2月5日、桜島が噴火した。
ニュースで見て桜島はやはり噴火するのかと思った。そういえば年末に鹿児島行ったのであるが、なんで鹿児島に行ったんだっけという疑問がわいた。
なぜ大阪人は鹿児島に行ったのか
去年の春頃、奄美からの乗り継ぎで鹿児島空港に立ち寄った。空港にはAKB48のメンバーがにっこり笑うポスターがこれみよがしに貼ってあった。鹿児島に行こうと思ったのは、そのポスターを見たからかもしれない。*1
あるいは空港の山形屋食堂で食べた鹿児島定食が思いのほかおいしかったせいかもしれない。何よりも鹿児島に行ったことがないというのが理由としては大きかった。
それに僕の周りには鹿児島人はいなかったし、鹿児島に行ったことがある人間も見たことはなかった。この縁遠さはなんなんだろう? と思いつつ12月末に鹿児島行きの飛行機に乗った。
飛行機の中で僕は思った。この旅は見どころだけを見てまわる旅になるだろうと。
目次
(前半)
(後半はこちら)
- 仙巌園:薩摩切子を買いに行った
- 知覧:特攻平和会館を見に行った
- 霧島神宮:逆鉾九面を買いに行った
天文館:白熊を食べに行った
大阪人としては、天文館に「むじゃき」の白熊を食べに来た。白熊というのは鹿児島名産のかき氷だ。アーケードを入ったところにむじゃきはある。このかき氷の情報はことあるごとに情報としてインプットされていたのだ。
むじゃきの白熊
店の前に白熊がおいてあったりするのですぐ分る。
これが白熊。上から見ると顔になっているのだろう。味つけが秘伝なのか冬なのにぱくぱく食べれるおいしさだった。日本人観光客も中国人観光客のように喜んで食べていた。大阪人もうなるおいしさ。
京都に長くいたので、スイーツは鍵善のくずきりとか京菓子が好きなのだが、かき氷ばかり食べてる女優(蒼井優)の気持ちがようやく理解できた。
ちなみに天文館というのは鹿児島の一番の繁華街でアーケードがあったりする。アーケードかよと驚いてはいけない。もしかしたら違うかもしれないけれども、ただのアーケードなんである。
アーケードの前には路面電車も走っていて、通りに沿ってバス停もたくさんあるので天文館といえばこのあたりで発着することになる。
左上にボンタンアメの看板があるが、いつも誰がボンタンアメを食べるのだろうと思っていた。鹿児島の人が食べていたのである。これは食べだすと中毒性があるので気をつけたい。
ボンタンアメの他には兵六餅というのを良く見かけた。どんな味なんだろうと思っているまに大阪に帰って来てしまった。
天文館で鹿児島ラーメンを食べた
天文館には鹿児島の郷土料理や豚しゃぶなどのグルメが集まっている。
大阪人としては鹿児島ラーメンに着目した。鹿児島ラーメンはとんこつをとりがらスープで薄めている。だから薄味が基本の関西人にも食べられる。鹿児島ラーメンにはやまほど名店があるようで、2軒食べたがどちらもおいしかった。
ラーメン小金太
これが小金太ラーメンの小。なぜ小を頼んだかというとチャーハンも食べたかったからだ。ラーメンの小とチャーハンの小のセットがあるのである。
一説によると日本で一番おいしいチャーハンだそうである。たしかにおいしかった。ここで鹿児島の味の傾向を述べておきたい。全体的に少し甘めである。このチャーハンも少し甘めで鹿児島に来たんだなという感じがする。
もう一軒選んだのが、こむらきという店。
こむらさき
こちらのラーメンにはキャベツがたくさん入っていて、面も細めんのオリジナルだ。鹿児島ラーメンとは、基本はとんこつと鳥ガラのブレンドスープをベースに店ごとにオリジナルであることに特徴があるのではないかと思う。
鹿児島ラーメンはやさしい味でおいしいんじゃないかと思う。
次の日は、日ごろの疲れをとりに有名な指宿温泉に出かけた。砂の中に入る砂むし温泉が気になっていたのである。指宿(いぶすき)は電車で1時間~2時間ぐらい。
指宿:砂むし温泉に浸りに行った
これが指宿の駅前。冬だからなのか人は少ない。大阪人からすると南紀っぽいイメージである。どことなくさびれている。
指宿には砂むし温泉は2軒あって、時間があるので2軒とも入ることにした。駅前からバスで向かう。
駅から遠い方の砂むし風呂へ向かった。
バス停を降りると、あり得ない形の山があった。案内板によると「奇岩竹山」というそうだ。なんでこんな形になったかというと、マグマが地表に噴出する一歩手前で急速に固まったからということである。
砂むし風呂へ行く途中は、製塩所跡もあったりして楽しい。鹿児島は近代遺産の多い場所でもある。
製塩所跡。この辺りは海岸沿いで、蒸気と温泉が噴き出していて天然記念物にも指定されている。ちなみに右奥に見える山は開聞岳。知覧から沖縄に向かう特攻機は開聞岳で本土に別れをつげたんですね。
噴気帯を抜けると、砂浜沿いに砂むし温泉が見える。
砂むし 砂湯里
これが砂むし風呂。先客が砂をかけられている。屋根のない場所と屋根のある場所があり、順番に入るのでどちらに当たるか分らない。砂の下には温泉がひたひたと浸み出している。一度使うと熱がなくなってしまうのでしばらく置いておかなくてはいけない。
向こうにある建屋で着替えたり、砂を落とす洗い場があったりする。ここに小さな風呂があり、その風呂の泉質がさらさらと透明感があり実に良かった。はじめて温泉を飲みたいと思った。飲めるかどうかわからないけど飲んでみた。うまい。けれども、わたしは「すきとおったほんとうのたべもの」を食べたいのだ。*2
砂むし風呂には浴衣を着て入る。15分ぐらい。砂の重みなのか心臓がどくんどくんとやばいほど脈打つのが分る。それだけ血行が良くなるんですね。冬なので特に気持ち良かった。
バス停と砂むし風呂の間に、立寄りの露天風呂があり、これも結構いい感じだった。
たまて箱温泉
日帰り温泉のランキングで1位に選ばれたこともあるそうである。砂むし風呂とのセット兼を買うとお得。 ここの露天風呂からは男女によって違うのだが奇岩竹山と開聞岳が見える。絶景の日帰り温泉だった。
ガイドマップに開聞駅と書いてあり、どんな駅が気になったので行ってみた。
開聞駅
こんな駅だった。百聞は一見にしかずだ。
次は、もうひとつの砂むし風呂だ。これは砂むし会館(砂楽)といって、駅の近くにあり有名な温泉施設である。
写真を撮っていないのでフリッカーから。屋根の下が砂むし温泉。会館には温泉もある。
それぞれの砂むし温泉は、温度も入り心地も若干違う。個人的には、砂湯里の方が好みだった。
鹿児島に帰り、次の日は桜島に行くことにした。 桜島に行くというより、香港のスターフェリーのような短い距離のフェリーが好きなので乗りたかったのだ。
桜島:フェリーに乗りたかった
桜島行きのフェリー。桜島行きなので桜島を眺めながらの航路になる。 24時間運航。片道160円。
出港時は、デッキに人も出ているが、冬はやはり寒いので船室に入ってしまう。船室には売店やうどん屋もある。
桜島がどんどん近づいてきて絶景である。これがどかーんと噴火するのである。
桜島に着いた。
案内所で「ここに来てしまったんですけどどうすればいいですか」とかなり適当な聞き方してしまったが、見どころを廻るバスがあるのでそれに乗ればいいよと丁寧に応対してくれた。鹿児島人が懐が深いことは間違いないと思った。ちなみに大阪でこういう質問はNGである。「それぐらい調べてこいや、ボケ」と返されるだろう。
桜島のビューポイントを見て廻る。桜島は意外と大きいの一周するわけではない。
こんなバスで桜島の見どころを廻る。それぞれのポイントでは10分~15分ほど停車。
火山灰をくりぬいてつくったロックなモニュメントかなにか。長淵剛のコンサートが行われた記念かなんかだったと思う。
一番展望の良かった場所。
アイフォンでパノラマ写真を撮ってみた。右手が鹿児島市内。
フェリーの発着場近くに温泉があったので入って帰ることにした。
桜島マグマ温泉
マグマ温泉という名前だけあって、お湯がまっ茶色だった。ちょっと効果がありすぎるのではないかと心配になった。温泉場からの景色は桜島ではなく、海側である。地元の人が多かった。
中で桜島こみかんが売っていた。下が桜島のこみかん。
桜島マグマ温泉 | 国民宿舎 レインボー桜島<公式ホームページ>
日もとっぷり暮れたのでフェリーで帰った。
お腹が減ったので晩ごはんにすることにした。
とんかつ川久
黒豚ロースかつ。黒豚と白豚があるが黒豚が鹿児島産で白豚が宮崎産だそうである。県外の方は黒豚を食べるということなのでそうした。
肉だけでなく衣もやわらかいかつだった。今まで食べたかつのなかでもベスト3に入るのではないかと思った。ここはフェリー乗り場から近いドルフィンポート店。本店は鹿児島中央駅の近く。
かき氷とかラーメンとかとんかつとかカロリーが高そうなものばかりを食べている印象があるが、普段は野菜食である。旅行時は健康食はあきらめて食べたいものを食べるようにしている。
*
城山観光ホテルの大浴場に明日の日の出は7時とか書いてあった。見る気はなかったが起きてしまったので前庭から見ることにした。
季節によって太陽の出る位置が変わるそうだ。意外ときれいだった。
(後半部へつづく)
*1:鹿児島県のホームページで見れます。鹿児島県/AKB48の柏木由紀さんを起用したイメージアップポスターを作成しました
*2:宮沢賢治「注文の多い料理店」の序文にある表現。