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【新国立】なぜJSCはザハ案の著作権が欲しいのだろう? / 1月15日隈研吾氏記者会見に注目

ザハ・ハディド氏が、JSCから著作権を譲るよう要請され拒否したというニュースがありました。

【新国立競技場】ザハ・ハディド氏が法的措置の方針 著作権の譲渡を拒否 - 産経ニュース

ザハ氏はJSCの要請を拒否し、今後の新国立へのコメントもしないという追加の契約条項も拒否しました。

ザハ・ハディド

Photo: Christopher Pledger/The Telegraph

元ネタのニュース(英語)

Japan Sports Council 'refusing to pay' British architect for 2020 Tokyo Olympics stadium designs - Telegraph

 

なぜJSCはザハ案の著作権が欲しいのだろう?

隈研吾氏は、A案選定後の昨年12月22日に、ザハ氏の案が酷似しているという指摘に対して、以下のように発言しています。

隈氏は「8万人規模のキャパシティを収めるためにはスタンドを3段にするのが1番合理的。それはザハさんも一緒」とした上で「スタンドの形状は全く違う。ザハさんはサドル式。我々はフラット。プランを見れば、差ははっきりしている」と、反論した。

出典:新国立競技場A案、ザハ氏の酷似指摘に反論「差ははっきり」 (デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース

 

ザハ案とA案は外観は明らかに違いますが、スタンドの形状は全く違うと断言しています。隅氏の発言通りであれば、JSCは著作権譲渡をザハ氏に要求する必要はありません。

現在の時点では憶測の域をでませんが、著作権を譲り受けないと知的財産権に抵触する可能性があるのだと推測されます。それで著作権が欲しかったのではないでしょうか。

 

 隈氏が言うようにスタンドの形状は全く違うのか?

このブログでも、ザハ案とA案が似ているのかという検証を行いましたが、2つの案を並べただけではもうひとつ分りにくいものがありました。 (FBシェア数202)

archipelago.mayuhama.com

 

 この2つの案を実際に重ね合わせ、詳細に検証しているブログがあります。複数のエントリーがありますが、ひと目でわかるものを3記事ピックアップします。 

どの記事を読んでも一目瞭然の内容となっています。

blogs.yahoo.co.jp

 

blogs.yahoo.co.jp

 

blogs.yahoo.co.jp

 こうした記事から判断する限り、グレー度はますます増しています。

流用したかどうかの最終的な判定はザハ氏が想定しているように法的措置になるでしょう。

 

明日の隅氏記者会見に注目

明日1月15日13時から外国人記者クラブで隈氏の記者会見があります。おそらくザハ氏の動きに対しての質問があります。

12月22日の発言を踏襲するのでしょうか?

それとも一部流用を認めるのでしょうか?

後追い記事で、JSCは対応協議中ということですので、会見までにザハ氏と合意できるとこの「似ている」の法的問題は解決します。

ザハ氏、新国立計画で著作権譲渡を拒否…JSC関係者「話し合いをしていることは事実」 - スポーツ - SANSPO.COM(サンスポ)


しかし、政府として白紙ベースの案を求めたことやコピペした職能の問題は残ります。

一方、こうした事態においても建築家団体から何らコメントが出ないのは不思議な感じもします。こうした事態を打開できるのは、ひとつには専門家集団である職能団体があるのではないでしょうか。

 

どちらにしても隅氏の発言を良く聞いてみる必要があります。

ただ、建築家というのは常に厳しい立場に立たされていますので、そうした状況を切り抜ける発言のプロでもあるんですね。

 

新国立、解決されるべき課題

それよりも、個人的に問題だと思うのは、審査過程なんですよね。最後に、新国立で今後問題になるのは次の2点と考えています。

①引用部分の明確化

法治国家として、知的財産権の問題になります。

②審査過程の透明化

公正な裁判同様、民主主義の根幹に関わる問題と考えています。

 

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