香港B級グルメ12連発の前半を書いた後で台湾に行った。
久しぶりの台湾は強すぎる親日ぶりも薄れ居心地が良かった。台湾よりも香港派だったのだが今では台湾からの引力を強く感じる。
その後は日本をぶらぶらしていた。山陽のロープウェーには3ヶ所も乗ったぐらいだ。宮島と尾道と岩国だ。有馬温泉に行った時も、散歩がてらに六甲ロープウェーの乗り場に行き、危ういバランスを保ちながら青い空にゴンドラが登って行くのをいつまでも眺めた。
自分にとって香港とは何だったのか。数えきれぬほど行った沖縄もそう思う。だからこの後半は香港のディテールやフィーリングを思い出す作業になるだろう。
香港には苦みがある。記憶を変化させるような苦み。香港の下町に行くと、漢方系のお茶がスタンドで売っている。苦く甘い茶だ。
海天堂
街角でいかにもという感じの漢方茶が売っている。素通りしてもいいのだが、身体に良さそうなので飲んでしまう。
店は海天堂。亀ゼリーが有名ですね。
こんな感じの漢方茶。五花茶と書いているのでそんな感じの名前なのだろう。
以下のブログによると、いろいろと種類はあるのだがまとめて涼茶というらしい。
涼茶舗で涼茶を飲もう!~オススメ涼茶5種 *追記あり | 香港ウンチク話
手当たりしだいに飲むというよりも、自分の症状にあわせて飲むらしい。そうなのか。
この涼茶の世界、かなり奥が深いようである。
スタンドみたいなのもあるからこの辺りからステップアップするのもいいかも知れない。
涼茶を飲むと口の中が苦くなるので甘いものが欲しくなる。許留山という看板が目に入る。台湾だと思慕昔(スムーシー)に当たるのだろう。
許留山(ホイラウサン)
マクドナルドもそうだが黄と赤の看板は人の味覚に強くアピールする。
マンゴーを使ったスイーツ。台湾の漢方系スイーツが好きなので、これはこんなものだろうという感じ。普通においしい。
下町をぶらぶらしていると、また許留山の看板が見えた。
もう一杯ぐらいいけそうだがスルーだ。
ここいらで飲茶も食べなくてはならない。飲茶は敷居が高いところもあれば下町すぎることもある。B級グルメばかりなので少しレベルを上げてもいいだろう。
名都酒樓 (メントウザウラウ)
どこの飲茶に行くか迷うところだが、敷居が高すぎるのも窮屈だし、下町すぎるのも圧倒されそうだ。名都酒店はデパートの食堂のような大箱なので、わりとリラックスできる。もっとも味が日本人好みだということがある。
名都酒樓は、高層ビルが林立するセントラル駅前のビルの中にある。
駅前のビルの中にある。
席はだいたいこんな感じでセットしてある。
席につくと店の人がまずお茶の注文をとりにきてくれる。頼んだのはポーレイ茶。これもいろんな種類がある。ポーレイ茶はほうじ茶に近い感じなのかな。
店がひろいので発見されない場合もあるのでその時はアピールしよう。実際そうしてる現地の人を見た。日本人はわりとぼーっとしてるみたいなのでかえって発見されやすいようだ。
お茶が来ると、ワゴンに載せられた飲茶が来るのを待つ。椅子の陰になってしまって見えないがせいろが積んでいるのがワゴンである。きたきた。
せいろを開けてくれたり、自分で覗いたりして、選ぶ。はじめのワゴンでもう3つも取ってしまった。
はじめの3品をひとつひとつ見て行こう。
これは粉菓ですね。いろいろな野菜が入ったヘルシーな点心。
これはえび蒸し餃子ですね。
これは腸粉(チョウファン)。ワンタンのような皮に具が入っている。見た目よりもはるかにおいしい。皮が腸に似ているからということでホルモンとは関係がない。
これは豚まん。チャーシューパオッ! チャーシューパオッ!とワゴンのおばさんの気合が感じられたので取ってみた。
これもおいしい。皮も餡もよく出来ている。ただ庶民的な台湾の豚まんの方が個人的には好きである。
これはきゅうり。冷たいものはガラスケースのワゴンに載せられてやってくる。他に高級な点心を載せたワゴンやデザートのワゴンもある。
これはおこわ。
おこわも手間がかかっている。具にコクがある。
大きな店内の真中にオープンキッチンがあって、そこでもいろいろな点心や料理をつくっている。野菜が足りないのでとりに行った。
ワンタン麺屋さんにあるアレである。柔らかくて慣れるとおいしい。
飲茶を取るとテーブルに置いてある伝票にスタンプを押してくれる。7品とお茶で337香港ドル(約4500円)。これは取りすぎなので、普通は3000円程度ではなかろうか。
ここは、聘珍樓の系列なので味はそこそこおいしい。こんなにたくさん食べておいてそこそこというのもなんではあるが。だけどここはリピートしたい店だと思っている。
そうだ。香港では粥も食べなくてはいけない。近くの粥店でよしとしよう。粥にも粥の深い世界があるようだがそれほどこだわりはない。
洪利粥店茶餐廳
ピータンと豚モツが入った粥だったと思う。ピータンと豚肉のが食べやすいだろう。
写真にレシートが写っていて店が特定できた。40香港ドルと書かれているから、これを書いている10月26日で、537円である。香港は物価が高いということもあるが、入っている具によって値段もかわる。
妹記生滾粥品という店で食べたかったのだが、ホテルで昼まで寝てることが多いのでいつ行っても閉まっていた。
エクスペディアのお粥3選には、この店も妹記生滾粥品も選ばれていた。ちなみに妹記生滾粥品は、路面店ではなく牧市公設市場みたいなビルに入っている。
香港の朝はお粥から!朝食におすすめのお粥やさん3選|エクスペディア
珍心素食 豆漿・豆腐花專門店
豆腐花(ダウフファ)である。ヘルシーである。この豆腐花も粥同様、奥深い世界である。
体質的にアルカリ食材を多く摂取しないとダメなのでこういうものをこまめに探して食べる。シロップをかけるのがスタンダードだと思うが健康のためなのでプレーンを食べる。
香港の麺粥店で初めてミシュランの1つ星を獲得した何洪記の支店が香港空港のビルにある。最後にここで反省も含めつつ香港B級グルメを締めて日本に帰りたい。
何洪記(ホーハンゲイ)
頼んだのはシンガポール・ビーフン。カレー味のビーフンである。
香港のB級グルメに飽きて、違うものが食べたくなっていたのであった。
さすが名店。ビーフンの炒めもぬかりない。
何洪記粥麺専家 エアポート店[ホー・ホン・ゲイ] | 香港ナビ
なぜシンガポール・ビーフンを頼んだかというと、香港B級グルメに飽きていたのである。台湾B級グルメの奥深さが脳裏をちらついて消えないというのもある。
しかし、香港のワンタン麺と台湾の牛肉麺のどちらを食べたいかと聞かれれば、香港のワンタン麺と答えるだろう。
また近いうち、やたら塩からいだけのワンタン麺を食べるだろう。強いエビアレルギーなんではあるが。ほぼ沖縄のソーキそばと同じだけの記憶のディテールとフィーリングが香港のワンタン麺にはある。
たぶん九龍の下町でいわくつきの段ボールワンタン麺を食べたことがあったと思う。ものすごく安かったので大喜びで食べたと思う。中国から香港に入り人民元しか持ってなかったので食べられば何でも良いと思ったんじゃないかと思う。
12連発(その1)
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