駅のホームにどーんと、ポパイの「京都特集」の広告が貼ってあった。
関西人なので雑誌の「京都特集」を買う必要もないのだが、本屋で手にとって買ってしまった。雑誌というのは、手に取ると買ってしまうように作られているからだ。
目次
ポパイ7月号「お邪魔します、京都。」の内容チェック
表紙は、建仁寺方丈の枯山水。東京の雑誌らしくストレートで攻めて来たか。
雑誌には書いてないが、建仁寺では京都の他の禅寺同様、座禅体験ができる。第2日曜8時にやってるので、泊りで京都に行った時の日曜は、座禅から始めてみるのもいいだろう。時代はマインドフルネスに向かっている。
妙心寺では泊りの座禅会も体験できる。
京都で坐禅体験のできるお寺を紹介した記事。
次は、目次を見てみよう。
背景の写真は、四条河原町の喫茶「ソワレ」。東郷青児の絵がかけてあったりする。
目次を見ても濃過ぎる。
内容を少し見てみよう。
ペラペラと頁をめぐる。これが駅に貼ってあった広告の写真だ。
先斗町の床と鴨川と四条大橋と北山の山並み。代表的すぎる京都の絵。四条を挟んで北と南に床のある店はたくさんあるので探索してみるのも面白い。
巻頭には、松浦弥太郎氏による「京都の庭」案内。
スタンダードなものを好む松浦氏らしいチョイス。東福寺、建仁寺(雲龍図)、大徳寺龍源院(東滴壺)、竜安寺などを6ページに渡って紹介。最後に沿えられた文章も「京都の庭」入門には参考になる。
京都では「禅味のある庭」がひとつの肝である。このブログでも「枯山水や名庭」を紹介したエントリーを書いたので参考になるかもしれない。
次のテーマは喫茶店。京都には庭と同じくらい印象深い喫茶店がある。
雑誌の京都特集の場合、どこの喫茶店を紹介するかでお里が知れてしまう。ポパイが数ある喫茶店の中でトップに持ってきたのは河原町の「六曜社 地下店」。京都人もこの雑誌に「合格!」と太鼓判を押すだろう。渋い選択だ。記事にもあるが緑色のタイルが見どころだ。普通の清水焼のタイルということらしいが。
六曜社 地下店
六曜社は河原町に面していて、表から見ると1階の扉と地下への入り口が見える。紹介されているのは地下の方。
地下へ降りる階段。壁に京都でのイベントのチラシが貼っている。チラシを見るのも楽しい。
カウンター席でブレンドとドーナツ。シンプルな組合せ。ドーナツも極めてシンプルの味。このドーナツを好む人も多い。表面はサクッとして中がやわらかい。
夜はカフェバーとしてウイスキーの瓶がバックカウンターに並んでいる。
京都の地元でこの店が好きな人が多かったということなんだろう。
個人的に好みなのは、どのガイドブックにも書いてあるイノダコーヒーの三条支店。高倉健も度々通った店。
これはイノダコーヒー本店の記事
他にも、寺町のスマートコーヒーや京大前の進々堂なんかも好みである。ポパイにも三店とも掲載されている。健さんが本当に馴染みにしていた店も載っている。
他のテーマでもマニアックに色々なスポットや店を紹介しており、雑誌ではあるが「完全保存版」と言える内容だろう。
ポパイの京都関連ツイッターもチェック
ポパイのツイッターで、この特集の「おすすめ記事」をチェックしてみよう。
いい店を自力で見つけるのも楽しいけれど、京都をよく知る先輩の話も聞いておくとなおよし。編集者の岡本仁さんに、京都のA to Z を駆け足で教えてもらおう。「U」は、「ういきゅう」。祇園のお店「切通し 進々堂」の名物だ。ウインナーときゅうりで、ういきゅう。ポパイの京都特集、発売中! pic.twitter.com/yGXCcNVQ8E
— POPEYE (@POPEYE_Magazine) 2017年6月17日
この花見小路の「ういきゅう」は食べたことなかったな。この特集には「えっ、こんなんあったんや」っていうのがけっこう見つかる。
京都に到着、さて昼飯は何食べる? せっかく来たんなら、京都らしいものを。ってやっぱ鯖寿司かな。ポパイが勧めたいのは「さか井」のコレ。ああ、京都来たなあって感じ。#鯖寿司 #京都 #京都グルメ pic.twitter.com/a9UapVInUk
— POPEYE (@POPEYE_Magazine) 2017年6月12日
鯖寿司は関西にはいろんなバリエーションがありおいしい。
食後はおやつ! どうしても食べてもらいたいのが、洋菓子店「KLaus」のチョコタルト、ルーシー。黒光りするスペーシーな見た目通り、未知の美味しさが舌を襲う! #京都 #kyoto #お邪魔します京都。 #KLaus pic.twitter.com/IHSmLh2DuT
— POPEYE (@POPEYE_Magazine) 2017年6月17日
京都の甘味は際限がない。ポパイではあえてチョコタルトを紹介している。
個人的にはド定番ではあるが鍵善のくずきりがおすすめ。
御所近くの虎屋菓寮は上京らしいハレっぽさを感じることができる。
君があまのじゃくならば、最新号「お邪魔します、京都。」の中の、「裏口から、お邪魔します。」ページから読んでみることをオススメする。まずはポルノ映画館「千本日活」の斜め向かいのスナック「ヘルメス」。入ったが最後、ママの幅広すぎるレコードコレクションに酔いしれて抜け出せなくなる。 pic.twitter.com/M284sFam8s
— POPEYE (@POPEYE_Magazine) 2017年6月13日
なんとスナックまで紹介しているという。もちろん気軽に入れるショットバーも紹介している。
他にも小津安二郎、デヴィッド・ボウイ、北大路魯山人が常連だった店、黒澤明の常宿なども紹介されている。
うーむ。 あらためてページをめくってみても内容が盛りだくさんすぎる。
ポパイ7月号「京都特集」
京都はネタが尽きることがない都
京都。1200年の都。BSで「京都の極み」なる番組がある。船越英一郎が出てるアレだ。
視聴者はいい加減、ネタが尽きるのではないかと心配しているのではないか。しかし、その心配には及ばない。ポパイの京都特集のごとく京都はネタが尽きることがない。1200年分のネタがストックされているからだ。番組もいずれその驚愕の事態に気づくだろう。
だから、京都に行く場合、一度に何もかも見てしまおうと欲張ってはいけない。このポパイの特集のように、自分が興味あるテーマに沿って旅するのもひとつの流儀だ。
人生の狭間で、自分の時間がある時に、テーマを絞って小まめに訪れてみる。記憶に残る京都になるだろう。
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