セイコーのロードマチックのブレスレットをようやくナイロンベルトにつけかえました。
このエントリーでは、時計ベルトのつけかえ方やセイコーウォッチのベルトつけかえによるカスタマイズの世界を紹介します。
目次
まず、ベルトをつけかえる時計のデザインを見てみましょう。
セイコー1969年製ロードマチックのデザイン
これがナイロンベルトでカスタマイズするセイコーのロードマチックです。
1969年製のオートマチック(自動巻き)です。いわゆる昔のセイコーの時計です。曜日が漢字なのでわかりやすいです。
グランドセイコー、キングセイコーと同種の56系という優れたムーブメントを搭載しています。セイコーはクォーツ式を1969年12月に発売しますので、丁度同じ年のモデルです。
1967年にセイコーは最上機種のグランドセイコー44GSで、直線と平面で日本の美を表現したいわゆるセイコースタイルを完成させます。
44GSです。
出典:グランドセイコーの歴史
1960年代はロレックスでも風防がドーム状にもっこりしてるモデルがありますので、現在の主流であるフェイスがフラットでシャープなデザインは、正確なところはわかりませんが、ある程度セイコーが先鞭をつけていたのではないかと思います。
では、セイコーの歴史の重みを感じながら、早速とりかえてみましょう。
ナイロンベルトでカスタマイズする
アマゾンでポチったナイロンベルトです。
ロードマチックのベルト幅はものさしで計りますと18㎜でしたので、時計本体にあったベルト幅を選ぶのがポイントです。16㎜ぐらいから各サイズ揃っています。
袋から出してみましょう。
袋に入っていたのは、ナイロンベルト本体とバネ棒外しと予備のバネ棒と説明書です。
バネ棒外しが入っている製品を買うと手っとり早いです。
ただ、バネ棒外しもピンからキリまであり、1000円ぐらいの高級品の方が作業効率はよいのではないかと思います。
まずは、バネ棒を外す原理を確認してみましょう。
時計本体にバネ棒の頭が見えるタイプと隠れているタイプがありますが、基本的には同じ原理です。
バネ棒を上下に並べていますが、下は1969年製ロードマチックに付属していたバネ棒で、上はアマゾンでポチったナイロンベルトについていた付属のバネ棒です。
バネ棒の構造自体は50年以上経っても変わっていません。
上画像の赤丸の部分がさやのようになっていまして、バネ仕掛けでヘコヘコ伸縮しますので、青矢印で指した部分に、バネ棒外しを引っ掛けて押してやれば、スカッと外れます。
サイドにバネ棒の頭が出ているタイプはバネ棒外しには二股と針がついたタイプがありますので針の方でサイドから押しこんでやれば外せます。
[ベルジョン]BERGEON 時計用工具 ばね棒外 6767-F (細)
ではやってみましょう。
時計を裏返します。表からやりますと、バネ棒外しで時計を傷つけてしまうおそれがありますので、手元がくるっても傷が目立たない裏で作業するのがポイントです。
時計のタイプにもよりますが、サイドにバネ棒が見えているすきまがありますので、そこにバネ棒外しを突っ込んで、バネ棒の引っ掛けに当てて押し下げます。
ここは細かい作業なので、場合によっては時間がかかります。ロードマチックの場合は、金属のプレート金具をぐいと押しあければわりと簡単に外せますが、赤丸の穴から挑戦してみました。
両方で30分ほどかかりました。バネ棒が錆びている場合もあるみたいで、そうした場合は時計屋さんに持っていきましょう。
気長にやってますと、ようやく外れました。
2本目のバネ棒が動きにくく、つい力を入れすぎて、バネ棒をねじ曲げてしまいました。ナイロンベルトには、バネ棒の予備もついているため安心です。
ナイロンベルトをつける前に、ケースの裏も確認してみましょう。セイコーの場合は、製造番号でいつつくられたかがわかるのです。
中央付近の5606-7050がモデル型番で、下の910400が製造番号です。
製造番号の最初の9がつくられた年で、次の1がつくられた月(10月-O、11月-N、12月-D)を示しています。400が製造番号です。
つくられた年は、1969年か1979年ですが、ロードマチックは1970年代には彫刻的なデザインになっていますので、この平面的なモデルは1960年代です。型番をネットで検索することでもわかります。
時計の裏側は肌に直接接触しますので時計にとってハードな条件であり、溝に錆が浮いています。しかし密閉状態は保たれ時計内部には入っていません。それは、50年近く経過しても文字盤が真っ白な状態を保っていることからわかります。
やはり日本のものづくりはすごいんですね。
ロードマチックはヤフオクで2000円程度で落とせるモデルでしたが程度のいいものは現在やや値上がりしています。文字盤がきれいな品がけっこうあります。ヤフオクは、むかしのグランドセイコーやオメガコンストレーションなど次々と欲しいものが出てきますので見てて面白いです。きりがないので見ない方がよいということも考えられます。
では、ベルトをつけてみましょう。
ナイロンベルトには、シンプルにベルトを通すタイプと、一度ひっかけるタイプがあります。これは一度ひっかけるタイプです。一度ひっかけるタイプはヴォリュームがでます。
ナイロンベルトと説明書を並べます。
新たなバネ棒を装着したロードマチックも並べます。
説明書通りにベルトを通します。
サブのベルトにメインのベルトを通します。
完成です。
このモデルの金属ケースは、見方によってはハミルトンが1970年代に英国ロイヤルエアフォースにおさめたモデルにも似ていますので、ナイロンベルトが似合うデザインなんですね。
オリジナルのベルトと並べてみましょう。
オリジナルの金属ブレスレットは高度経済成長時代の熱気を受け止めるようなメッシュ風にデザインされています。現在は、少子化高齢化かつ人口減少時代に突入していますので、時代状況的に若干違和感があり、ナイロンベルトに換えることにしました。
ダブルのナイロンベルトなので巻いた時もヴォリュームがでます。あまったベルトはわっかに留めます。
ナイロンベルトの種類も見てみましょう。
ナイロンベルトの種類:NATOとリボン
ナイロンベルトには、一色のシンプルな軍仕様のNATOベルトとストライプのリボンベルトがあります。
ナイロンベルトはもともとがミリタリー仕様ですので、単色のものは、どうしてもミリタリーっぽくなります。ただ、カーゴパンツやベイカーパンツ、M-65フィールドジャケットなどミリタリーっぽい仕様はファッションにも取り入れられていますので、違和感なくあわせることができます。
雑誌ポパイでも時計を特集していましたので少し見てみましょう。
まず、ミリタリーウォッチです。
写真の一番下の中央にハミルトンのロイヤルエアフォースがありますが、ケースが1969年製のセイコーロードマチックに少し似てますよね。
ロードマチックにつけかえたのはこのベルトのグレーです。ひじょうに多くのメーカーがこのタイプのNATOベルトをつくっています。
RADON NATO ベルト 18mm 時計バンド ナトータイプ ナイロンストラップ [17カラー] (ブルー/ピンク/白)
単色はミリタリーっぽいから嫌という人には、リボンベルトがあります。基本的には、ナイロンベルトをストライプでデザインしたものです。
アンティークウォッチとリボンベルトの組合せです。
ファッションによっては、リボンタイプの方がお洒落に見えます。
スマート・ターンアウトのものが有名です。(グレーのストライプはNATOタイプ)
SMART TURNOUT スマートターンアウト ナイロンベルト NATO ベルト ミリタリー 腕時計 取替 ベルト 18mm NATO
ポパイの特集「古着と時計」には様々なむかしの時計が紹介されて、セイコーは、電子的なギーク時計としてたくさん登場しています。
ただ、この雑誌ではグランドセイコーやロードマチックなどのセイコーのむかしの自動巻き時計が出てこないことが気になりました。
このエントリーでは、ロードマチックの56系ムーブメントにはあまり触れていませんが、セイコーは現在でも、オートマティック(自動巻き)のムーブメントをつくり続けています。
ハイビートのラインは生き続けているわけです。
その辺りも少し見てみましょう。
セイコー現行のオートマティック:GSなど
グランドセイコーは現在、オートマチック(自動巻き)、クォーツとスプリングドライブという機械とクォーツのハイブリッドの3種類のムーブメントがあります。
3種類のムーブメントを出している理由はそれぞれの良さがあるからであり、それぞれのムーブメントで精巧さを極限まで追求しています。
ムーブメントの優秀さは多く語られていますので、グランドセイコーが現在に至るまでデザインの時間軸が貫かれているかチェックしてみましょう。
セイコーが1967年に確立した「セイコースタイル」のデザイン要素です。
現行品の代表的なモデルを見てみましょう。
2017年発売のグランドセイコーSBGR251(オートマティック)です。
8つのデザイン要素は確かに取り入れられ、時間軸が貫かれていました。
シルバーの文字盤がいいですね。2017年から、文字盤からSEIKOの文字が消えています。グランドセイコーのファーストモデルは確かにSEIKOの文字はありません。セカンドにはSEIKOの文字はあります。
セイコー グランドセイコーメカニカル SBGR251 - Amazon
グランドセイコーからSEIKOの文字が消えたことの是非は別として、個人的には、ファーストモデルから続くデザインの一貫性が重要ではないかと思いました。確かにデザインとして時間軸が貫かれていますね。
しかし、このグランドセイコーはアマゾンで買っても30万円以上します。
もう少し安い機械式のセイコーはないのでしょうか。
SARB033という定価45000円のモデルがあります。
出典:メカニカル SARB033の製品詳細|セイコーウオッチ
プアマンズグランドセイコーという呼ばれ方もされることがありますが、これもあまりにも評価が高いためにこうした呼ばれ方をされるわけですね。
アマゾンでは159件もレビューがついていますので、ある意味かなり支持されているようです。裏もスケルトン仕様です。文字盤が白のタイプもあります。
[セイコー]SEIKO 腕時計 MECHANICAL メカニカル SARB033 メンズ
もっと現実的にカスタマイズできるオートマティックはないのか
ヤフオクなどで落としたアンティークはオーバーホールが必要など実際の使用では現実的でない面もあります。
グランドセイコーを買っていきなり好みのベルトにつけかえるのも何か違うような気がします。SARB033も、実勢価格は35000円程といえ、デザインが完成されつくした感もあり、これもいきなりベルトを換えてカスタマイズするというのも気がひけます。
セイコーはもう汎用性のあるオートマティック(1~3万円)をもう出していないのでしょうか。
セイコー5がありますよね。セイコーが1960年代から発売していて、現在は海外向けに販売しているモデルです。しかも海外で大人気です。
しかし、このセイコー5は逆輸入というかたちで日本でも買えます。
高価な時計はどうしてもオラオラしたところがあり、TPOを選びますので、セイコー5のカスタマイズが現実的になります。
文字盤に書いてあるSEIKO5の時間軸を貫く爽やかさが、個人的な好みでカスタマイズしてても嫌味にならないんですね。
セイコー5のカスタマイズの世界は、あれこれ語るのもなんですので、その世界の一端を軽く覗く程度に留めたいと思います。
素晴らしきSEIKO5ワールドへ
ナバーまとめで、ナイロンベルトや革ベルトでカスタマイズされたSEIKO5がこれでもか、これでもかというぐらい紹介されています。
【コスパ最強】機械式腕時計”SEIKO5”【セイコー5】 - NAVER まとめ
SEIKO 5は、アマゾンでも、ヨドバシ(店舗にもSEIKO5コーナー)でも、楽天でも検索すれば、1万円以下から2万円ほどでやまほど出てくると思います。
デザインも豊富なので好みのモデルをじっくり選べるという贅沢もあります。
ちらっと見ても、こんなモデルが7900円です。機械式です。
セイコー 腕時計 SEIKO 5 自動巻き 海外モデル SNK357K1 - Amazon
龍頭の位置を3時の位置からズラすのは、オートマチックを強調するむかしのグランドセイコーでもやっていたデザインです。
このモデルにも95件のレビューがついていて、ベルトつけかえ方法のアドバイスまであります。このモデルは同時に革ベルトも同時購入されているのでかなりカスタマイズされています。セイコー5はやはり「5」のロゴが効いています。文字盤は黒ではなく黒に近い深いブルーのようです。下地に入っている「5」柄が気にならなければお買い得の時計ですね。
SEIKO5は本体にヴォリュームがありますので、革ベルトも似合う感じです。
SEIKO5は種類も豊富ですし、ベルトも豊富に選べますので、適度な価格で、人と被ることのないカスタマイズが可能になるかと思います。
SEIKO5も基本的には、自動巻きのメカニズムが見える裏スケルトンになっていますので、ほぼ間違いなくコスパ最強のカスタマイズになります。
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