京都で坐禅体験のできるお寺を12箇所選んでみました。
1~2時間で終わるプログラムもありますので、京都へ一泊二日の小旅行に組み入れることもできます。欧米系トラベラーも京都への旅に坐禅体験を取り入れることが増えてきました。
うまくプランニングして、京都への小旅行に組み入れますと、マインドフルネス実践へのきっかけにもなるのではないかと思います。
坐禅ができる全国のお寺もあわせて紹介しています。
目次
A.京都で坐禅体験ができるお寺
天龍寺 tenryuji
【 天龍寺坐禅会】
日時:毎月第二日曜午前9時~10時
メモ
・2、7、8月は休み
・月最終の土日に暁天講座
・一般参加者は無料
・予約不要
・初心者可
禅庭と雲龍図で有名な天龍寺です。開山したのが夢窓疎石ですので、庭の作者も同じです。夢窓国師は、苔寺の作者としても有名ですね。雲竜図はどこから見ても龍から睨まれているように見える「八方睨み」が有名で加山又造画伯によるものです。*1
庭を前にした禅
坐禅は大きく分けて、臨済宗系の禅と曹洞宗系の禅がありますが、天龍寺は臨済宗ですので、臨済宗系の禅になります。
曹洞宗系ですと、「面壁(めんぺき)」という壁を前にする禅になりますので、このように庭を見ながらの禅というのは原則ありませんが、臨済宗は面壁ではありませんので、季節によってはこのように庭を前にする禅になります。
京都の坐禅体験は、季節と参加人数によっては、禅庭に面しての坐禅があるということに特徴があります。
坐禅中は、「半眼(はんがん)」で前方下の近いところに視線を落としますので、庭は目に入りますが、凝視はしない方がいいですね。ただ、庭を前にしていますので庭に溶け込むような禅にはなるのではないかと思います。
服装と坐禅の仕方
服装はくつ下は脱ぎます。下は坐禅が組めるぐらいのゆったりしたズボンやジャージになります。フィットしたジーンズですと、足が組めませんので控えた方が無難です。寺によっては女性用に着替え場所や着替えを用意しているところもあります。
足の組み方としては、体験坐禅では、結跏趺坐ができたらそれにこしたことはありませんが、望ましくは半跏趺坐、それも無理ならばあぐらということになります。あぐらも難しい場合は、椅子を用意してくれます。
体験坐禅なんでこうした部分は厳密ではありませんが、坐禅中、坐禅することは厳密に求められます。動いても、姿勢を崩しても、気を散らしてもダメということです。
手で印(法界定印)を結んで坐禅は完成ですが、法界定印は結ぶ必要があります。
臨済禅の仕方
曹洞禅の仕方
坐禅の作法 | 曹洞宗 曹洞禅ネット SOTOZEN-NET
建仁寺 kenninji
【千光会(坐禅会)のご案内】
日時:毎月第二日曜午前8時~10時前後
メモ
・一般参加者は無料
・予約不要
・初心者可
・20分×2回(途中休憩)
・坐禅後、お経唱和、茶礼、御法話
HP:禅寺体験 | 建仁寺
建仁寺は、祇園や清水神社にも近いから馴染みがある人も多いですよね。
有名な龍の襖絵に睨まれての座禅になります。坐蒲は2枚置かれていて、1枚を半分に折って載せるパターンと、建仁寺のように1枚がクッションタイプのパターンがあります。重ねた座布にお尻をのせて足を組みます。この重ねた部分が高ければ高いほど足は組やすくなるようです。曹洞宗の場合は、球状の坐蒲がひとつになります。
建仁寺も季節と人数によっては、枯山水を見ながらの坐禅をする時があるようです。
手前の坐蒲に警策が置いてありますが、直日(坐禅を点検する僧)が座られる場所ですね。最初と最後に座って参加者の姿勢をチェックしたり警策を与えたりします。
警策
曹洞宗では「きょうさく」と読み、臨済宗では「けいさく」と読みます。曹洞宗と臨済宗でも警策の所作は違い、曹洞は背中から、臨済は正面から身をかがめて警策を頂きます。
体験坐禅では、希望者のみがいただく希望策がほとんどになっています。といっても、練習で一回いただくなど寺によってまちまちです。夏季など薄手の服を着ている場合は、それなりに痛さを感じる時はありますが、体験なので手加減されています。
希望策は合掌していただき合掌してふたたび坐禅に集中します。
南禅寺 nanzenji
【暁天坐禅】
日時:毎月第二・四日曜午前6時~7時
メモ
・8月は休み
・11月~3月(午前6時30分開始)
・12月第四日曜・1月第二日曜は休み
・無料
・坐禅後10分間法話
通常は、龍淵閣という大広間での坐禅と写経になりますが、年に数度、庭園がある南禅院での坐禅になります。行った時が、南禅院だとラッキーな感じがしますね。
大徳寺 大仙院 daisenin
【週末座禅会】
日時:毎週土曜・日曜
3月~11月:17時~18時
12月~2月:16時30分~17時30分
・要電話予約
・一人1000円(抹茶、お菓子付き)
【定例報恩座禅会】
日時:毎月24日開催
3月~11月:17時~18時
12月~2月:16時30分~17時30分
・要電話予約
・一人1000円(抹茶、お菓子付き)
TEL:075-491-8346
大仙院は、利休が秀吉に禅庭の石に花を活けた茶室(国宝)や、宮本武蔵が沢庵和尚から剣の極意を授かった禅寺として有名ですね。隣には、一休さんのいた塔頭や小路を挟んで表千家、裏千家、武者小路家の菩提寺があったりと、歴史の教科書のようなスポットです。
大徳寺 芳春院 houshunin
日時:毎月第二日曜午前7時~
大仙院の北隣の芳春院(お松の方が隠居)でも、門の所に坐禅の案内が書いてあります。(書き方として、坐禅と座禅がありますが、坐禅が正式の書き方になります。)
案内はこれだけですので、30分前に行ってみる感じなんでしょうね。芳春院は、普段は拝観はしてませんが、季節的に特別拝観で見ることができます。
庭園に昭堂(呑湖閣)という2層の楼閣建築があり、金閣・銀閣・飛雲閣と並び京の四閣と称されています。
大仙院と芳春院の近くにある龍泉庵でも週五日、坐禅をやっています。
大徳寺 龍泉庵 ryousenan
日時:毎週水~日曜日の午前7~8時
メモ
・毎月1、15、22日と8月休み
・初回予約(開始20分前から指導あり )
・英語説明あり
・志納(こころざし)
TEL:075-491-0543
佐々木ルース夫人という米国人の方により再建され、境内に禅書籍の英訳などを行う禅協会があった関係で外国人の参加者も多いです。最後に般若心経を唱和して終了になります。(妙心寺にも同じ名前の寺があります。)
平日もやっているので参加しやすいですね。大仙院から芳春院への小路の途中のさらに小路から入ると龍泉庵はあります。
龍泉庵の老師が裏千家のセミナーで坐禅指導をされているという記事がありました。
坐禅の時間
お線香一本が燃えつきる20~30分程度が一回の時間になります。ここで終わりの場合と、ここで少し足を伸ばしたり休憩して、もう一回坐禅をする場合があります。2回ある方が集中できやすい傾向はあります。最初と最後に鐘が鳴りますので、その音に合わせて合掌で始まり合掌で終わります。
数息観
坐禅の時は何も考えてはいけません。普段は放っておいてもいろいろと考えてしまいますので逆のことをすることで脳をコントロールするわけです。といっても、何も考えないのは難しいので、息を数えるようにと指導されます。
圓光寺 enkouji
出典:http://www.enkouji.jp/zazen.html
【日曜早朝坐禅会】
日時:毎週日曜日午前6時~午前8時
メモ
・初心者は15分前に集合(坐り方や呼吸法を指導)
・暁天坐禅、作務、法話、粥座
・一名1000円(初回)
・予約(電話のみ、前日5時まで)
TEL:075-781-8025
HP:http://www.enkouji.jp/zazen.html
一乗寺にある圓光寺です。圓光寺の始まりは徳川家康が開いた洛陽学校であり、尼寺の修行道場となり今に至ります。紅葉が有名なお寺でもあります。坐禅の他に、庭を掃いたりする作務や法話、朝粥があります。ホームページには紹介動画もあります。
※2017年11月12日、19日、26日、12月3日は、紅葉早朝特別拝観の期間中のため中止
妙心寺 myousinji
【大衆禅堂】
日時:毎週土曜日 午後6:00〜 日曜日午前9:00迄
・8月は休会 12月・1月は休会有 )
・対象:在家、一般
・初回2,000円(2回目より1,000円)
・予約不要
・平日の9:00~17:00に宗務本所まで開催有無を確認
TEL:075-463-3121
HP:坐禅会|行事案内|京都花園 臨済宗大本山 妙心寺 公式サイト
【妙心寺禅道会】
・ 毎月7・8日の二日間 朝6時から7時半の90分間
・申し込み不要。
・500円(二日間)
・朝6時から6時半 坐禅(正座・あぐら可)
・6時半から7時半 提唱(講座)
・毎月最終日(8日)には茶話会(菓子付き)
HP:坐禅会|行事案内|京都花園 臨済宗大本山 妙心寺 公式サイト
妙心寺の坐禅会は、予約不要ですが、泊りと二日間参加する特徴のある坐禅会になっています。
東福寺 勝林寺 syourinji
日時:(ホームページで確認 日程表)
メモ
・15分の2回の坐禅(休憩あり)
・坐禅、茶礼、法話(約60分)
・一名:大人1000円/高校生800円/中学生700円/小学生600円
・要予約(電話かインターネットこちら)
TEL:075-561-4311
座禅体験の他にも坐禅と朝粥体験など季節にあわせた様々なプログラムもあります。メディアでもよく取り上げられています。
また、東福寺の紅葉が、京都の紅葉では個人的には一番きれいだと思いますので一度見ておく価値はあるかと思います。
建仁寺 両足院
日時:(ホームページで確認 開催日)
メモ
・坐禅の説明、坐禅、法話(約60分)
・一名1000円
・要予約(前日16時まで)
TEL:075-561-3216
建仁寺の塔頭、両足院でも坐禅体験を行っています。両足院は、参加人数や天気との関係はありますがほぼ庭に面した坐禅になります。
祇園から近いですので交通にも観光にも便利です。坐禅と朝粥体験、坐禅とヨガ体験のプログラムもあります。
萬福寺 manpukuji
日時:応相談
メモ
・一人1000円(約60分、拝観料別途)
・説明後、坐禅(20~30分)
TEL:0774-32-3900
日本の坐禅の系統として、曹洞宗、臨済宗、黄檗宗がありますが、萬福寺は黄檗宗の禅になります。 場所は宇治になります。
禅専門道場のため、企業研修を行っています。1日、1泊2日、2泊3日のコースがあり、厳しさがあります。
延暦寺 enryakuji
【座禅止観体験コース】
・開催日は要問合せ
・体験料は要問合せ
・要予約
HP:修行体験 | 天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]
延暦寺は、延暦寺会館と居士林研修道場の2ヶ所で座禅体験ができます。
延暦寺会館
メモ
・要予約
・二名以上から受付
HP:修行体験 – 延暦寺会館
居士林研修道場
メモ
・要予約
・一名以上から受付
・短時間のコース
・一人 1080円(約60分)
・一泊二日、二泊三日のコースあり
HP:居士林のご案内 | 修行体験 | 天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]
比叡山は京都ではなく滋賀になりますが京都からよく見えますのでどうしても京都という感じがするんですよね。一般的には滋賀からのアクセスになりますが、京都市内からもバスでアクセスできます。
交通案内 | 天台宗総本山 比叡山延暦寺 [Hieizan Enryakuji]
B.全国の坐禅・マインドフルネス・瞑想スポット
臨済禅のできるお寺・スペース
出典:Zazen | Right before we start. | Flickr
臨済禅ができる全国のお寺(リスト)
坐禅会がない地域もありますが、ほとんどの県に坐禅会があります。臨済禅ができる もこちらのサイトに掲載されています。
東京禅センター(臨済宗)
日時:水曜18:30~20:30
・一名500円
名古屋禅センター(臨済宗)
日時:毎月第2木曜日 午後6:30~8:00
曹洞禅のできるお寺
曹洞禅ができる全国のお寺(検索システム)
曹洞禅も探しやすいように検索システム化されています。
京都では曹洞宗系の禅は少ない傾向にありますが、道元禅師の開いた永平寺が有名です。
大本山永平寺
出典:永平寺
体験修行
・坐禅、作務、読経、修行
・一泊二日 8000円
・三泊四日 12000円
・10日前までに電話で予約
TEL:0776633102
曹洞宗第1道場の永平寺です。永平寺は、体験修行の中に坐禅があるという形になりますので、坐禅も厳しめになります。
曹洞禅は面壁ですのでこのように壁に面して坐禅を行います。禅堂も暗めになります。京都の坐禅体験とはかなり趣が変わります。禅のエリートコースで体験効果も高いです。
7月末に行われる親子で参加するプログラムもあります。
親子で学ぼう永平寺雲水体験 | 坐禅体験 | 曹洞宗 北信越管区教化センター
林泉寺(東京・茗荷谷)
1984年創設の都内の禅の発信地。初回は第4土曜(19:00~、前日までに予約 TEL:03‐3943-0605)、以降月曜及び水曜日の坐禅会に参加。
長光寺(新宿・百人町)
初めての方は、第2土曜日(14時00分~15時30分、初心者坐禅会予約フォーム )、二回目以降の方は、第1、第3土曜日(14時00分~15時30分、予約不要)
マインドフルネス瞑想スポット
一方庵
HP:鎌倉稲村ヶ崎 一法庵 One Dharma Forum ワンダルマの会 公式サイト
上座部(テーラワーダ)仏教のお寺になります。
日本テーラワーダ仏教協会
ヴィパッサナーなど瞑想指導を行っています。ブッダの説かれた仏教を学ぶのにも適しています。
ゆとり家
ゆとり家 Homepage へようこそ! - ゆとり家ホームページ
ティク・ナット・ハンの著作の翻訳者が主催されています。
C.京都の体験坐禅で気をつけたいポイント
開始時間
遅刻は厳禁なので、少なくとも30分前には到着してお寺や庭を見ながら待っているのが良いです。
ホテルについて
泊りの場合は、午前6時からと早い時間開始の会もありますので、近くのホテルを予約した方が安全です。早朝ならば道の渋滞はないと思いますが、夕方にスタートする坐禅会ですと、京都は場所によっては渋滞しますので、時間的な余裕をもって行動するのがおすすめです。
京都の坐禅体験は一期一会
京都の枯山水を何年か見ているうちに、自然と座禅に参加するようになりましたが、座禅の前後で見る季節や寺によって見せる表情の違いが、京都の座禅体験の魅力だと思いました。
京都はひと月で自然や空がまったく違った表情を見せるんですね。季節や参加者の人数によって、体験坐禅の一回一回が、一期一会的なところがあります。
また、瞑想という内的体験に関わることになりますのでどこが良いかというのは参考程度のテーマになります。
体験座禅に行ったからと言って入信をすすめられることは全くありませんので、自分が気になったお寺やスポットを気軽に真剣に参加されるのが良いのではないかと思いました。
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*1:京都に雲竜図はたくさんありますのでそれを見て歩くのも面白い旅になります。