ワイドパンツがかすかに流行の兆しを見せるなかで、スキニーでもなく、レギュラーフィットでもなく、スリムフィットを論じてみたいと思う。
なぜスリムフィットなのか? それはパンクロックやエドウィンのロンドンスリムや1980年代のリーバイス501のカスタマイズに源流があった。
ユニクロの代表的ボトムズであるスリムフィットジーンズをチェックしてみたい。ユニクロ2018のスリムフィットジーンズのおすすめも分析してみたいと思う。
目次
- ユニクロのスリムフィットジーンズの立ち位置
- スリムジーンズの歴史~リーバイス501CTの衝撃~
- エディ・スリマンのジーンズスタイルの変遷
- ユニクロのスリムフットジーンズの感想・レビュー
- ユニクロのおすすめスリムフィットジーンズ
ユニクロの スリムフィットジーンズの立ち位置
ユニクロジーンズのセンター
ユニクロのスリムフィットジーンズに正統性があると思ったのは、セルビッチ(赤耳)の生地のジーンズは現在はスリムフィットでしかつくっていないからだ。(いつのまにかスキニーでも販売されていました。)
レギュラーフィットでセルビッジを再び出して欲しいというリクエストは多いと思うが、その要望はかなえられていない。スリムフィットに特権的な意味を与えているからだ。アイドルグループでいうところのセンターの位置づけなのである。
ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズ。このリジッド(生デニム)のジーンズは、現代的なジーンズという意味で名品となるだろう。残念ながら、もう生地の厚さだけでジーンズを評価することはできない時代になっている。
リーバイス501の現行品も意外と生地が薄いのである。時代や多くのユーザーはヘヴィーウェイトのデニム生地をもう求めていないのである。
ぶ厚い生地は冬はいいが夏は暑い。冬は、生地が薄くても、ズボン下にヒートテックを履けばいいことが分かってしまったのである。ヒートテックは生地が薄いのでジーンズの下に履くことが可能なのである。
ラインアップの真ん中の立ち位置
シルエットで言えばスリムフィットが昔のいわゆるレギュラーフィットぐらいの感覚になっている。つまり、スキニーフィット寄りにセンター軸がふれている。
ストレッチ素材になったとは言え、少しスポーツをしていたユーザーにスキニーフィットは厳しい。ももが入らないのだ。場合によってはスリムフィットも難しいだろう。
若い人は代謝が高いので足も細いが、おっさんになるに従って代謝量は減り、ふとももだけはスポーツをしていた時の太さに戻ってしまうのだ。
本当は、レギュラーフィットをセンターにしたいのだが、最近はスキニーを好む足の細い日本人がなぜか増えてしまったため、中間をとって、スリムフィットがセンターなのである。
今の若い人の体型ではスリムフィットがレギュラーフィットぐらいの感覚になり、そうした意味でもスリムフィットに正統性があるのである。
デザイナーは、ワイドパンツを一生懸命流行らそうとしているが、なかなか流行らないのはこうした図式によるのである。この図にワイドフィットを入れてしまうと、センター軸がレギュラーフィットに振れてしまい、スキニー男子の反発が予想されるのである。
ここで、ジーンズの種類を少し整理してみよう。厳密にパキッと分類されるわけではないのだが、目安である。
ジーンズの種類
ジーンズのシルエットの分類はいろいろなものがあるが、大きくは、裾にかけてまっすぐなストレート(ジーンズ)と裾にかけて幅がせばまるテーパード(ジーンズ)がある。裾がひろがるフレアもあるが、現在は鳴りを静めている。
ストレートジーンズにもテーパードがかかったものがあり傾向的な分類となる。
ストレートジーンズとテーパードジーンズには、フィット感で、ワイドなものもタイトなものあり、ワイドフィット、レギュラーフィット、スリムフィット、スキニー(フィット)がある。
ユニクロではフィット感で分類している。レギュラーフィットジーンズ、スリムフィットジーンズ、スキニーである。
リーバイスは、ストレートを明記して、レギュラーストレート、テーパードフィット、スキニーフィットという分類である。
ひとくちにスリムジーンズと言った時も、シルエット的にストレートとテーパードがあり、フィット感ではスリムフィットとスキニーがある。
こうした分類はあるものの、分類間には力学があり、どんなメーカーもストレートからテーパード、レギュラーフィットからスリムフットに流れる力学が働いているのである。
そうした力学を理解するために、スリムジーンズのザクっとした歴史を見てみよう。かなり長くなると思う。(ユニクロのパートへのショートカット。)
スリムジーンズの歴史~リーバイス501CTの衝撃~
1970年代
スリムジーンズの起源のひとつは、1970年代にロックシンガーがストレートジーンズの裾をカスタマイズして裾幅をつめたことにあると言われている。
カスタマイズのベースとなったのは1967年に発売されたリーバイス505。*1
1976年発表のアルバムで505をカスタマイズして履いたのはラモーンズ。
ローリング・ストーン誌より「史上最高のパンク・アルバム」と評されたアルバム。パンクである。
履いているジーンズは、現在のスキニーにも通じるフィット感とテーパードである。
ピストルズのシドヴィシャスがラモーンズのメンバー(右端のディーディー)のファンなので、アメリカのラモーンズのファッションがUKに渡ってパンクファッションに微妙に合流しているとも考えられるのである。
この写真は、壁に「NEVER MIND THE BOLLOCKS」と書いてあるので、1977年の写真だと思うが、シドヴィシャスはすでにかなりスリムなジーンズを履いている。
ちなみにシドヴィシャスがストレートを履く場合は、横一文字に深く切れたダメージジーンズを履いた。
2016年にリーバイスが505Cというロットで再現した。
出典:New Fit “505™c” | リーバイス オンラインストア
1950年代から1960年代にかけてサブカルチャーの発信地は、西海岸を中心としたアメリカであった。ヒッピー文化に端を発する1960年代から流行した裾がフレアしたベルボトムジーンズのブームが1970年代まで続く。それと入れ替わるように、1970年代からヨーロッパの影響が大きくなっていった。
1980年代
1981年にエドウィンがスキニーに近いスリムジーンズ「ロンドンスリム」をヨーロッパで発売すると、大ヒットし、1983年には日本でも発売されブームとなった。個人的にも2本履いた。
ロンドンスリムを履いていると足が長いのではないかと言われた。ロンドンスリムの後にリーバイス501を履いていると足が短いのではないかと言われた。古い501をおもいっきり腰履きしていたのである。
なんにせよスリムジーンズが市民権を得たわけである。
エドウィンは現在でもロンドンスリムを出しているが、ラインアップの主軸に据えているわけではない。濃いファン層に支えられた日本のデニムブランドになってしまったのだ。
ここで1980年代のリーバイスを見てみよう。ロンドンのシャープなイメージと違って、アメリカにはまだウエスタンなおおらかさがあった。
1980年代のリーバイス501
一見普通の501だが、1980年代の501は履いた時になんとも言えないソフトなフィット感がある。求道者的で無骨なイメージのある古い501のビンテージとは違ったのである。
一番の特徴は、股上寸法が短いためにサイドの腰骨にひっかけながらフィットした履き方ができることだ。それにあわせてボタンフライのアタリも加わった腰回りの表情が出るので欧米女子やセレブリティが好むのは明らかだった。少し下品な表現になるが、1980年代の501をアメリカ女子が履くと腰回りがセクシーに見えたんですね。
後ろも見てみよう。
あの大きかったバックポケットは、1980年代になるとこんなに小さくなった。
ヒップラインがきれいに見えるようにつくっているのである。1980年代の501を履くとどんな尻も桃尻になった。女子受けするようなつくりなのである。
女子はあまり関心がない裾のディテールも見てみよう。
1980年代の501は、販売時から裾がシングルステッチである。赤耳もなくなり、内側はダブルシームとなっている。ヴィンテージのチェーンステッチのぐりぐり入ったパッカリングと比べるとやはりさびしい。貴重なディテールとしての裾がなくなり、大きくカスタマイズされるモチベーションが生まれたのである。
この1980年代モデルの裾幅は19.5㎝。同じウエストの1955年モデルの501で22㎝、1966年モデルの501で21㎝。どんどん裾幅がせばまっているのである。
リーバイス501CTの衝撃
この1980年代の501の膝から下へ裾をつめたものが2016年に発売された501CT(カスタムテーパード)ではないかと思う。
実際、1980年代の501はフィットしたサイズを履くと、裾だけがひらひらした感じがしたのである。これがウエスタンな感じがしてよいのであるが、ラモーンズが505の裾をカスタマイズしたように、裾をつめたセレブ女子がいたかもしれない。
実際、リーバイスの501テーパーの説明にもそんなことが書いてある。
501®Tは、世界中のセレブリティやファンの声から生まれた革新的なテーパードジーンズです。 501®オリジナルの裾をタイトに仕立てたデザインで、すっきりとした現代的なシルエットは、体型や着こなしを選ばずお使いいただけます。
ボタンフライで腰回りがセクシーに見えるバージョンのロンドンスリムを501をカスタマイズしてつくった女子がいたのではないかと思う。リーバイス501のアナザー・ストーリーだ。
501CTを少し見てみよう。
出典:http://levi.jp/shop/501/item/list/category_id/1885
このヴィジュアルなんてもうほとんどロンドンスリムだ。ダメージの入れ方もパンクだ。ロンドンスリムは洗濯機で洗うとこのような薄いブルーになる。
それにロンドンスリムははじめからジャストレングスで売っていてアンクル丈だった。まさにこんなイメージ。501をカスタマイズしてロンドンスリムのようにした人たちがいたのだ。そして、リーバイスがスリムフィットを認めた。
現在、CT(カスタマイズド&テーパード)は、2017年に501T(テーパー)という呼び名に代わっている。カスタマイズという特殊な世界から正式にスタイルとして認められたのである。
ちなみに、1980年代の501のカスタマイズド&テーパードというのはこうなると思う。
1980年代の501は腰から太もものラインは欧米女子に好まれているのでいじる必要はなく、膝から下にかけて裾幅をつめる。膝の下までインシームをほどいて、青線の範囲をつめる。たぶんオリジナルのカスタマイズド&テーパードはこう考えただろう。
最新の501カスタマイズド&テーパード(テーパー)と501スキニーも見てみよう。
これが2018年現在の501T(テーパー)。腰回りは501のイメージで、裾幅を32インチで17㎝までつめている。505Cよりもこちらをメインに据えたいような感じだ。
501(R)T テーパードフィット/ミディアムインディゴ/13.25oz
そしてスキニー。なんと501のスキニーだ。
1983年のロンドンスリムが2018年に501になって帰ってきたというドリームのようなジーンズだ。レギュラーフィット主義者が言うのもなんだが、ロンドンスリムを2本履いた経験から、このジーンズはものすごくカッコいい。ふとももが入るなら履きたいぐらいだ。
501(R)SKINNY(スキニー) スキニーフィット/ミディアムインディゴ/TREASURY MEN/13.25oz
しかも、501のブラックのスキニーもあるのだ。
なんと、これはストレッチ生地だ。履ける人は多くなるだろう。
しかも、レングスが30インチ(76㎝)と32インチ(81㎝)の2種類を用意しているのだ。2018年において、ジーンズの歴史性とファッション性においては最強の一本と言えるだろう。
501(R)Skinny(スキニー) ブラック/BLACKPUNK/14oz
501のスキニーはいろいろと揃っているので一度チェックしてみるのがおすすめだ。
話がいつのまにかスキニーになってしまったが、スリムジーンズの歴史に話を戻そう。
1987年に日本リーバイスがはじめて502をビンテージとして復刻する。1988年にドゥニームが創業する。ビンテージやレプリカブームの基盤が整いつつあった。
参考:リーバイス・ビンテージ・クロージングのファーストモデルを30年後にレビューする / LVCの歴史と世界観
1980年代の後半にはバブル崩壊やケミカルウォッシュとともにスリムジーンズの流行は終わっていたのではないかと思う。
そして1990年代。
1990年代~2000年代
1990年代になると、ビンテージやレプリカブームがあったことにより、レギュラーフィットのストレートジーンズが復権し、メインストリームとなった。
レギュラーフィットの復権は2010年頃までは続いた。
リーバイスの話がずいぶん長くなってしまった。本論に戻ろう。
その前に、どのようにスリムフィットが生き残り復活したのかを考察する必要がある。
エディ・スリマンのジーンズスタイルの変遷
2000年初頭は、ファッショニスタがワイドなレギュラーフットを履いたこともあり、2010年頃まではレギュラーフィットは主流だったと思う。
しかし、大きな声では語られないものの気に敏感なデザイナーはスリムなジーンズをちゃっかりとつくっていたりした。
そうしたファッションの流れとは別に、スリムジーンズをはき続けていた人たちがいた。ロックな人たちである。ストレートなロックはリーバイス501を履くものの、反逆系のロックは、1970年代から途切れることなくスリムなジーンズを履き続けた。
ロックと少年性の反逆
ロックの影響が強いエディ・スリマンの写真で確認してみよう。2000年頃はエディ・スリマンでさえ、レギュラーフィットのジーンズを履いている。エディ・スリマンはディオールとサンローランのディレクター。
2004年ぐらいから見てみよう。
2004年はレギュラーフィットをロールアップして履いている。
2005年はかなり細いとは言え、だぶつかせて腰履きをした感じなどレギュラーフィットのニュアンスを残したスリムだ。テーパードがやや入っている。
これも2005年の写真。 スリムフィットのストレートだ。長めのレングスをたるませて履いているのがかっこいい。
2005年にスキニーのスタイルも完成。テーパードしている。2005年にはスリムジーンズは復権したのである。
2006年、ロックンローラーとの2ショットです。ライズ(股上寸法)もかなり短くなっている。
2007年になるとさらに細くなります。
2010年になると、完全にスキニーフィットだ。
実際のモデルも見てみよう。
出典:BUYMA.com SAINT LAURENT ニーパッチスキニージーンズエディスリマン394100 23037126
エディ・スリマンがディレクションしたサンローランの2016-2017モデル。もっとも細いイメージの1本ではないだろうか。インシームをダブルステッチにして1980年代のリーバイス501のイメージを残すところなど素晴らしい。
しかし、こうしたスタイルは足が細いからできるのであって、太ももがパンパンにはったアメリカ女子や運動系、労働者系体形には、スリムフィットが限界なのであった。履きたくても履けないのであった。体系がリーバイスになってしまっているのである。むしろリーバイス501に体形をあわせてきた。
ここまでスリムフィットを考察してようやくスリムフィットのスタイルを論じることができるのである。スリムフィットにはロンドンスリムと1980年代の501のカスタマイズド&テーパードとロック少年と個人的な体形が複雑にミックスドされているのである。
レギュラーフィットは、今は見えにくいものがあっても、ヴィンテージやレプリカやトム・フォードのど真ん中の太い潮流があるのだが、スリムフィットはサブカルチャーとして絶えずリミックスされる潮流があるのである。
エディ・スリマンの事例で見たようにスキニーの旬はかなり前であるが現在もお洒落男子の好むアイテムである。ひとつのスタイルの完成にはけっこう泥臭い歴史があり、慣性の法則でしばらく続いてしまうことになる。エドウィンが勝利したのである。
501と501Z(502)以外は、わりとジーンズのカテゴライズは鷹揚なので、ある時、ふと、ユニクロのダメージジーンズを買った。
アタリを裾上げしないでも履ける短めの設定にしていたのだ。
ユニクロのスリムフットジーンズの感想・レビュー
ここまで来るのにかなりの文字数をついやしてしまったが、スリムジーンズの歴史をざっりと理解してようやくユニクロのスリムフィットジーンズの正統性を評価できるのである。
いよいよユニクロのジーンズの登場だ。しかし、紹介するのは、ユニクロのジーンズイノベーションセンターができる前の製品である。
参考:ユニクロ|JEANS INNOVATION STORY
スリムフィットダメージジーンズ(2016年モデル)
LAのジーンズイノベーションセンターが始動するのが、2016年秋なので、このスリムフィットジーンズは2016秋冬ぐらいのアイテムだと思う。ジーンズイノベーションセンターは関わっていない。
腰回りは、リーバイス505や1980年代の501のようなレギュラーフィットで、裾に向かってカスタマイズしたかごとくにテーパードしている。
ダメージもあったりして、1990年代から直結するスリムフィットジーンズになっていると思う。それが個人的には面白いと思った。ここがポイントで、このスリムフィットジーンズには、2000年代以降のエディ・スリマンに見られるスリムの歴史が入っていないのである。
このことは、ジーンズイノベーションセンターが関わっている最新のスリムフィットジーンズを見ることでよくわかる。
スリムフィットダメージジーンズ(2018年モデル)
出典:ユニクロ|スリムフィットダメージジーンズ|MEN(メンズ)
2000年代以降のスリムフィットジーンズの歴史を考慮に入れてすっきりしたイメージになっていると思う。かなり洗練された感じがする。ダメージの仕様も、ラモーンズ・古着風のランダムな穴から、UK・シドヴィシャス風の位置を限定した真一文字になっている。かなりお洒落になったのである。
(追記)最新のスリムフィットダメージジーンズを実際に履いてみたレビューです。
2016年のユニクロのレギュラーフィットも見てみよう。
レギュラーフィットダメージジーンズ(2016年モデル)
スリムフィットを見続けて突然レギュラーフィットを見るとかなり太い感じがすると思う。ちなみにこのレギュラーフィットはバングラディッシュ製で、さきほどのスリムフィットは中国製である。生産国によって、生地の風合いもインディゴの青さも違っている。
現在、レギュラーフィットのダメージジーンズはなくなっている。レギュラーフィットのダメージには、スリムフィットで見たようなダメージにパンクロックなどのファッション性は付加されていないのである。だからどうしてもレギュラーのダメージは古着の再現になり、それが多くのユーザーに好まれるかという問題になる。
スリムフィットとレギュラーフィットの重ね合せ
重ね合わせてみると、スリムフィットがテーパードしているのがはっきりと分かる。
同じウエストでも、レングスの設定を変えているのが面白い。
30年ほど、リーバイスの古着と復刻品を履き続けて、はじめてユニクロのジーンズを履いてみた感想を語りたいと思う。
ユニクロのジーンズがよかったと思う3つの感想
1.夏にむれない
100%コットンではないので、雨が多い時期でも湿った感じがしない。さらっとしているので、夏に履いてもむれない感じがする。それはリーバイスでも他のメーカーでも現行品はそうなっているようだ。
2.股上寸法が短い
股上寸法が短いのでなんとなくお洒落な感じがする。お洒落というよりも、現在売られているような服にあわせやすい。
3.ストレッチで快適
ストレッチが入っているので、ジャストサイズでも軽快に履ける。もうジーンズは、重いものではないのだ。
重いジーンズが欲しい場合は、各メーカーで、専用のアイテムを用意している。
ユニクロのおすすめスリムフィットジーンズ
1位:ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズ69 NAVY
なぜ、このモデルがおすすめかと言うと、スリムジーンズの歴史でざくっと見たように、セルビッジ生地のスリムジーンズというのはメインではないのである。
だからセルビッジで生デニム(リジッド)のスリムフィットを前面に出すというのは、ユニクロがはじめてかどうかは分からないが、オリジナリティがあることなのである。
しかも、リジッドタイプには、ビンテージ・クロージング風の光沢が出ている。
このモデルは新しいジーンズのなかでは完成度が高いと言わざるを得ない。厚手の生地というわけではないが、ジーンズの新しいイメージがある。この生デニムのモデルが定番として残るのかどうかはウォッチしたいところである。
ユニクロ|ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズ|MEN(メンズ)
腰回りのディテール。
出典:ユニクロ|ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズ|メンズ
同じセルビッジの生デニムでも、ボタンが無地と刻印入りがあるので注意したいところである。(現在はすべて刻印入りになっています。)
遠慮せずに刻印入りをゲットして欲しい。
ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズの裾上げ時の考察
このジーンズは裾上げにもこだわりたい。生デニムであるので、縮みを計算して股下寸法を計算する必要がある。生地の性質からすると1~1.5cmといったところだろう。
チェーンステッチはオンラインでしか受付していないので、1cmだけ長めの股下寸法でオーダーするのがいいだろう。
他のところでする場合は、ワンウォッシュしてから履いてみて股下寸法を決めるといいだろう。ユニオンスペシャル43200Gという古いミシンを置いているジーンズリペアショップでガチガチのチェーンステッチにしてもらうという方法もある。
「ユニオンスペシャル 地域名」で検索すると、ジーンズリペアショップがたくさんみつかると思う。
しかし、このユニクロのスリムフィットのセルビッジジーンズをオールドジーンズの裾のように、斜めにぐりぐりパッカリングした捩れを入れる必要があるのかという問題がある。捩れない新しいミシンできれいなチェーンステッチを入れるのもありだろう。
もちろんシングルステッチで垂直のパッカリングを入れるのがすっきりしてていいのかもしれない。それもロールアップするかどうかにもよる。
自分にあったロールアップ寸法(一回だけの折返し)を決め、新しいミシンでチェーンステッチで裾上げをするのが、このジーンズのイメージにあっているように思う。
厳密な1インチ(2.5㎝)が基本だが、ルールはないのだ。スタイルがあるだけだ。
2位:ストレッチセルビッジスリムフィットジーンズ09 BLACK
同じセルビッジの色違い。
黒もいい感じである。黒のスリムなジーンズは何にでもあわせやすいパンツであり、一本持っておくと便利である。
3位:スリムフィットダメージジーンズ62 BLUE
3位は、先ほど紹介したスリムフィットダメージジーンズである。スリムフィットジーンズの歴史性に立てば、このジーンズにもっとも正統性がある。
試着してみて、ふとももが入らない場合は、ふとももが入るぐらいまでウエストサイズを無理してあげるよりも、レギュラーフィットを選んだ方がいいと思う。それかリーバイスの501Tでチェックしてもいいだろう。
JWアンダーソンがユニクロとのコラボで出したのは1955年風のレギュラーストレートなので、デザイナーはもうレギュラーに戻りだしている。
ユニクロ|レギュラーフィットストレートジーンズ+E|MEN(メンズ)
その他にもスリムフィットは何種類かあるのでチェックしてみてほしい。
(追記)スリムフットジーンズのダメージジーンズが出ましたのでこれまでの番付は多少見直しになります。
スリムフィットとレギュラーフィットのバラッド
実際、現在でも世界中でスリムフィットジーンズは好まれ、レギュラーフィットは傍流に押しやられつつある。ヨーロッパに行ってもワイドやアンクルやクロップトが流行っているというが、一般の都市ではあまり見ない。スリムフィットジーンズを履いている人が多い。
フィレンツェの空港で待ちぼうけをくらわされたので、ジーンズをチェックしていると、少しお洒落なヨーロピアンはみんなスリムフィットジーンズであることが分かった。1970年代からスリムを仕掛けたパンクと日本が勝った(エドウィン=江戸勝利)というわけだ。
たまに、ヨーロッパで、アメリカからの旅行者がレギュラーフィット(リーバイス501の現行品)を履いていたりする。
見かけたのは極めて少数だ。生粋のアメリカンスピリットだ。
必ずしもリーバイスのレギュラーストレートだけがジーンズではないし、スリムフィットジーンズの歴史にも正統性があると思う。
もう501という名前で、CT(カスタムテーパード)もスキニーも販売されているのだから。
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*1:リーバイス501のジッパー版の流れを汲み、リーバイス501と比べると股上も短く、すっきりしたシルエットに特徴がある。