ユニクロのジーンズは絶えずアップデートされている。
最近、ユニクロのスリムフィットダメージジーンズを店舗でチェックしてびっくりした。以前より格段に進歩していたのだ。
このエントリーでは、ユニクロのスリムフィットダメージジーンズが最強であると思う7つの理由を紹介したいと思う。
目次
- 1.標準サイズ寄りにあわせたレングス
- 2.ストレッチが実に気持ちいい
- 3.LAのジーンズイノベーションセンターで企画
- 4.スリムフィットはジーンズのセンターの立ち位置
- 5.ダメージジーンズから穴が消えて実用的になった
- 6.風合いあるバングラディッシュ製
- 7.ダメージジーンズなのに3990円
まず、最新のスリムフィットダメージジーンズを見てみよう。
出典:ユニクロ|スリムフィットダメージジーンズ|MEN(メンズ)
この画像をみただけではなんの変哲も無いスリムフィットダメージジーンズに見えるかもしれない。
しかしそうではない理由をこれから説明したいと思う。
まずは肝であるレングスからだ。
1.標準サイズ寄りにあわせたレングス
まず、基本的な問題として、ダメージジーンズの場合、裾あげすると、そこだけ真新しくなってしまうことがある。
ただ、長めの設定にしておかないと、足の長い人は履けなくなる。すると、今度は標準サイズの人は裾あげかロールアップして履くことになるんですね。
ところが当初からユニクロはダメージジーンズのレングスは標準サイズ寄りにしていたのだ。
参考:ユニクロのダメージジーンズが想像以上に良く出来ていた。
最近このタイプのジーンズはみかけなくなったなあと思っていたとところ復活していたわけだ。
とある店舗で書いてあったのだ。
「こちらの商品は、裾にダメージ加工をしており通常よりも裾を短く仕上げております」と。素晴らしい。
実際にどの位の丈の長さ(レングス)なのか確認してみよう。
34インチまでのサイズ表。
出典:http://www.uniqlo.com/jp/store/support/size/407406_size.html
例えば32インチでレングスは75センチに設定している。
ジーンズの股下寸法はフィット感や素材で多少調整されることがあるが、標準よりの長さにしていると言えるだろう。
(追記)実際に買って履いてみたレビュー。
以前のスリムフィットダメージジーンズの裾のイメージ
数年前のユニクロのスリムフィットダメージジーンズのウエスト32インチで実測値が73.5センチだった。
中肉中背170センチ程度の標準体型がこの75センチのレングスを履いた場合の足元はだいたいこんな感じ。
中肉中背に股下75センチだとちょっと長めのレギュラー丈。
レギュラーフィットにあわせている靴なので靴のボリュームがありすぎるということもある。
1インチおりかえすとこんな感じ。すっきりした感じになる。
ちなみに、むかし売っていたユニクロのレギュラーフィットのダメージジーンズの裾はこんな感じ。
レギュラーフィットの方が少し短めの設定だった。
裾の長さやちょっとしたディテールでずいぶんイメージが変わるのがわかると思う。
ZOZOオリジナルがウォッシュのかかったジーンズの裾回りのオーダーをやろうとしている。現在は、絶賛チューニング中という感じだが、実にロックだ。
参考:ZOZOスーツとZOZOオリジナルがジーンズのレングス問題を完全解決
ユニクロもウォッシュのかかったジーンズの裾まわりを意識しはじめているのではないかと思う。
靴はパラブーツのミカエル。25年前ぐらいに三宮の高架下でみつけて何足も履きかえているが最近はメジャーな靴になってしまい価格も上がってしまった。最初に買ったときは4万円程度だったと思う。
パラブーツの値段がぐっとあがってしまいなかなか買えなくなってしまったので、現在は、レッドウィングのオックスフォードにしている。これも値段が上昇中であるが、まだ買えるレベルではないかと思う。
革靴はどんどん値段があがるので、普段使いはスニーカーを履いた方がいいのではないかと考えている。
話がかなり脱線したが、最新のユニクロのスリムフィットダメージジーンズは、むかしのスリムフィットジーンズではないのだ。
最新のスリムフィットダメージジーンズの裾のイメージ
ユニクロのダメージジーンズは古いタイプをサイズを変えて7~8本持っていて、リーバイスのLVCを大量に買ってしまったところなので、買ってはいないが試着してみた。
ここがらが大事なポイントだ。
とりあえず試着した感想はふとももが太いのでぴたぴただったが最高だ。
これは最高だ。
これはもうエディ・スリマンだ。
さらにスリムになっているのだ。体形にもよるがスキニーに近い。
スキニーに近くてストレッチがかなり効いているので、モード界を激震させたエディ・スリマンが細いジーンズを履きはじめたころの履き方ができるのだ。
実例で見てみよう。
この2005年のエディ・スリマンが履いているジーンズはスリムのストレートだが、長めのレングスをところどころでたるませて履いているのがわかると思う。
このエディ・スリマンの着こなしテクで数センチの長さはなんなく調整できるのだ。
エディ・スリマンのジーンズの履き方の変遷はこちらの記事で紹介しています。
参考:ユニクロのスリムフィットジーンズの正統性を論じようと思う / パンクと1980sとリーバイス501CTの考現学
傾向的には足が細い人はだいたい足が長いので股下75センチはジャストレングスかアンクル丈に近いクロップドになると思う。太ももが太いひとはスキニーぎみにはりつくので、エディ・スリマンのようにたるませてジャストレングスにすることができるのである。
とにかく試着してみるのがおすすめだ。 履いてみないとうまく伝えることができないレベルにまで完成度を高めている。
それでもちょっと丈が長いわという人でダメージジーンズを履きたい場合は、裾あげしてデニム職人に味出しを頼むか、リーバイスのジーンズを買うと有料で、ORIGINAL HEMという特殊な裾あげをオーダーすることができる。
ダメージジーンズの場合は、オンラインよりも実際のリーバイスストアに行った方が揃っている場合もあるので、ショップをのぞいてみるのがおすすめだ。(ライトオンでもリーバイスはたくさん置いています。)
出典:FIND YOURs 裾上げ無料サービス | リーバイス® 公式通販
右から2番目がORIGINAL HEMだ。チェーンステッチでも新しいミシンでは性能が優れているために凹凸はでないので、ユニオンスペシャルという古いミシンでしっかりとめているかがポイントだ。
チェーンステッチにする場合は、街場でもユニオンスペシャルで裾上げしているショップがあるのでそちらに持ち込んでもいいですね。
まだ、1項目目なのにものすごく長くなってしまったので、以後はポイントだけ書いていこう。
2.ストレッチが実に気持ちいい
以前のスリムフィットダメージジーンズよりストレッチが強化されているわけだな。
ジーンズにストレッチなんてとはじめは思っていたが、なれてくると、これはストレッチが弱いのではないかと思ったりする。
JWアンダーソンとのコラボでデニムジャケットが出ていて、よく出来ていると思うんだけど、ストレッチが弱いんじゃないかと思ったりする。
参考:ユニクロとJWアンダーソンのデニムジャケットをユーザー目線で比較してみた
最新のスリムストレッチジーンズは気持ちいいほどストレッチしている。
次は、現在のスリムフィットダメージジーンズがジーンズイノベーションセンターの企画であることだ。
3.LAのジーンズイノベーションセンターで企画
ユニクロプロパーの企画もジーンズ特有の粗野な感じがしてよかったが、LAのイノベーションセンターのチェックが入ることであかぬけした感じがする。
グローバルに向けたいわゆるハイファッションのジーンズになったわけだ。
LAのジーンズイノベーションセンターは公式ページに詳しい。
ユニクロ|JEANS INNOVATION STORY|公式オンラインストア(通販サイト)
このページを見ると、研究所のような場所で日夜ジーンズだけを研究している人がたくさんいるのである。
たまたまなのかもしれないが、たまたまのぞいた店舗でユニクロジーンズの中で主力でもないにもかかわらず、最新のビンテージショップのような並べ方をしていた。
関西弁で言うとこのディスプレイを見て「メッチャあかぬけしてるやん」と思ったわけだ。LAのジーンズイノベーションセンターは地味ではあるがユニクロジーンズのレベルを確実に底上げしているのだ。
次はスリムフィットが現在のジーンズのセンター位置にあることだ。
4.スリムフィットはジーンズのセンターの立ち位置
スリムフィットジーンズは、エドウィンのロンドンスリムが大ヒットしてポピュラーになったと言われているが、実はいろいろな事情が複雑に絡み合っている。
スリムフィットにおいては日本もジーンズの潮流に大きく絡んでいるので、日本においての正統性は高いと言える。
そのあたりの事情をパンクロックや1980年代のリーバイス501をふまえながらほぼ主観で書いた記事。
最新のスリムフィットジーンズはまたスキニー寄りになってしまったが、スリムフィットジーンズがジーンズのセンター位置であるという内容。(6000字程度)
5.ダメージジーンズから穴が消えて実用的になった
レディースもののダメージジーンズでは、穴が一部残っているのを見たような気がするが、メンズのダメージジーンズからは穴が消えた。
以前のダメージジーンズには、思いっきり穴があいていたのだ。
少し見てみよう。
以前の穴
おもいっきり穴が開いていて、穴を通して地肌が見える。秋風が吹くと冷たい風が入ってくる。
ものすごく穴があいたタイプもあって、一部の人間は喜んでも、ユニクロに実用性を求める大多数のユーザーにとっては、この穴はどうなんだろうというのは思っていた。
この大穴の後に出たのが、改善された穴だったのだ。
改善された穴というのは一度穴をあけて、裏かなデニム生地をリペアで貼った穴である。
改善された穴
縦糸だけカットするなど穴のあけかたは以前のものよりもかなりこっている。右側の写真はこの穴の内側だ。一見穴が開いているように見えるのだが、同じデニム生地でふさいでいるのだ。
すべての穴にこうした処理がなされている。つまりリペアした仕様になっているのである。ものすごい手間なのでコスト的に本当に大丈夫なのかと思ったということはある。
右側の写真のサイドシームの縫製の確かさも見てほしいところだ。
そして最新のスリムフィットジーンズでは、穴は消え、いわゆるゆるめのダメージによる味だしだけになった。多くのユーザーが試してみる価値のある段階に入ったのである。
6.風合いあるバングラディッシュ製
最初に見た時のダメージジーンズはバングラディッシュ製だった。激しく穴の開いたジーンズだ。
このジーンズのコットン生地は厚みがあり風合いがあったため、ダメージのウォッシュをかけた時にそれらしい雰囲気となった。
次は中国製で手仕事的にもレベルが高く、インディゴの青の残りもよかったが、ダメージジーンズとしては生地が少し弱かったのではないかと思う。
そして最新のスリムフィットジーンズはバングラディッシュ製にもどった。
生地が薄いという意見もあるが、リーバイスでも現在の生地は薄目であるし、それが現在のユーザーの大多数の好みなのだ。
最後は、コスパだ。略さないで言うとコストパフォーマンスだ。
7.ダメージジーンズなのに3990円
普通ダメージジーンズは手間がかかるので高くなるが、通常のユニクロジーンズと価格をそろえている。つまり、スリムフィットジーンズはかなり割安になっているのである。
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