リコーGRなどのコンパクトデジタルカメラを旅行に持って行くべきなのか。アイフォンのカメラだけではダメなのか。
このエントリーでは、この悩ましい問題を検証したいと思う。
目次
リコーGRとアイフォンのざっくりすぎる比較
これがいわゆるリコーGR。使用感は確かに名機だと思う。
モニター上の色彩表現だけ見ると、GRよりもアイフォンのカメラの方がきれいに見えてしまう。
アイフォン5Sでそうした印象を持ち、アイフォン7でそうした印象が確実に強まった。
だから旅行もアイフォンのスマホカメラだけでいいのではないか。 素人目にはこう思ってしまう。
この疑問が本当なのかを確かめる必要がある。
画素・サイズの比較
まず、画素の比較だ。最新のリコーGRは約1620万画素と書いてある。
僕が持っているのは、GR Ⅳなので、約1000万画素である。最大解像度は3648×2736ピクセル。レンズはf1.9。
使用しているアイフォンは5Sと7で、iPhone5Sが800万画素で、iPhone7が1200万画素。iPhone7の最大解像度は4032×3024ピクセル。レンズはf1.8。
数字だけ見ると、iPone7のカメラの方がいい感じだ。
しかし、写真は数字だけでははかれない描写力や表現力がある。
見た目はアイフォンの方がいいのだが、モニターで見た小さな画像でもGRの方がしっとりして見える。
それ以外にも、カメラによって、撮れる写真が違うということが重要である。
カメラによって撮れる写真は違うのだ
プロはカメラにあまりこだわらないような気がするが、一般人はやはりカメラにこだわる。
その理由は、カメラによって撮った写真がずいぶん違うからだ。プロはおそらく腕や技術によってカバーする。
それぞれの人が、その道のプロだと思うのだが、やはり、一般から見ればこだわるようなところでも、技術を身につけているのでこだわらない部分があるのではないかと思う。いわゆる筆を選ばず的な何かである。
撮れる写真が違うので、一般人はカメラにこだわりたいわけであるが、GRだけで言えばでは、これがGRで撮った写真だというような写真が撮れたことはない。
しかし、他のカメラでは明らかに撮れる写真が違っていた。
個人的な使用歴を振り返ってみよう。
まずビッグミニだ。
コニカ ビックミニで撮れる写真例
ビッグミニはいいカメラだった。このカメラが生産を終了しなければ、おそらくこのカメラを使い続けていたと思う。
画角が広いので被写体に近寄る必要がある。
1997 カトマンズ(ネパール)
人を撮ってもうまく表情を捉えている。
1997 カトマンズ(ネパール)
自然なスナップも撮れる。
1997 バラナシ(インド)
景色もそれなりのいい色で撮れる。
1997 パトナー(インド)
微妙な諧調表現にも対応できる。
フィルムは、今はもうないがコダカラー100。ビッグミニとコダカラーの相性がものすごくよかった。
ビッグミニはアジアで使い続けるほどには、タフではなく何年か使うと故障した。生産終了していたため、1万円程度では入手できず、カメラを変えることにした。
オートフォーカスの一眼レフに興味があったので、旅行の携帯便利な小型のペンタックスにした。
ペンタックスMZ-3 + 43㎜(f1.9)で撮れる写真例
レンズは43㎜をつけている。明るさはf1.9。
28㎜が一番好きなのだが、2000年以後、旅行をしていても、(個人的な印象かもしれないが)なんとなく雰囲気が変わってしまったようなところがあり、少し被写体から離れたいと思った。50㎜では遠すぎる。35㎜はもうひとつよく分からない。で、43㎜を選んだ。
2002 ヴィンロン(ベトナム)
オートフォーカスなので動きのある写真も撮れる。
メコン河のボート上でぼーっとジャングルを見ていても、オートフォーカスなので瞬時に撮れる。
2003 ウブド(バリ)
村のお祭りのおしくらまんじゅう状態でも確実にピントを合わすことができるのが大きい。
フィルムをスキャンしたデータなので伝わりにくいが、ペンタックスの43㎜は優秀なレンズで、このレンズを使うためだけに、ペンタックスにする価値はあると思う。コダカラーとの相性はもうひとつだったので、コダックのエクタクローム100に変えた。 同じようにデジタルでも性能があがればあがるほどこのレンズの優秀さは明らかになるだろう。
PENTAX (ペンタックス) smc PENTAX-FA 43mm F1.9 Limited シルバー 標準単焦点レンズ
フィルムカメラの課題
ビッグミニもペンタックスMZ-3もフィルムのカメラで、プリントやフィルムをスキャニングしてデジタル化している。
BIGミニの写真はキャビネにプリントしたものをスキャニングしたものなので、ある程度諧調は残っている。
ペンタックスと次のライカの写真は、A4のペーパースキャナーで読み取ったものなので、読み取り性能上、どうしても諧調が飛んでしまう。
フリッカーやインスタグラムなど、ウェブで撮った写真をシェアしながら整理するのが現在主流なので、劣化のないデジタルカメラは圧倒的に有利である。
汎用品のスキャナーでは、デジタル変換する時に微妙なデータが飛んで劣化してしまうので、その辺りがフィルムの課題ではないかと思う。高性能のフィルムスキャナーは高いし、プリントをスキャンするとコストがかなりかかるだろう。
それでも、自分が旅行で見た印象を確実に残そうとする場合は、フィルムカメラを持って行くことが多い。やがてデジタルの一眼レフは買うことになるだろう。
香港とか台湾に行く場合は、のんびり写真を撮りたいので、ライカの一眼レフにモノクロフィルムを2本持って行く。フィルムはネオパンSS。
ライカR6 +ズルミックス50㎜(f1.4)で撮れる写真例
ライカの一眼レフは傍流なのであるが、レンズを通して見ると、世界が像を結んだり、ぼやけたりするのが分かる(ような気がする)ので、像が結ぶ瞬間でシャッターをきる。
2016 バードガーデン(香港)
レンズを開放にするとかなりボケる。
2016 台北(台湾)
レンズを絞ると広角レンズのように写る。
個人的な感覚では、50㎜は被写体に寄れないので、もう少し焦点距離の短いレンズが欲しいのだが、35㎜がいいのかどうかわからない。
Rの35㎜を買うかどうしようか迷っているうちに、ミラーレスブームが訪れて、安値でごろごろ放置されていたライカのRレンズがごっそりと買われてしまった。
中古カメラ屋にまたちらほらと並んできてはいるが悩ましい。意を決して買いに行くとなくなっているので同じことを繰返している。
とにかく、カメラによって撮れる写真は違う(と思う)。
リコーGRの魅力がかなり高まっている
荷物的にフィルムを持って行く余裕がない場合は、GRにしている。
しかし、今のところGRではアイフォンで撮ったような写真しか撮れていない。これは個人的な腕による。
つまりアイフォンやGRで気にいった写真を撮るのは相当難しいのだ。
写真を習ったわけでも勉強したわけでもないのであたりまえの話なのだが、カメラをかえると、自分が撮りたかった写真が撮れたりする。
だから、カメラ売り場は活況なんですね。
実はけっこうGRを使いこんでいる。レンズも一番好きな28㎜である。それなのにこのカメラをもうひとつよくわかっていない。
使い続ける何かがある。それはモノとしての価値があるということである。おそらくGRで撮ったような写真が撮れるようになるだろう。
もう少しリコーGRを勉強してみようと思う。
意外だったのは、平面的な大きさだけでは、アイフォン7の方が大きかったことだ。
アイフォン4と比べるとGRの方が大きかったが、アイフォンの大型化で、リコーGRはコンパクトで小さなカメラになっている。
GRは、ホルスターケースというベルトにつけるケースがあるので便利だ。
リコーGRは、もともとプロも愛用してきた名機であるが、今後ますます魅力が高まるのではないかと思う。
やはりGRを旅行に持って行こうと思う。
最新型のGRⅡは実勢価格で7万円程。 最新型はウェブとの相性もいい。旧モデルよりかなり進化している。解像度は4928×3264ピクセルまで拡大している(GR DIGITAL IVは3648×2736)。
RICOH デジタルカメラ GRII 175840 - Amazon
旧モデルも売っている。フィルムカメラの延長で写真を楽しむ向きには、旧モデルを買うというのもありかもしれない。
型番が若くなっているように見えるが、旧モデルのGRは、正確にはGR DIGITAL という呼び方で、GR IVではなく、GR DIGITAL IVと覚えるのがポイント。現在はGR DIGITAL IVで45000円程。
3648×2736はプリントした場合、300dpiでA4大の308.86㎜×231.65㎜、350dpiでA4小の264.74㎜×198.56㎜。A4程度のカラー印刷物であれば使える性能だ。
RICOH デジタルカメラ GR DIGITAL IV 175720 - Amazon
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