性が生まれました。学校のレポートみたいになってしまいましたね。
クールビズに着る場合のベストの着丈
クールビズにポロシャツを着る場合、実際は外だしで着るケースが多いですが、基本的な考え方はパンツインとなります。かなりご年配のお客様との打合せがあるかもしれませんので、パンツインできる長さを考慮しておいた方が良いのです。
しかし、職場内や休日は同じポロシャツを外だしして着たいですよね。それが経済的です。
外だしでもパンツインでも着れるポロシャツはないのでしょうか。 ポイントはこれまで検証してきました着丈寸法のチェックになります。
外だしにもパンツインにも対応できる着丈とは
身長170㎝で考えた場合、標準値1の63.9㎝からシャツ寸法の71.4㎝が適正寸法となります。
カットソー類の標準値1の63.9㎝ではパンツに余裕をもってはおさまりにくいですし、シャツ寸法の71.4㎝では外だしした時に長めになりますが、一応、63.9㎝~71.4㎝を外だしにもパンツインにも対応できる着丈と考えましょう。
方程式でいいますと、「標準値1:身長×0.42-7.5」から「シャツ寸法:身長×0.42」の範囲です。
そしてもうひとつ、長い着丈を着るときのテクニックがあるのです。
長い着丈を着るときのテクニック
それはたるみです。長い分をしわをつくったりしてたるませるんですね。これで5㎝~10㎝は軽く調整できます。うまくたるませるとかえってエレガントに見えます。
ラルフローレンの場合は、厚手の生地で、着こんでいきますとだらっとしてしまうので、たるませることができなかったんですね。
ポロシャツのチェックポイントまとめ
- 外だしにもパンツインにも対応できる着丈
- たるませることができる生地かどうか
- 素材、デザイン、カラーの好み
こうした視点をもとに、ユニクロと無印良品のポロシャツを簡単にチェックしてみましょう。
ここでは、着なじんでいくと風合いの出る綿が入った伝統的なタイプのポロシャツを選びました。
スポーツでは、速乾性の高い素材がいいのですが、普段使うものは、なるべく自然素材が含まれている方がナチュラル感は高いと思うのです。
それでもかなり速乾性は高いと言えます。
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ユニクロのドライカノコポロシャツの着丈
ユニクロはたくさんのポロシャツを出していますが、綿が72%含まれているドライカノコを選んでみました。
ユニクロ ドライカノコポロシャツ
ユニクロのドライカノコポロシャツです。毎年アップデートを繰り返してかなり完成度を高めています。前立ても「切り前立て」にしてスッキリした印象にしています。
かたくずれしにくい素材と上にジャケットを着てもはねない襟がポイントですね。
参考:ユニクロのドライカノコポロシャツの改良点【2018最新版】 | ユニクロとGUの今週のチラシ | メンズ注目ポイント
早速、着丈をチェックしてみましょう。
ユニクロ ドライカノコポロシャツの着丈
出典:http://www.uniqlo.com/jp/store/goods/404158
170㎝の身長の人が着るサイズはSかMなので、その場合の着丈はそれぞれ、67㎝と70㎝です。ユニクロのドライカノコは、裾だしでもパンツインでも対応できる長さとなっており、どちらかと言うとパンツイン寄りの長さです。
着丈関係のアップデートポイントを見てみましょう。
今季のアップデートポイントはココ!肩まわりとアームホールをより動きやすいフィットにし、ウエストから裾にかけてはすっきりともたつきのないシルエットにアップデート。
ようするに裾の部分をひらひらっとさせずにシェイプしてるんですね。このことで身体に生地がフィットしやすくなり、たるませやすくなります。
数字上は外だしに長めでも、試着してみると、うまく調整されていることがわかるパターンだと思います。よく考えられています。
次は無印良品のポロシャツです。
無印良品のオーガニックコットン鹿の子ポロシャツ
ユニクロは「カノコ」とカタカナですが、無印良品は「鹿の子」と漢字にしています。 無印流の「和」へのこだわりです。
無印良品の鹿の子ポロシャツ
無印良品のポロシャツは、一見、ユニクロに似ていますが、実は違っていまして、どちらかというとラルフローレンタイプです。前立ても残していますし、裾の後ろも長くしています。
着丈寸法も見てみましょう。
無印良品の鹿の子ポロシャツの着丈
Sサイズの着丈が66㎝で、Mサイズの着丈が68㎝です。ユニクロよりも短めの設定です。無印良品も裾だしでもパンツインでも対応できる長さにしていますが、どちらかというと裾の外だしを志向しています。
無印良品の方が、ユニクロよりも裾を短めにしているというのは、オックスフォードボタンダウンシャツでも白Tシャツの比較でも見られた傾向です。
メーカーのこだわりの部分になっているわけですね。互いに意地でも変えていません。
無印良品の今シーズンのポロシャツのアピールポイントは襟です。
ポロシャツは、衿で決まる。
一見、普通の鹿の子のポロシャツですが、衿を立てて着ることを考えて、しっかりした衿の仕様にしました。ボタンを外しても開きすぎないバランスのよい衿元です。
このポロシャツもよく考えられた製品だと思います。
ユニクロのドライカノコも無印良品の鹿の子ポロシャツも、それぞれ着丈もデザインもよく考えられた商品ですので、クールビズにポロシャツを買う場合には、まず、この2つのポロシャツを試着してみるのがいいのではないかと思います。
(追記1)この検証の結果、ユニクロと無印良品のポロシャツを実際に買ってみたレビューです。
(追記2)ユニクロと無印良品とラルフローレンを実際に着用したレビューです。裾の着丈の感じを検証しています。
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