スマートウォッチのブラッシュアップに磨きがかかってきています。
ソニーの新製品は発売される度に購入したりチェックしたりしてきましたが、wena(ウェナ)の最新型が出ていたことは最近気づきました。
このエントリーでは、wenaの改良点とwenaにマッチする理想のヘッドを検証し、シリーズ3(アップルウォッチ)越えを想定した最強のスマートウォッチを考察してみたいと思います。
目次
最新型wenaの改良ポイント
ファーストモデルからの主な改良点です。
- ベルト単体での販売
- ベルト幅22㎜から20㎜へ
- 液晶表示部の拡大
スマート機能本体であるベルトだけ欲しいとう人も多かったですからね。ソニーがリクエストに応えたかたちになります。
ベルト単体の発売は、正確には、ソニーの2017年7月11日のニュースリリースで発表されました。電子マネー機能のみの革ベルトバージョンの発売に合わせたかたちです。
ニュースリリース | 電子マネー機能を搭載した腕時計用レザーバンド「wena™ wrist leather」を発売
しかし気をつけなければならないのは、2017年7月11日に発表された単体は、ファーストモデルのベルト幅22㎜のタイプです。
ファーストモデルのデザインを少しふり返ってみましょう。
出典:wena wrist
ファーストモデルは、時計(ヘッド)とのセット販売です。
注目ポイントは、時計本体のベルト取付幅(ラグ幅)とベルト幅、そして、スマートウォッチ機能のあるベルト内側の液晶表示部分です。
時計のラグ幅は22㎜で、ベルト幅も22㎜、液晶表示部はスリット状のシャープなデザインです。デザイン的には満点ですね。
このwenaの魅力は、自分の好きな時計につけかえられるということで、ラグ幅18㎜、20㎜のアジャスタも用意されています。
セイコーのディフュージョンブランド「ワイアード」でもコラボモデルを限定個数で販売しましたが、人気が高くすぐになくなってしまいました。
時計本体の方も、ワイアード初のオートマティック(自動巻き)モデルだったんですね。
デザインとしての完成度は高いんですが、このモデルもラグ幅22㎜で、ベルト幅も22㎜です。
ファーストモデルのベルト幅22㎜は、腕が太い人でないと似合わない太さなんですね。
ベルト幅22㎜は人によっては太い
ロレックスがこれまで36㎜だったデイトジャストのケースを41㎜にしたデイトジャストⅡ(デイトジャスト41)でも、ベルト幅は20㎜(尾錠にかけて16㎜のデザイン)を変えていません。
ロレックスデイトジャストⅡがベルト幅を22㎜にしなかったのはやはり注意すべきポイントなんですね。
グランドセイコーでも標準は18㎜です。だから22㎜というのはけっこう太めなんです。
ついにwenaのベルト幅が20㎜に
2017年12月7日のプレスリリースに、wena最新型のベルト幅22㎜を20㎜に削減したと書いてあるんです。体積比では25%減の小型化です。これは大きな改善ポイントです。
wena™ wristの新商品、質感と高級感にこだわった「wena wrist pro」とスポーティなデザインの「wena wrist active」を発売
ベルト幅20㎜になれば、腕の太さに関わらず誰でも似合う時計になります。この2㎜は大きいのです。
液晶部にも文字情報が追加されています。ここにラインなどの文字情報が流れるわけですね。
この新型wenaの発売にあわせて、ソニーは12月7日のニュースで、オートマティックのヘッドも発表しています。この発表も大きいです。機械式のモデルを加えることで、アップルウォッチとの違いが強化されます。
出典:WB-11AS+WH-TM01/S | wena wrist
ヘッドのデザインのポイントは、フラットなサファイアガラスではなく、球面サファイアガラスの採用です。アンティークウォッチの風防はドーム形状が多いので、アコースティックな感じをうまく出しています。
ムーブメントのキャリバー(型番)は「90S5」とウェブサイトに書かれています。MIYOTA(シチズン系列)製ですね。
wenaのヘッド(時計本体)は、シチズンがつくっているということになります。
ポイントはベルト幅のデザイン処理です。
ラグ幅はこれまで通り22㎜ですが、ひとつ目のコマで22㎜から20㎜にテーパードさせています。ファーストモデルからの連続性を確保するために、ラグ幅は変えなかったんですね。バンドのみですと34880円、この時計とのセットですと88760円です。
wenaにベストマッチする時計とは
ファーストモデルのwenaはラグ幅22ミリベルト幅22ミリのストレートでした。
このベルトにマッチするヘッドは純正品を見てもわかりますように、ストレートのベルトと対比をなすように円を強調したデザインでした。
針もダイヤルと同系統の黒にするなど、コンセプチャルなデザインです。
同じヘッドで、ファーストモデルと最新型を比べてみましょう。
出典:wena wrist
左がファーストモデルのwenaでベルト幅は22㎜です。右は最新型のwenaでベルト幅は20㎜です。同じヘッドでもベルト幅が2㎜変わるだけでこんなに印象が違うんですね。
パッと見では、ファーストモデルが持っていたソニーらしいデザインとしての抽象度と純粋度はやや弱まったような感じもします。
しかし、別売りでラグ幅20㎜のアジャスタが用意されていますので、それをつけますと、ベルト幅20㎜のストレートベルトができます。
wenaがファーストモデルで目指していたデザイン傾向をつきつめれば、ラグもテーパーがつかず、ストレートな形状の方がマッチするのではないかと思いました。
ヘッドの条件としては、ラグがストレートに近い形状で、ラグ幅20ミリの時計になります。
wenaのストレートなベルトにマッチするのは、様式美を排除し平面や直線といった単純な形態だけで構成したモダニズムデザインの時計です。
デザイン的なことだけ言いますと、wenaに似たデザインのベルトを出していたポールスミスウォッチがいいのかなと思いましたが、確認してみますと、ヘッドもベルトもテーパードでした。
ポールスミスの基本はクラシックですからね。アンティークウォッチも研究しつくして、ポールスミス流の現代デザインにしています。
ちなみにポールスミスのクォーツをつくっているのはシチズン(オートマティックはスイス製)です。妙にシチズンの引力を感じますね。
あれこれ組み合わせを検討しましたが、モダニズムに徹しきったデザインということで、現在ベストと思える組み合わせはシチズンシリーズ8です。シチズンの秘蔵っ子です。
むかしはビッグデイトというもう少しメカメカしたデザインのものがあったのですが今は見当たりません。
シリーズエイトのようなラグがストレートでモダニズムのデザインがwenaにあうのではないかと思いました。
ムーブメントは、アップルウォッチシリーズ3に対抗するために、機械式がいいのですが、シチズンのエコドライブも太陽電池で止まることがありませんので、アップルウォッチの電池切れのウィークポイントをつくことができます。
問題点は、シリーズエイトのベルトは専用のように見えることです。wenaがつかない可能性が高いですね。
個人的には、シリーズエイトをオートマティックにしてベルトにも汎用性を持たせて欲しいところです。
やはりソニー純正のヘッドなのか
かなり検証しましたが、ソニーの軍門に下り、おとなしく最新型のセットメニューを買うのが正解なのかもしれません。ソーラタイプのクロノグラフもあります。光にあてますと止まりません。こちらのキャリバーはエプソンです。シチズンとセイコーの両方があるわけですね。
価格はセットで、オートマティックよりも少し安く77760円。このモデルも風防は球面サファイアガラスです。クロノグラフのダイヤル部分もシックです。
ファーストモデルほどの強烈さはありせんが、ラグ部とベルト部をテーパーさせることで、現代的なかっこいいデザインに仕上げてきています。
さらに風防を球面にしたことで、徹底したモダニズムからクラシックな要素も取り入れた現代的なデザインに舵をきったということなんでしょうね。
むかしはプラスチック製だったドーム形状の風防はパネライやオメガスピードマスターはこだわり続けていますが、材質によっては傷つきやすく、球面サファイアガラスは高価ということもあり、フラットのサファイアガラスの採用が現実的でした。
価格が下がってきたのかも知れませんが、wenaの純正ヘッドの風防で球面サファイアの採用です。
ロレックスのエクスプローラー1でも、むかしのドーム風防のモデルがめちゃ高くなってしまったように、フラットのサファイアガラスが主流の現在では、球面の風防が見る人に新鮮な印象を与えます。
傷つきにくいドーム風防の時計も現実的な価格になってきましたので、メーカーに関係なく時計を選びたい人も、チェックポイントのひとつになるかと思います。
検証しているとまたソニーに帰って来てしまうのは、ソニー製品の常ですが、なにはともあれ、ようやく最新wenaのデザイン的なアウトラインが見えてきました。
ソニー製品の本質とは
子どもの頃からこれまでに、たくさんのソニー製品を購入し使ってきましたが、最近では、発売されると同時に飛びつくように買うのはなく、よくチェックして買った方がいいと思うようになりました。
ベータ・VHS戦争のあたりからなんとなく違和感を感じはじめていましたが、スピーカー付きLED電球を発売当日に飛びついて買ったあたりでやはりよくチェックした方がいいのではないかという確信に変わりました。
この記事で、ソニーファンとしてもっともらしいことを書いていますが、実際に使って見た感想としては、スピーカー付きLED電球の音質は、あまりいいとは言えなかったのです。
ソニーの場合は、なんかカッコイイものを作って、その後で何ができるのかチェックする傾向があります。モノありきです。
ソニー創業者のひとり盛田昭夫氏がソニー製品の本質を説明しています。
その製品を手に入れたいという欲求を、人々の間に喚起させなければ、いかに優れた「製品」であっても「商品」にはなり得ない。(盛田昭夫氏)
欲しいものが欲しいのです。欲しくないものは要らないのです。
カメラ売場で、魔力のような引力を放っているα7を手にとってみたら、ズシっと重く、深みのあるいいレンズだなと思ってよく見るとツァイスと書いてあった。これは欲しい… コンタックスについていたあのツァイスですよ。買うしかない! となりますが、そこをぐっと我慢してから買うのがソニー製品購入のコツでもあります。
で、wenaに何ができるのか。これも重要です。
以下は、ソニーファンは避けて通ってもいい厳しめのチェックになります。
最新型wena rist proの機能を吟味
やはりアップルウォッチとの比較は避けて通れません。
シリーズ3です。初期はテンションの高いデザインでしたが、最近は余裕さえ感じるデザインです。ベルトがむかしなつかしマジックテープのモデルもあります。
ピンク系のカラーは女子にもよく似合うデザインです。
アップルウォッチのフェイスも球面形状をもったサファイアクリスタルのディスプレイです。
個人的には、電話やメールやSNSの通知よりも、重視してるのは電子マネー機能です。
というのも、スマホを持たずに外出することは、多々ありますが、財布と時計はたいてい持って外出します。時計に財布機能がつきますと、時計だけで外出することが出来るのです。
また、意外とあなどれないのが各社のポイントです。各社がポイント競争をはじめてしまっているため、クレジットや電子マネーを使うことで獲得できるポイントがあなどれなくなっているのです。
スマートウォッチを使えば、とりこぼしなくポイントをゲットすることができます。
まず、アップルウォッチの電子マネー機能をチェックしてみましょう。
アップルは、各社のクレジットカード、電子マネーを登録できるAppe Payです。
Apple Pay に対応しているアジア太平洋地域の銀行とカード発行元 - Apple サポート
意外だったのは、UCとアメックスに対応してないことです。
もっとも大きいポイントはSUICAに対応していることです。
電車にも乗れます。
しかし、SUICA以外は使えませんので、大阪の北部のピタパ圏域などは、ただ指をくわえて見ているだけになります。
次に、wenaの電子マネー機能をチェックしてみましょう。
厳選したという感じもしますね。
SUICAなどの交通系カードが見当たりません。見なくてもいいウイークポイントが出てきてしまいました。アップルのデバイスがないと登録しにくいということも言われています。
また、どのカードを使ってポイントをゲットするかも今後は重要になります。
ポイントゲッターとしてのスマートウォッチ
一例として、wenaもアップルウォッチも、dカードが使えます。ドコモユーザーが、dカードをdカードゴールドにしますと、ドコモ利用料金の10%がポイントバックされますので、実質上年会費の大幅割引となります。
iDは100円1ポイントですので、日常的に使うとポイントが早いペースでたまります。このdポイントはスマホ料金にも使えます。
ゴールドカードなので空港ラウンジも無料です。JALのマイルにも変えられます。
と、各社ポイントサービス競争をしていますので、財布を出さずに、手堅くポイントをゲットできるスマートウォッチは今後、重要性が高まるのではないかと思います。
series3を凌駕する最強のスマートウォッチとは
傾向だけ言いますと、wenaに交通系電子マネーが搭載されると最強になるのではないかと思います。wenaは、電池がきれても時計本体が機能していてモノとしての存在意義を失うことはありません。wenaには時計としてのサスティナビリティー(持続性)があります。
ただ、wenaが交通系電子マネーを搭載する前に、アップルウォッチがSUICA以外の交通系を搭載してしまいますと、やや厳しめになります。スピード勝負ですね。(アップルウォッチは、電池が切れても太陽光モジュールで動かす時計機能をつけますと実用性が格段にあがると思います。)
関連記事
スポンサーリンク