マンガを読んでいたら東京に行きたくなった。ちょっと東京にでも遊びに行くかと思って堂山のコンビニに入ると「東京ひとりガイド」というタイトルが目に飛び込んできた。コレだよと思ってよく見ると女性誌の『クレア』だった。まあいいやと思ってクレア3月号を買った。旅行プランを自分で考えるのも飽きたしこういう情報誌にのってみるのもいいだろう。地方在住者がスタディする東京旅行。
クレアのホテル記事で東京旅行を妄想する
気になった記事をピックアップ。まずはホテルから。 クレアの記事は東京在住者用の記事なんだけれども、朝食やバーを楽しむためのホテルも掲載されている。東京旅行は泊まるホテルがかんじんなんだ。どれどれ。女性誌はどんなホテルを選ぶんだ?
朝食利用として、ザ・ペニンシュラ東京、パレスホテル東京、ホテルオークラ東京、ウエスティンホテル東京、シャングリラ・ラ ホテル 東京、ハイアットリージェンシー東京。
バー使いとして、マンダリン オリエンタル 東京、シェラトン都ホテル東京、帝国ホテル東京、山の上ホテル、アンダーズ東京、パークハイアット東京。そして、ステイ先として、アマン東京。
一流どころばかりではないか。東京はアベノミクスで景気がいいのか?
あえてこの中から東京旅行の宿泊先としてピックアップするとすれば、アマン東京、パークハイアット東京、山の上ホテルだろうか。
マンダリンとかシャングリ・ラは、東京旅行のテイストが少ないのでラウンジで酒を飲むぐらいがいいだろう。マンダリンで本場ジャズマンによるピアノ演奏や極上のシャングリ・ラ スマイルを楽しんで欲しい。
地方在住者が行く東京旅行というコンセプトで幾つかホテルを選んでみた。まずは話題のアマン東京。
アマン東京で新自由主義に想いを寄せる
高級リゾートとして誉れの高いアマンリゾーツ。初の都市型リゾートとして限定オープン中。『クレア』では見開き6ページでアマン東京オールアバウトを掲載。設計を担当した建築家ケリー・ヒルについても言及。伝統的な日本家屋をイメージしたデザイン。ケリー・ヒルはリゾート建築では、スリランカの建築家ジェフリー・バワに影響を受けて、アマンスタイルの建築様式を洗練させていった。そのケリー・ヒルがアマン初となる都市型ホテルでどのようなデザイン的チャレンジをしているかがひとつの見どころなんだろう。
Aman Resorts’ brand new Tokyo resort | Flickr - Photo Sharing!
標準の客室が71㎡、一泊7万5千円。この価格設定をどう考えるか。たとえば、旅館業法では洋室客室の最小面積は9㎡以上。アマン東京の客室は、ビジネスホテルの小さめの部屋約8個分の大きさだ。東京ということで1泊1万円で換算すると、1万円×8部屋分=8万円>7万5千円。ブランド感や立地を割り引いて考えても割安感さえ漂う……。どう考えても今だけの限定プライスだろう。
アマン東京のウェブサイト
Luxury Hotels in Tokyo, Japan Luxury Resorts - Aman Tokyo - home
アマン東京の予約サイト
アマン東京で富裕層の体験学習
高層階のホテルの場合は、エレベーターを降りた時に、ガラッと雰囲気が変わるようにデザインされていることが多い。チープな格好をしているととたんに浮きあがってしまうのでそこは留意した方がいいだろう。たまにチープに見えるほど薄着の格好をしている人もいるが、手首には100万円以上の腕時計をしているのでアレはワザとである。日焼けやエステ、金のかかった肌のコンディションを少しでも見せたいだけである。(シミだらけやんと思ってはいけない。シミとシワがカッコいい。)
レストランやバーやスパを利用していたらすぐに税込で一泊15万はこえるだろう。富裕層以外の人はわりきって「大人の社会科見学」として楽しんだらいいのではないか。体験的に泊ってみて、そういうラグジュアリーが好きだと思えれば、金持ちになるよう頑張ってみる。さいわい今の日本は、金持ちになることが排除されていない社会。かといって誰もがなれる訳ではない不等式の世界。そんな新自由主義経済が体感できるステイとなるだろう。
アマン東京でスタイリッシュにピケティを読もう
ちまたでブームとなっているピケティは滞在中に読んでおきたい。ライブラリーで読んでもラウンジで読んでもスパで施術を受けながら読んでもどこで読んでもサマになる。r > g は証明されたのか…と思わせぶりにつぶやいてみよう。アマン東京でゲストとピケティ本との2ショットは今が最高に旬なヴィジュアル。ここちよい格差の拡大を感じることだろう。わかい人であれば、アマン東京での体験学習が終り、チェックアウトするときに、rの側へ踏み出すのか、gの側へ踏み出すのか、あなたの心は決まっているだろう。
Capital in the Twenty-First Century
- 作者: Thomas Piketty
- 出版社/メーカー: Harvard University Press
- 発売日: 2014/03/10
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ウェブサイトとフリッカーの写真で見るアマン東京
行く機会ないよねと思った人も多いだろう。しかし、こういう高級ホテルは写真を見るだけでもけっこう楽しめるのである。公式ウェブサイトに画像ツアーがある。隙のないイメージ性の強い写真が並ぶ。
Luxury Hotels Tokyo, Aman Tokyo Album and Picture Tour - picture tour
滞在したときのイメージが湧くのは、実際に泊った人が撮った写真である。 フリッカーから気になった写真をピックアップ。埋め込めない仕様のようなので、ほうじ茶でもすすりながら気長にクリックして欲しい。
The Mount Fuji & Imperial Palace View | Flickr - Photo Sharing!
まずは景色。絶景かな。皇居ごしに見る富士山が素晴らしい。
Koto Performance at the Lobby | Flickr - Photo Sharing!
ロビーラウンジでは箏の生演奏が。かなり日本を意識している。アマン東京ではミュージックをあえて持参しないのもありだ。
"The Fuji" welcome amenities | Flickr - Photo Sharing!
富士山をかたどったスイーツ。頂上から裾野にかけてホワイトチョコレートからミルクチョコレートに変化するこだわりの逸品。
The Sky Pool | Flickr - Photo Sharing!
スカイプール。アマンの真骨頂であるインフィニティ仕様にはなっていない。プールの底に貼ったタイルの色がアマンっぽい。この色好きだよね。
Special High Tea at The Aman Suite | Flickr - Photo Sharing!
見たことのないダーク色を基調としたハイティー。サンドイッチのパンも黒色? わびさびにも通じる禅味の感じられるハイティー。
The Library | Flickr - Photo Sharing!
一番興味のあるライブラリー。写真ではどういう席があるのか分らない。個人的にはアマンっぽいキャレルをデザインして欲しい。
The world's most expensive (Kobe) beef steak | Flickr - Photo Sharing!
ディナーは神戸ビーフのステーキ。リンク先の人はウルフギャングでさえかなわないベストのステーキだという。ワイルドなTボーンをありがたがる風潮があるがやはりシャトーブリアンに還れということか。
Sky bath with Sky Tree view | Flickr - Photo Sharing!
東京の夜景を見ながらの風呂。柚子風呂がつくる日本旅情。高級石材の湯船につかりながらディアンジェロ&ザ・ヴァンガードっぽく「奥飛騨慕情」をくちずさんでみよう。
Minibar | Flickr - Photo Sharing!
風呂上がりには北海道牛乳とクリュッグが冷蔵庫に冷えている。パノラマビューを見ながら全裸で腰に手をあててゴクゴクと飲んでみたい。
Split Level bedroom at Aman Suite | Flickr - Photo Sharing!
和テイストのベッドルーム。なぜだか、『ウルヴァリン:SAMURAI』で過去に助けたトンデモじいさんが寝ていた部屋を思い出す。外人の考える和の寝室なんだろうね。
The Japanese Breakfast | Flickr - Photo Sharing!
朝の和定食。塗りではなく白木の容器に入っているようだ。かまぼこは必殺11㎜カットではなく折り紙を連想させるオリジナルなカット。
Aman Tokyo - an album on Flickr
リンク先の人のアマン東京のアルバム。全部で36枚のショットが楽しめる。
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東京旅行というテーマで、アマンに泊る場合、高層階から見る東京の景色が素晴らしいので、外出しないで、ラウンジでお茶を飲んだり、柚子風呂に入ったり、ライブラリーで本でも読んで過ごすのがいいだろう。
アマン東京に何の知識もないのに長くなってしまった。本当に泊まる人がいたらいけないのでおすすめ本をもう何冊か紹介。アマンリゾーツをデザインしたケリー・ヒルの作品集。建築は芸術作品と較べれば妥協の部分も多いので、こちらから理解しようと歩み寄る姿勢も重要だ。妥協を限りなく排除した施設づくりがアマンの特徴とは言える。
Kerry Hill: Crafting Modernism
- 作者: Geoffrey London,Erwin Viray,Paul Finch,Oscar Riera Ojeda
- 出版社/メーカー: Thames & Hudson Ltd
- 発売日: 2013/04/15
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ロビーで読んでみたい一冊。分ったような分っていないような顔で読むのがポイント。その空間に身を置いてデザイナーのイマジネーションを感じることが大事なんだ。
ケリー・ヒルの作品が掲載された日本語の建築雑誌。
Geoffrey Bawa: The Complete Works
- 作者: David Robson,Geoffrey Bawa
- 出版社/メーカー: Thames & Hudson
- 発売日: 2002/11/01
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通には、ケリー・ヒルが影響を受けたジェフリー・バワの作品集をおすすめしたい。ロビーで眺めていると他の宿泊客がヘリタンス カンダラマの感想を語りかけるだろう。英語が上達するかもしれない。
ジェフリー・バワ作品が掲載された日本語の建築雑誌。表紙の写真がヘリタンス カンダラマ(カンダラマホテル)
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