この記事では、ポーター(吉田カバン)のタンカーシリーズのヘルメットバッグとポーターのヘルメットバッグがデザイン参照した米軍実物の3rd・4thモデルとの違いを紹介しています。
また、記事の後半で、米軍実物ヘルメットバッグの3rd・4thについて、年代別の見分け方を紹介しています。
目次
ポーター ヘルメットバッグと米軍実物の違い
ヘルメットバッグの3rdや4thを好きな人が多い理由として、リーバイス501やリバースウィーブやビーントートのように、最初から完成した形で生まれきたことがあるのではないかと考えてきました。
個人的には、安く入手できる米軍実物を使っていましたので、ポーターのヘルメットバッグは、横目で見るような感じでしたが、実際に手に取ってみると、これが実にいいんですね。
入手してからは、M-65パーカを着る時は米軍実物のままですが、袖幅太めのコケティッシュなM-51パーカを着る時は、ポーターのヘルメットバッグにしています。
ボロいパーカが適度にソフィスティケートされるので、どうしてもっと早く入手しなかったのかと思ったほどでした。
吉田カバンからは、色々なヘルメットバックを販売していますが、この記事では、最も米軍実物に近い従来からあるタンカーのヘルメットバッグと米軍実物と比較しています。
ポーターのヘルメットバッグと米軍実物を並べた写真です。
表側
右回りで、ポーターのヘルメットバッグ、米軍実物79年度会計(3rd)、80年度会計(移行期)、88年会計(4th)の表側です。
縫製やジッパーでも分類できますが、フロントポケットのマチのあるなし、ハンドル下のスプリングフックのあるなしで、大きく区別できます。
米軍実物のスプリングフックとマチの付いたフロントポケットの仕様(80年度会計)は、個人的に3rdからの移行期と呼んでいます。
それ以降のマチが付いていない4thも、たたみやすいのでエコバッグとしても使えるユーティリティがありますので、どちらも優れているいう感じです。
ポーターの従来のヘルメットバッグは、3rdベースのデザインですが、PXタンカーはスプリングフックの位置に金物がついていますので、移行期ベースのデザインになっていると思います。
PXタンカーは持っていませんが、価格的には、タンカーシリーズの最上位モデルのような感じです。
↓PXタンカー
PORTER / PX TANKER 2WAY HELMET BAG(L)
後ろ側
同じ個体の後ろ側です。
ショルダーストラップは、米軍実物にはついていませんが、タンカーのヘルメットバッグの初期型と第2世代は、長さ調整できない補助的なストラップがついています。
ポーターの現行品やPXタンカーは、長さ調整できますが、米軍実物を使ってる人は、もしかすると、よりカバンに見えない旧タイプのストラップ方が好みかもしれません。
毎日使う場合は、長さ調整できた方が便利だと思います。
内側1
内側の表側サイドです。
ポーターのタンカーシリーズは、フライトジャケットのMA-1をイメージしたということで、内側は比較的新しい仕様のオレンジ色になっています。
米軍実物は、3rdの初期にはカモやパイルライナーもありますが、内側はポンチョライナーとなっています。
ポンチョライナーも、80年ぐらいまでは、オニオンステッチ仕様となります。
内側2
内側の後ろ側サイドです。
タンカーは、着脱式のビニールケースが付いています。米軍実物は、両面とも同じです。
ポーター タンカー ヘルメットバッグの特徴
ポーターのヘルメットバッグは、米軍実物に見ためが似ていますが、MA-1をイメージした三層構造の生地が大きな特徴です。
そのため、米軍実物よりも高密度なナイロン生地で、裏地との一体感があります。
タンカーのヘルメットバッグを買ったのは最近ですが、縫製等のつくりこみがすごいと思いました。
特に、ハンドルを持った感じがよく、大きなバッグを持っていることを感じさせないつくりとなっています。
同じ吉田カバンのラゲッジレーベルのニューライナー(青バッテン)は、1980年代後半の発売当時に購入して、リーバイスのダブルエックスにあわせていましたが、タンカーを買うまでの資金的余裕はありませんでした。
ヘルメットバッグ自体が、表と裏を合体させる難しいつくりなので、実際に買ってみて、それなりの価格がすることを理解しました。
ポーターの従来型のヘルメットバッグの仕様を年代別に整理した表です。(ポーターはそれほど詳しくないため、推測レベルの表です。)
(推測) | 年代 | セージグリーンの色目 | ジッパー引手 | 引手刻印 | ストラップ調整 |
---|---|---|---|---|---|
初代 | 1983~ | 青より | プレス | (表)YKK(裏)YKK | 不可 |
第2世代 | (2000年代) | 黄より | キャスト | (表)YKK(裏)YKK / (表)PORTER(裏)YKK | 不可 |
現行品 |
2019年~ |
青より | プレス | (表)PORTER(裏)YKK | 可能 |
カラーとしては、ブラック、セージグリーン、シルバーがありますが、米軍実物は、ほとんどがグリーンです。(初期物に一部ネイビーがあります。)
ブラックは過去に流行しましたが、シルバーもカッコいいと思います。
https://jp.mercari.com/item/m99063620990?afid=4798773318
初代は、青みがかったセージグリーンで、現行品も、元のカラーに戻っています。
第2世代は、やや黄色みがかったセージグリーンで、実際のミリタリー色に近いです。
個人的には、ミリタリーの衣料もある程度持っているため、あわせやすい黄色みがかった方を持っていますが、青みがかったオリジナルカラーもカッコいいのではないかと思います。
ジッパーの引手は、初代と現行品はプレスですが、これはプレスの方がカッコいいと思います。
これは、キャストの引手です。
引手の刻印は、年代によって、YKKやPORTERが入りますが、1990年~2000年代の米軍実物にもYKKは登場しますので、YKK刻印にもリアルさはあります。
初代と第2世代のショルダーストラップのディテールです。
元々の米軍実物のディテールに、ストラップを縫い付けただけのシンプルなデザインとなっています。
2024年時点で、タンカーのヘルメットバッグは完売となっており、米軍実物に近い仕様では、PXシリーズが販売されています。
完売となったタンカーのヘルメットバッグも、一部ネットに残っている場合がありますが、主には、旧タイプの中古になります。(グリーンは、早く売れてしまう傾向があります。)
↓ユーズド(カラー:黒)
↓ユーズド(カラー:黒)
↓ユーズド(カラー:シルバーグレー)
グリーンであれば、アナトミカ別注のポーターヘルメットバッグも人気です。(それなりの価格はしますが)
↓アナトミカ別注 ユーズド(カラー:グリーン)
【メルカリ】アナトミカ別注ポーター タンカー ヘルメット バッグ
ポーターの従来品より、米軍実物に近づけている感じがします。
ヘルメットバッグ 3rd・4thの年代別見分け方
米軍実物の3rd・4thの製造年代は、内側のタグを見れば、会計年度が分かるため、それで判別します。
これは、DLAと書かれた行の88という数字が、会計年度(1988年度)で、これに近い時期に製造された個体です。
2000年代以降は、SPM1C1-〇〇という表記となり、〇〇が製造年を意味しています。
それ以外にも、外観でも判別できます。
3rdモデル(1969年度会計)
3rdモデルは、1960年代後半から1979年までつくられましたが、初期の個体は、アルミジッパーで、ライニングもカモやパイルライナーだったりします。
センターのステッチがダブルになっていたりします。
ジッパー―です。
ジッパーが面落ちした納まりで縫製されています。
ライニングです。
この個体はカモ柄です。1970年代の個体も見たことがあります。
最近は、古着屋さん等でも見ることが少なくなりましたので、ミリタリーショップのマッシュで、当時のストック生地で、復刻品をつくっています。(限定数100)
USAF M69 Helmet Bag NAM戦 1969 /M.O.C.復刻・新品
個人的にも、資金に余裕があれば入手しておきたいところです。
中期以降は、オニオンステッチのポンチョライナーとなります。
3rdモデル(1979年度会計)
79年度会計の3rdモデルのフロント部です。
中期モデルは、初期モデルに比べステッチが簡略化されます。生地もテロっとした感じが出てきます。
スプリングフックはなく、フロントポケットにマチが付いています。
中期以降は、ジッパーがブラス(真鍮)になります。
3rdモデルで、ジッパーがブラスの個体が、一般に人気のあるモデルではないかと思います。
移行期モデル(1980年度会計)
80年度会計の3rdから4thに変わる移行期のモデルのフロント部です。
スプリングフックがついて、フロントポケットにマチが付いています。1980年度~1981年度会計に特徴的な仕様ではないかと思います。
ジッパーはブラスです。
ジッパーの引手にスコービルの刻印が入っています。ミリタリー物では、おなじみのメーカーです。
前の事例との比較です。
前の事例の引手は無刻印です。メーカーもかなりの数がありますので、個人的には、特にこだわっていません。
開け閉めの感覚がメーカーごとに違うので、中には、こだわる方もおられるかもしれません。
4thモデル(1988年度会計)
88年度会計の4thモデルのフロント部です。
スプリングフックがついて、フロントポケットのマチがなくなります。
本体がマチがないということがありますが、フロントもマチがなくなったことで、デザイン的には、シンプルです。
4thモデルは、1980年から現在までつくられます。
ジッパーです。
4thモデルでも、1985年頃まではブラスのジッパーですが、1985年頃以降は、プラスチック製になります。
ネットで買えるブラスジッパーのフォースです。
4thモデル(2012年製)
2012年製の4thモデルのフロント部です。
スプリングフックがついて、フロントポケットのマチがない4thの仕様を踏襲しています。
2016年製ぐらいまで見たことがありますが、1969年から大きなモデルチェンジがないため、3rd・4thは最初から完成された仕様であったことが分かります。
ジッパーはプラスチック製です。
この個体には、YKKの刻印があります。
最近のモデルは、色目が過去モデルとは変わります。
左は88年製の3rdですが、2012年製に比べると、黄色みが強いです。
ポーターのヘルメットバッグとの比較です。
ポーターのヘルメットバッグより、青みが強い感じです。
関連記事
スポンサーリンク