読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

アーキペラゴを探して

archipelago - 群島、島嶼、多島海、そのニュース。 脱領域への考察と情報

ぼくたちが知りたい海外ミニマリストのマネー哲学

ミニマリスト

ミニマリストはお金についてどう考えているのでしょうか。ミニマリズム(最小限主義)だから、お金も必要最小限あればいいと考えているのでしょうか? 

支えあう時代のマネー哲学

2017年4月に消費税は現在の8%から10%にアップします。このまま円安傾向が続き、原油価格が上昇トレンドに入るようなことがありますと、節約や倹約を意識した暮らしになるのではと思います。

消費税でおたがいが支えあう時代。更なる増税も不可避と言われています。そんな時でもポジティブに生きるには、ミニマリストのマネー哲学が参考になるかもしれません。彼らがどのようなマネー哲学を持ち、豊な生活を実現しているのか少し耳を傾けてみたいと思いました。

 内容によって、ベーシック編、アドバンス編、エクストリーム編の三つのテーマに分けました。5人のマネー哲学を紹介しています。各ミニマリストのプロフィールについては前エントリー参照

まずは、ベーシック編から。  

 

A.ミニマリストのマネー哲学:ベーシック編

実はロックな乗りだったザ・ミニマリスト。そのアコギなマネー哲学。

 

1.ザ・ミニマリスト (The Minimalists)のマネー哲学 

ジョシュア

 出典元:About Joshua & Ryan - The Minimalists

ミニマリストはお金にアレルギー反応を示すわけでもないさ

 

初期の著作『minimalism 〜30歳からはじめるミニマル・ライフ』からお金に関する考え方を引用。

 

僕はミニマリストであってコミュニストではない。それにミニマリストはお金にアレルギー反応を示すわけでもない。

有意義な人生を送ることと、お金を幾ら稼ぐかということはまったく関係ないことだ。

 

ミニマリストだからと言って、お金に嫌悪感を示すわけでもないようです。ブログに「ミニマリストのお金についての考え」というエントリーを掲載しています。

ザ・ミニマリストのブログはユニットであるジョシュアとライアンが交互に記事をアップしています。今後、日本のブログでも流行りそうな(流行っている?)スタイルですね。この記事はジョシュアの文章ですので、トップはジョシュアの写真にしています。

このエントリーは、最新刊「ESSENTIAL(英語版)」でも読めるそうで、ザ・ミニマリストのお金に対する基本的な考え方と言えそうです。原タイトルは、A Minimalist's Thoughts On Money。「ミニマリストのマネー哲学」と訳したいところですが、ちょっと事情が違うようですので軽い感じにしました。

 

ミニマリストのお金についての考え

お金についての考えはもう改めたよ。

お金は人生で何よりも大事なものと思ってきたさ。だから金を稼ぐためにはいろんなものを犠牲にしたよ。お金を稼ごうと思えば思うほど健康や廻りの人たちとの関係も損なっていったよ。それほどドル紙幣が重要だったってことかな。

ジョン・メイヤーも歌ってるだろ。ショッピングモールなんかじゃオレの渇きは癒せないってことを。

若いころから金のことばかり考えて来たよ。19の頃は働きづめで、一年には5万ドル稼いでたな。オハイオの貧乏なガキにしては良く稼いだだろ。おふくろの稼ぎなんかよりはるかに多いんだからさ。どうなってんだよ。だけど問題はそこじゃないんだ。オレは5万ドル入れば、6万ドル使ったし、6万5千ドル稼げば、8万ドル使ってしまっていたんだ。稼ぐより、多く使ってしまっていたということなんだ。それから、会社で働くようになって、出世もして、一年に362日働いたさ。年収も6桁(1000万円以上)だったよ。いい感じだろ? でもね、稼ぐより多くのお金を使ってたんだ。

結構な額の収入があったのに、借金をして、いつも不安で不満だったよ。お金に対する欲と憎しみ(使うことの喜びと充分に持てないことの腹立ち)の不満で爆発寸前だった。

馬鹿って言ってくれよ! オレってやつはまったくの大馬鹿野郎だぜ。稼いだお金を浪費することはそんなに馬鹿じゃないんだよ。お金に価値を置きすぎたことが愚かだったんだ。自分の大切な時間や自由を、奴隷みたいに、緑色のドル紙幣のために差し出したってわけさ。

それがお金を重要視しなくなると変わってしまったんだな。家を借りたり、食料を買ったり、車のガソリンや健康保険のお金はいるさ。だけど、クソみたいなものを買うためにガムシャラに働く必要はないってことさ。

ミニマリスムのおかげで生活から余計なものを取り除くことができたよ!より本質的なものへフォーカスできるってわけさ。オレ、今、31才。正直、19の時より稼いでないよ。だけど、借金はないし、生きるのにしんどいってわけじゃない。最も重要なのは、オレが今、ハッピーってことさ。

今では、お金を使う前にこう自分に問いかけるんだ。これはオレのフリーダム(自由)にみあうだけの価値はあるのか?

このコーヒーを飲むためにオレのフリーダム2ドル分の時間を犠牲にして働く価値はあるのか?
このシャツを着るためにオレのフリーダム30ドル分の時間を犠牲にして働く価値はあるのか?
この車に乗るためにオレのフリーダム2万ドル分の時間を犠牲にして働く価値はあるのか?

こう言ってもいい。買おうとするものからオレは多くの価値をひきだせるのか? これを買うことでフリーダムをもっと存分に味わえるのか?
あなたもそう自分に問いかけてみないか?

最近、お金が生活でとても大きな価値をなしているということがわかったんだ。屋根があるところで寝てるし、本や音楽を買ったりするのも楽しい。服があるから暖かいし、映画やコンサートをみんなでシェアする経験も意義深いものだね。親友とちょっとお茶を飲んだりするのは、ショッピングモールに行くことなんかより、はるかに意味あることなんだ。

もうお金を浪費することはないよ。お金を際限なく追い求めることは重要じゃないしね。

( 原文:A Minimalist's Thoughts On Money - The Minimalists )  

 

自虐的なトーンから始まり、ロックンロールに転調させるストレートなエントリー。ざっくばらんな語り口が人気があるのもうなずけます。メッセージ的にはお金に対する考え方の懺悔と気づきという感じです。

訳すのが難しく、間違っているかもしれない箇所(たくさん!)があります。フリーダムのくだりです。リバティ(自由)の概念は日本にありますけど、フリーダム(自由)の概念は日本にはないと思いますので、もうひとつピンとこないんですね。

むかし佐野元春がヤングブラッドという歌で「鋼鉄のようなウィスダム 輝き続けるフリーダム」と歌っています。フリーダムは太陽のようにそこに燦然としてある自由のことなんです。佐野元春にはウィスダムとフリーダムが何なのか見えています。欧米人は、働くということは、自分のフリーダムの何時間かを犠牲にしてお金を得るという発想があるんだと思うんです。だから1時間働いて10ドル得たらならば、その10ドルには1時間分のフリーダムの価値があるわけです。このお金を使うことでお金にみあっただけのフリーダムが感じられるのかぐらいの理解でいいのではないかと思います。

余談になりますが、文中にジョン・メイヤーの“Something’s Missing”(2008年)が引用されています。ザ・ミニマリストのマネー哲学は、この歌の感じです。アメリカのミニマリストは物質文明から離れるぐらいの意味かも知れません。 

John Mayer - Something's Missing - YouTube

 

ジョン・メイヤーのけだるいアメリカン・ロックにいつまでもひたっていたいような気もしますが、次行きましょう。次はジョシュア・ベッカーさん。トップ・ミニマリストらしいカジュアルなマネー哲学です。

 

2.ジョシュア・ベッカー (Joshua Becker)のマネー哲学 

ジョシュア・ベッカー

出典元:http://www.becomingminimalist.com/about-us/

お金じゃなくてどれだけ良いことをしたかだろ?

 

ジョシュア・ベッカーさんは「もうときめかない8つのもの」というエントリーの中で、銀行に預けてあるお金をもうときめかないもののひとつにあげています。*1

成功したかどうかはどれだけ資産を持っているかというのが昔からの考え方なんだけども、僕はそれは間違った目安じゃないかと思いはじめてるんだ。預金通帳に書かれた数字が成功をうまく表現しているとは思えないね。日々の暮らしでどれだけ良いことをしたかなんてどう? それが本当の成功の目安じゃないのかな。

 

牧師さんのミニマリストだけあって説得力があります。良いことというのは、いわゆる「善」ですね。欧米は善悪の概念が強く、「善」が概念として確立されていますので、それを前面にぐぅーっと出してきたわけです。
仏教的な考え方でも善行為と悪行為ははっきりと分けられていますから、仏教に馴染みのある方は理解しやすいでしょう。

しかし、西洋の考え方と東洋の考え方の間でぬるーっとしてるのが普通の日本人ですから、こうした抽象的な表現は、頭では理解しても、腑に落ちるレベルの理解にまでは行かないような気がします。
具体的なエントリーを探してみました。

また「お金がストレスにならない9つの真実」というエントリーも書いています。
項目だけみてみましょう。

 

お金がストレスにならない9つの真実

1.お金って考えてるほど要らないものだよ

2.お金では幸せになれないと思うな

3.お金は「あなた」であることの到達点にはならない

4.お金があっても何かと問題だよ

5.金持ちになりたいってだけで疲弊しちゃうんじゃない?

6.やりくりするのが楽しいんだ

7.気前よくあげてしまうのもいいよね

8.財産のセキュリティに一生懸命ってどのうなの

9.お金って本質的にはツールだよね

さあ、お金についての考えを変えてみようよ。流されない生き方を楽しみましょう。

( 原文:9 Stress-Reducing Truths About Money )

 

この中では、3が説得力がありますね。原文は、Money is not the greatest goal of your work。仕事の最高の到達点がお金ってわけじゃないだろみたいな意味だと思うんですが、かなり拡大解釈してみました。

基本的には、お金ってそんなにいいものじゃないと思うよというのが、ジョシュア・ベッカーさんのマネー哲学のようです。

  

3.タミー・ストローベル(Tammy Strobel)のマネー哲学 

Conversation break - on stage host, Tammy Strobelflic.kr

 大事なのはお金より経験よ

 

タイニーハウスというひじょうに小さな家に住むタミー・ストローベルさん。彼女は「RowdyKittens — go small, think big & be happy」という人気ミニマリストブログを運営しています。サブタイトルは「スモール・ウェイでビッグに幸せに生きろ」です。

基本的には、お金より経験といった考えをしています。そうした考えは、彼女の母親を通して学んだようです。著作『スマートサイジング』にはそうしたエピソードが書かれています。

最近はどんな考え方をしているでしょうか。
幸福が訪れる6つのお金の使い方というエントリーがありましたので少し見てみましょう。

 

幸福が訪れる6つのお金の使い方 

1.モノより経験を買え

2.他人を助けろ

3.こまごまとしたものより、大きな歓びを買え

4.支払ってから使え(カード払いするな)

5.考えてもみなかった使い方を考えよう

6.多くの人に聞いてみよう

( 原文:6 Ways Money Can Buy Happiness — go small, think big & be happy )

 

経験によって導きだされた原則のような感じもします。この中で特徴的なのは、5ですね。これは、例えば家の購入だったら今考えているような家ではなくて、タニーさんが住んでいるようなタイニーハウスに住むことも考えてみたらということです。こうした固定観念にとらわれない発想は重要ですね。

 

TIPS:なぜ海外ミニマリストのマネー哲学は普通に見えるのか

ベーシック編。あれっ? これってわりとノーマルな考え方なのでは? わたしもそう思いました。古き良き常識的な日本人の考えに近いのではないかと思います。ただ大量消費文明に慣れきったアメリカ人には新鮮な考え方なんですね。 
ザ・ミニマリストが大きな影響を受けたレオ・バボータのブログタイトルが「禅の習慣」であるように、ミニマリストの資質は多くの日本人に備わっているのではないかと思います。アメリカ人にはラディカルな考え方に見えても、日本人には常識に近い考え方に見えてしまうんですね。
そうした意味では、日本には潜在的ミニマリストはたくさんいますので、日本のミニマリストは生まれながらにして、注目を浴びてしまう宿命を持っていたのかもしれません。

 

次の方は、ミニマリストではありませんが、ミニマリストが参考にすることの多いドミニク・ローホーさん。お金そのもののイメージを捉えなおすことに迫っています。ドミニックさんのマネー哲学はおすすめです。

 

 

B.ミニマリストのマネー哲学:アドバンス編

 アドバンス編はやはりこの人、ドミニック・ローホーさん。

 

4.ドミニック・ローホー(Dominique Loreau)のマネー哲学

ドミニック・ローホー

 お金はエネルギーよ

 

 重要なところですので、著作『シンプルに生きる』からの引用です。

 

お金が自分にとっていかに大切なものか、お金から自分がいかに影響を受けているか、もっと意識して考えてみる必要があるのではないでしょうか。
お金はパワーであり、エネルギーです。わたしたちの人生を築いていくための力です。けれども、本当に適切なお金の使い方ができているでしょうか?
お金は、わたしたちが衝動をうまくコントロールできず、冷静さを欠いてしまうと、取り逃がしてしまうエネルギーでもあります。
価値のないものにお金を浪費すると、このエネルギーを失うことになるのです。
お金はある意味、ものと同じです。上手につきあわなければ、わたしたちのほうが、支配される側になってしまいます。
自分はどのぐらいのお金を必要としているのか?
自分らしい、身の丈に合ったお金の使い方ができているだろうか?
ときどき、自分にこういう疑問を投げかけてみましょう。 (P98-99)

 

お金はエネルギーという考え方をされています。これはかなり広い意味で使っているのだと思いますが、狭い意味で解釈してみました。

 

お金はただのエネルギー

お金は電気や水やガスと同じようなエネルギーという考え方ができると思います。電気、水、ガス、お金。ですから大切に使いましょうと。解釈が入れていますが、このマネー哲学は気に入りました。
この考え方を少し展開してみましょう。例えば、電気や水やガスをたくさん持つことは必要ないばかりか危険なんですね。同じことがお金にも言えます。たくさんのお金を持つことや欲しがることは危険なんです。たくさん使う人は持っても安全です。
つまり、電気、ガス、水と同じようにお金にも接すればいいということです。その人の使用量にあわせて持つ。これがミニマリストとお金の関係のひとつの在り方。

また、お金はエネルギーなのですから、お金がないならないで違う方法を考えるのでしょう。電気がなければ太陽光発電のように。お金がなければ生きていけませんが、かならずしも生きていけないというわけではないようです。お金がなくても、物々交換や完全自給自足などほかの代替エネルギーがあります。最も便利なのがお金なので、やはりお金を使うというわけです。

 

 ダニエル、もうお金使わないってよ

それでも、なかにはお金を使わないという選択をした人もいるようです。 トップ・ミニマリストのジョシュアさんが最近関心を持っているダニエル・スエロさんです。

 

 

C.ミニマリストのマネー哲学:エクストリーム編

 ジョシュアさんが、2015年にダニエルさんにインタビューした記事をアップしています。冒頭にダニエルさんの言葉を引用しています。

“Money only exists if two or more people believe it exists.” – Daniel Suelo *2

( キミとボクがあると思えばお金ってあるんじゃないの ) 

この金融システムの根幹を揺るがすような発言。ダニエルさんはいったい何を言っているんだ!?

  

5.ダニエル・スエロ(Daniel Suelo)のマネー哲学 

ダニエル・スエロ

出典元:The Man Who Quit Money: An Interview with Daniel Suelo

ゼロ・マネーで豊かに暮らすことは可能さ

 

お金なしで生きている人の実例です。15年、ゼロ・マネーで暮らしている筋金入りです。

ダニエルさんは、2000年にお金を使うことをやめました。お金を持っていませんので、現在は洞窟で暮らしています。その暮らしぶりをブログで発信したところ、たちまち話題となり、多くのメディアで紹介されることとなり、ファンもたくさんできました。こうした生活のきっかけとなったのがインド旅行で物質文明に疑問を持ったことだということです。

 では、お金がないのにダニエルさんはどのように暮らしているのでしょうか?

ダニエルさんの哲学です。

 “My philosophy is to use only what is freely given or discarded and what is already present and already running.”

 (ただで貰ったものや、捨てられていたものや、あるものだけで暮らしてるよ

 

捨てられていたものとしては、高速道路でひかれてしまった動物も含まれるようです。BBCでダニエルさんを紹介した動画です。ダニエルさんの本を書いた人が紹介しています。

 

www.youtube.com

 

ミニマリストであるジョシュアさんはダニエルさんのマネー哲学をどう見たのでしょうか。ひたすらダニエルさんの話す内容を聞いているという感じです。ミニマリストとしてお金のない生活からどのような示唆やインスピレーションやパースペクティブが得られるのかを考えているのでしょう。ジョシュアさんはダニエルさんの生活を他の人がどう思うか知りたいようです。ブログのコメント欄を通じて意見を求めています。292のコメントが集まりました。 

The Man Who Quit Money: An Interview with Daniel Suelo

 

ダニエルさんのお金を使わない暮しについては、税金を払わないで社会のインフラにフリーライドしているのではといった批判もあるようです。フリーランチにしたって本当は誰かがそのお金を払ってるんだよ! ということです。

 

ダニエル・スエロさんについて書かれた日本の本です。アマゾン・レビューが2件あり、ぱっくり意見が分かれています。 

スエロは洞窟で暮らすことにした

スエロは洞窟で暮らすことにした

 

 

公式ブログです。

Living Without Money

Moneyless World - Free World - Priceless World

 

お金を使わない系では『ぼくはお金を使わずに生きることにした』のマークボイルさんが有名ですが、この人は、環境を考えたアグレッシブな自給自足生活なので、スエロさんとはアプローチが違うんですね。2008年にお金を使わずに生きることにしました。貨幣システムに対して疑問を抱くというのは同じですけれども、こちらある意味実験なので好評価です。アマゾン・レビューは33件。 

 

 

ミニマリストやライフ・エヴァンジェリストのマネー哲学に何か新しい気づきを得られましたでしょうか。

こうなりますと、仏教でのお金の見方も見てみたい気もしますが、長くなりましたのでまたの機会にしましょう。わたしもそうした見方に挑戦したことがありましたが、お金がただの紙と金属にしか見えなくなるのではないかと思います。お金の大切さや価値がわかりながらも、そう見えるのが理想ではないかと個人的には考えています。

 

 ミニマリスト関連記事  

archipelago.mayuhama.com

 ユニクロの活用術です。

 

archipelago.mayuhama.com

 

スポンサーリンク