今月末から解体される那覇バスターミナル。もうバスはいません。
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さようなら那覇バスターミナル - 沖縄B級ポータル - DEEokinawa
何をして那覇バスターミナルだったか。それは哲学的な問いだ。人によっては記憶かもしれない。日常での移動の風景。旅行者ならば南部に行くときや路線バスの起点。それぞれの記憶に特別の領域をつくっているだろう。
個人的な記憶では、モノレールも新しい空港もできる以前、路線バスで那覇バスターミナルに着いた。そのバスターミナルは、夏の日にぽっかりと空いた広い空間だった。空間を取り囲む造形物は強い日射しにホワイトアウトしていた。
生きることは、場所的にも、時間的にも、可能性的にも、いろいろなものに開かれているように思えた。
たぶん、こんなことを思ったと記憶しています。(若かったんですね)
いまは、こうした抽象的な記憶よりも、もっと具体的に、形態的な特徴が、那覇バスターミナルの良かったところだと考えています。良かったところは人それぞれでしょうから、個人的なふりかえりです。
那覇バスターミナルの良かったところ
1.庇のラウンド形状
乗り場の庇が円弧状にラウンドしています。敷地の形にあわせたと思われます。それだけ特徴的な場所だということです。
正面のラウンドです。美しいデザインです。中央に梁を通してキャンチレバーで屋根スラブを持ち出しているんですね。だからすっきりしてます。
ストレート部分です。この辺りは工事中もバス停として使用されるようですので、庇部分はしばらくは残るのではないでしょうか。
2. 仲島の大石(なかしまのうふいし)
最初に来た時、この大石に衝撃を受けました。なんで唐突にあるんだろうと。
当たらないように庇の軌跡を変えているんですね。拝所もあります。人に聞いた話では残るそうです。県の天然記念物ですので。
石板の説明です。この辺りは海だったんですね。(クリックすると拡大します。少し読みにくいです。)
3.長いターミナルビル
このビルが長いんです。もう中央部にバスは入ってきていませんので、建物全景が撮れます。やはり長いです。ビルには入れませんし、みつ食堂でも食べれません。
ビルの側面です。迫力あるアングルです。
裏から見たターミナルビルです。こちら側を利用していた方はこちらが表になりますね。沖縄のモダニズム建築もだんだん少なくなります。
バス的にはこちらが正面になるのかもしれません。
上から見た写真です。那覇バスターミナルを上から見ると、三角形なんですね。
その構成にもとからあった仲島の大石という特異点が組み込まれています。
那覇バスターミナルという、場所と造形が一体化した特異性(singularity)に魅力を感じていました。それが長い時間の上で、いろいろなものに開けた場所として存在していたと思うんです。
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