ユニクロの店頭で、デニムジャケットに目が止まった。昨年とは、生地の風合いが違うからだ。調べてみると、リーバイスのヴィンテージに使っていたコーンミルズ社製の生地だった。
試着してみると、スタイルも申し分なく、買うことにした。何故そう思ったのかを感想、着こなしポイントとともにレビューしてみたい。
目次
- ユニクロ デニムジャケット(薄紺ライトインディゴ・ハードウォッシュ)
- ユニクロ デニムジャケット(濃紺ダークインディゴ・ワンウォッシュ)
- ユニクロ デニムジャケット(紺インディゴ・ヴィンテージ仕上げ)
- サードのモデルとなったLeeのGジャン
- ユニクロ デニムジャットのコーデ・着こなしポイント
ユニクロ デニムジャケット(薄紺ライトインディゴ・ハードウォッシュ)
ユニクロのデニムジャケットには、ハードウォッシュのライトインディゴとワンウォッシュのダークインディゴの2種類がある。ボトムはダメージジーンズを履くことが多いので、迷わず薄紺のライトインディゴを選んだ。
(2018年現在は、ダークインディゴとインディゴとライトインディゴの3色展開となっています。)
シルエットは、タイトで着丈は丁度いい長さ。一見して、リーバイスのサードをモデルにしていることが分かる。
見た目で明らかに違うのは、サードが銅褐色ボタンなのに対して、ユニクロはシルバー無地のドーナツボタンとなっている。シルバー無地のドーナツボタンは、リーバイスのヴィンテージ(大戦モデル)に採用されたボタンであり、このデニムジャケットへのこだわりが伝わってくる。
モデルとなったリーバイスのサードを少し見てみよう。
モデルとなったLEVI'Sのサード
出典:70505-0104 | paulandwilliams | Flickr
1962年に誕生したリーバイスのサード(557)。ユニクロのデニムジャケットと見た目はほぼ一緒である。サードはGジャンの代名詞のようなモデルなので、サードがモデルにされるの普通のことなのである。
なぜサードなのかと言うと、リーバイスのデニムジャケットの3番目のモデルだからサードなのである。ファーストやセカンドもある。
出典:https://flic.kr/p/7rEjLG1 https://flic.kr/p/dZbETi
左がリーバイスのファースト、右がセカンド。ワークウェアとして生まれ、古着は現在は高価なヴィンテージとなっている。無骨なデザインがいい。
日本リーバイスがUSリーバイスに別注して、ファーストもセカンドもセカンドもレプリカを出している。レプリカと言えども一生もののような感じだ。
LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING 1936モデル/TYPE Iトラッカージャケット/リジッド/CONE DENIM/MADE IN USA/12oz
セカンドも渋く仕上がっている。
LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING 1953モデル/TYPE II トラッカージャケット/リジッド/CONE DENIM/WHITE OAK/MADE IN USA/13.7oz
このファーストやセカンドと比べると、サードにスタイリッシュな要素が取り入れられたことが理解されるだろう。
後ろの感じもサード。ウエスト調整ボタンもドーナツボタン仕様でしっかり付けている。
サイズ選びについては、ジャストサイズが基本だが、ストレッチ素材なので気持ち小さめを選んでもいいと思う。旅行など遠出をする場合には、ジャストサイズの方がリラックスできるだろう。
ユニクロ|デニムジャケット|MEN(メンズ)|公式オンラインストア
薄紺を買って、しばらくすると、濃紺のタイプも欲しくなったので購入した。
ユニクロ デニムジャケット(濃紺ダークインディゴ・ワンウォッシュ)
スタイル、形は薄紺タイプと一緒なのだが、濃紺になるだけでガラッと印象が変わる。これがデニム素材の不思議なところでもある。
ユニクロのデニムジャケットの着こなしでの一番のメリットは、アームホールが細いことだ。このアームホールの細さにより、誰でもスタイリッシュにデニムジャケットを着こなすことができる。
ダークインディゴのサードも見てみよう。サードは意外とアームホールがあるのだが、最近は、うまく着こなしている人がすごく多い。オーバーサイズや背抜きで着たりと各自のセンスでうまく着こなしていている。
出典:70505-0217 | paulandwilliams | Flickr
これは濃紺のリーバイス・サード。本家リーバイスでは、サードをトラッカージャケットと呼び、現在でもサード(フォース)モデルを販売している。
(リーバイス)Levi's トラッカー ジャケット RINSE トラッカー 72334-0134 Dark Indigo - Flat Finish M
- メーカー: Levi's
- 発売日: 2017/03/07
アマゾンには復刻版のUSAサードモデルもあった。
Levi's 72334-0023 3rd Denim Jacket リーバイス サードモデル デニムジャケット トラッカージャケット Gジャン RIGID リジッド
日本リーバイスがアメリカに別注した本気のビンテージレプリカもある。
この1967年モデルのTYPE Ⅲ/トラッカージャケットは、生地の重さが15オンスもある。本物のリジッド(未洗い生デニム)なので5%は縮むだろう。縮みを計算したサイズ選びをすることがポイントである。
LEVI'S(R) VINTAGE CLOTHING 1967モデル/TYPE Ⅲ/トラッカージャケット/リジッド/MADE IN USA/15oz
このサードは現行のサードに比べると、襟のデザインが、ファーストやセカンドと違ってかなりウエスタンである。
ユニクロのデニムジャケットの襟はファーストやセカンドに近い。サードをベースにしながらも、細かいディテールで着やすくソフィスティケーティドされていることがわかると思う。
ユニクロのデニムジャケットのバックも見てみよう。
バックも濃紺なので身が引き締まった感じがする。
ユニクロ|デニムジャケット|MEN(メンズ)|公式オンラインストア
2018年現在は、ダークインディゴとライトインディゴの中間のインディゴ色が発売されている。このインディゴ色はヴィンテージ仕上げとなっている。
ユニクロ デニムジャケット(紺インディゴ・ヴィンテージ仕上げ)
このインディゴ色は絶妙な色とヴィンテージ加工がされているので、店舗で確認して欲しい。
ユニクロのデニムジャケットの着こなしを考える上で、おさえておいた方がいいポイントがある。
ユニクロのデニムジャケットがモデルとしたリーバイスのサードモデルが、影響を受けたモデルがあるのだ。それは、Leeの101-Jというモデルである。
サードのモデルとなったLeeのGジャン
出典:Vintage 1960s Lee Riders Denim Jean Jacket 101-J Union | Flickr
サードが生まれたのは1962年。Lee101Jライダースジャケットが生まれたのは1931年であり、リーバイスのファースト、セカンドがワークウェアとして出発したことを考えると、サードは明らかに101-Jの影響を受けている。
カウボーイジャケットとして誕生した101Jは、基本デザインは現在もほぼ変わっていない。ワークウエアというよりカウボーイ仕様であり、そのカウボーイテイストがリーバイスのサードにも微妙に流れこんでいる。
101JのUSED加工したタイプもある。
Lee リー RIDERS 101J ライダースジャケット LT0521 USED加工(M 126 DARK BLUE)
101Jをホワイトサテン生地にしたウエスターナという仕様がある。
アジアを旅行した時はウエスターナを着て行った。ウエスターナになると逆にワークウエアっぽくなる感じがする。丈夫な服である。現行品は今はないみたいだが古着では良く見かける。
ユニクロ デニムジャットのコーデ・着こなしポイント
ユニクロのデニムジャケットの着こなしのポイントは、デニムウェアはワークウェアを起源に持ちつつも、デニムがカウボーイの正装として認められていることを理解することである。
ユニクロのデニムジャケットはリーバイスのサードをモデルとしたものであり、そのサードはカウボーイスタイルを意識したLee101-Jの影響を受けているので、ワークウェア寄りのコーデよりも、カウボーイの正装寄りのコーデをした方がしっくりすると思う。
デニムジャケット(薄紺)のコーデ
薄紺のハードウォッシュは、上下ともデニムにしてみた。
シャツはカジュアルなタイプではなく、ドレス系統のブロードの白シャツ(ユニクロ ルメール)を合わせた。ベルトも欲しいところ。
写真のボトムは、ユニクロのダメージジーンズを合わせているが、同じぐらいの色目を合わせるのが、正統な着こなしだろう。
インナーをTシャツにした場合。いわゆるアメカジ。きれいめのノームコアでもアメカジでも着れるのが、リーバイス・サードモデルが永遠の定番である理由でもありますね。
デニムジャケット(濃紺)のコーデ
濃紺のワンウォッシュは、ボトムをチノパンにしてみた。
シャツは、ブロードだと上品になりすぎるので、薄いブルーのオックスフォードのボタンダウンにしてみた。都市部で働かざるを得なくなったカウボーイがどうしてもデニムが手離せなかったイメージですね。
インナーをTシャツにすると、万人に好感度の高いファッションに早変わり。さらっとした感じがします。
ユニクロのデニムジャケットは、リーバイスやリーのデニムジャケットそのものではないけれど、エッセンスを取り入れ、最新のストレッチ素材によってアレンジされたオールドニューなGジャンだと思う。
デニムジャケットの世界は、ヴィンテージ市場も含めて奥行きは深く、価格設定にしても、着こなしやすさにしても、ユニクロのデニムジャケットは入門用にもぴったりなんだろう。
追記:このエントリーで紹介しているデニムジャケットの型番は182575になります
が、最新の型番は405198で、ウエスト部分に腰ポケットが追加されています。
参考:ユニクロのデニムジャケット最新版はジーンズイノベーションセンターで研究開発・腰ポケットを新たに追加 | ユニクロとGUの今週のチラシ
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