9月18日に新国立競技場の公募は閉め切られました。ザハ・ハディド氏は組むゼネコンが見つからず参加を断念。隈研吾氏のチームと伊東豊雄氏のチームの一騎打ちとなりました。頂上対決です。(審査結果についてのレビューはこちら)
新国立に登場した5人の建築家たち
このサイトでは新国立競技場に登場する建築家たちをこれまでに紹介してきました。そんな偉大な建築家5人のまとめと振り返りです。(公開された2つのデザイン案についてはこちら)
まずは今回、初参加の建築家から。
和の大家 隈研吾氏
隈氏のつくる現代建築は「日本らしさ」を感じさせる建築で「和の大家」と呼ばれています。
プロフィールと作品紹介の記事です。
新国立競技場も現代日本らしくまとめた作品が期待されます。 参加後のコメントは出ていません。
隈氏がタッグを組むのは旧国立競技場を手掛けた大成建設。すこし昔までは建替え前の建物を手掛けた元請が新しい建物も受注するというのが日本の古き良き伝統でした。官公庁の建物ではそうした慣習も消えつつあります。
そんな無敵艦隊のような隈・大成チームに、竹中・清水・大林との連合艦隊で立ち向かうのは伊東豊雄氏。三国志の天才軍師・諸葛孔明のような感じでしょうか。
世界的建築家 伊東豊雄氏
前回に続いて二回目の参加です。 日本のデザイナーで天才と言えば、倉俣史朗氏ですが、建築家で天才に該当するとすれば伊東豊雄氏です。現代日本のトップ建築家です。
プロフィールと作品紹介記事です。
公募の課題のひとつに木材を使った「日本らしさ」があり、隈氏圧倒的有利と思われましたが、伊藤氏は最新作で木材を使った新しい表現を実現しています。構造レベルからの革命的作品づくりが「日本らしさ」としてどう表現されるのかが見所です。
建築とは時代精神を反映する。巨大なスタジアム案のままだとしたら、東日本大震災からも何も学ばなかったこの国の姿を象徴すると思われたかもしれない。仕切り直しの今こそ、エネルギー、環境の問題も含めて21世紀の建築とは何かを考える時だ。
出典:http://mainichi.jp/shimen/news/20150722ddm004070007000c.html
木を使い環境に配慮した最新作についの記事です。
ネットユーザーに人気があるのは?
鋭い方は気づかれたと思いますが、PC表示のサイドバーには、このサイトの人気記事がリアルタイムでアクセスの多いページから順に並んでいます。隈氏のまとめと伊東氏のまとめはほぼ同じ条件でつくりましたので、この人気記事ランキングを見ると、その時点でネットユーザーに人気があるのはどちらかだいたい分かります。
スマホ表示の場合はスクロールした一番下にその時点でアクセスの多い記事が上から五つ並んでいます。はっきりと傾向が出てしまっていますが、まだ始まったばかりですので、今後注視してみたいと思います。
以上が、これから登場する建築家たちです。 以下は、これまでに登場した建築家たちです。まずはザハさんです。
アンビルドの女王 ザハ・ハディドさん
今回の公募には組むゼネコンが見つからず参加を断念しました。まさにアンビルドの女王です。
プロフィールと作品紹介の記事です。
ネット的には人気があるようで現在も読まれています。
ザハ氏が不参加を決めた時の発言です。
2年間の取り組みと投資によって積み重ねた、私たちの新国立競技場のデザインを、これ以上発展させることができず、失望しています
残念ですね。ガラパゴスの国ではなく、グローバルな舞台で活躍して頂きたいものです。ザハさんと日建設計の方々は二年間たいへんお疲れ様でした。
次は最初の審査委員長をつとめた安藤氏です。
世界のANDO 安藤忠雄氏
世間から審査委員長に期待される役割を差し引いても、個人的には安藤氏は犠牲者だったと思います。
プロフィールと作品紹介の記事です。
あらためて振り返ってみると素晴らしい作品ばかりです。世界でも突出した才能であることが分かります。
何でこんなに増えてるのか、分からへんねん
出典(元記事削除):はてなブックマーク - 安藤忠雄氏「何でこんなに増えてるのか、分からへんねん」…新国立問題で初コメント (スポーツ報知) - Yahoo!ニュース
本心だと思います。狐につままれるような思いだったのではないでしょうか。
現在コンビニには安藤忠雄ベストが並んでいます。 安藤人気を裏付けるものです。
Casa BRUTUS特別編集 安藤忠雄 ザ・ベスト (マガジンハウスムック)
- 作者: マガジンハウス
- 出版社/メーカー: マガジンハウス
- 発売日: 2014/11/10
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (1件) を見る
最後は、建築家の重鎮である槇文彦氏です。
日本建築界の良心 槇文彦氏
ザハ案の巨大スケールが神宮外苑の景観にスケールアウトしていると当初から反対を表明していました。新しい要綱でも70mの高さ制限は変らないままですが、これより低い案の提出が隈氏と伊東氏には期待されます。
プロフィールと作品紹介の記事です。
槇作品を振り返りますとまさに「東京の建築家」という感じがしますので、個人的には、槇氏に新国立競技場をデザインしてもらいたかったなあというのが素直な感想です。
槇氏の建築で東京の街としての品格が保たれているのではないかと個人的には考えています。
最近でも日本の建築家や設計者に対して厳しいコメントがありました。
しかし、日本側の設計者は悲しんでいるのか、喜んでいるのかまったく分らないまま、現状に対して沈黙を保っている。こんなことでよいのだろうか。社会に対して彼らは説明責任があるはずである。
今度の公募ではアイデアと技術を尽くした白熱した戦いを通して、槇氏からお褒めの言葉が頂けるような新国立競技場のデザインが期待されます。
スポンサーリンク
新国立関連記事
審査結果のレビューです。