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アーキペラゴを探して

archipelago - 群島、島嶼、多島海、そのニュース。 脱領域への考察と情報

奄美でミキのとりこになった / 奄美名産のソウルドリンク

ここ何日かミキのことが頭から離れない。奄美でミキに夢中になった。甘酸っぱい芳香を放つミキのことばかり考えている。どうしてミキのトリコになったんだろう。

ミキといってもスナックでマラカスを両手に構えた化粧の濃いチーママのことではない。ミキは奄美名産の伝統的飲料。炊いた米とさつまいもを発酵させた飲み物で、砂糖が入っていて甘い。数日たつと、発酵がすすみ酸っぱくなる。南国美人らしい風味。週末、ミキに会いに奄美へ飛んだ。

ミキのことを書いていると、なぜか女性的形容がまとわりついてくる。女性名だからということはあるが、たぶん文化人類学的な理由があるのだろう。それを解明する必要はないと思う。確信を持って言うけれど世界の根源は女性原理なのだから。


これは奄美のグリーンストアというスーパーのミキ売場の写真。何種類かのミキが売っている。左の牛乳パックに比べて女性的なデザインテイストを感じないだろうか。

ミキ売場

メーカーによって、甘さ、酸っぱさ、粘度、粒つぶ感が微妙に違う。何日か置いて、好みの酸味にするのが地元での飲み方なので、さらに味のバリエーションは増える。世界にはたくさんのミキがいる。素晴らしきミキの世界ーー

 

ある年、スーパーでミキに出会った

ある年、ぼくの心はひどい栄養失調だった。心のエネルギー切れ。体の栄養失調は、食べれば直るが、心の栄養失調を直すのは簡単ではない。

映画を見たり、小説を読んで心に栄養が充足されることもあるが、ヘタなものを鑑賞して、より深いダメージを受けてしまう場合もある。

血に飢えたゾンビのようにうつろな目をして、永遠の友(とも)を探し求めるレスタトのように奄美のスーパーというスーパーを行くあてなく彷徨い歩いた。

フレッシュミート

フレッシュミートというスーパーで「みき」なる飲料を見つけた。おばちゃんに聞いてみた。「食欲がないときに飲むといいよ」買って、自販機の前でゴクゴクゴクと飲んだ。

ういろうをすりつぶして冷やしたような味。アルコール分のない冷たい甘酒ヨーグルト風味。誰もが飲んだことのあるような味。人によってはごはんを蒸したような臭みを感じるかもしれない。 

飲んで数秒で意識が変わった。心に栄養が充足された瞬間だった。材料自体はどこにでもあるが、明らかに特別な飲み物だった。確かに食欲や元気がないときの飲み物でもあった。*1

 

2015年、ミキの家に辿りついた

身体に栄養が必要なように、心にも栄養が必要である。人はどのように心に栄養を充足するのであろうか。サードウェーブのブルーボトルコーヒーを飲んで心に栄養が補充されればそれはそれで幸せなことだろう。だが、ほしいのはウェーブじゃない。インパクトだ。

そんなことを考えて、買いたてのミキを飲みながら、名瀬の街を放浪した。しばらく歩くと東もち屋というみき屋さんを発見した。

ここでは、上の写真の東米蔵商店と書いた紺色のラベルの「東のみき」をつくっている。ここのミキが最もミキらしいミキと言われている。玄人向けなんですね。熟女のようなネチっとしたミキ。

店先にひとはいなかった。ミキを仕込んでいるんだろう。店のひとがいたとしても「奄美みき」を手に持っていたので、気まずかったということはある。

東もち屋

 

大阪にミキを連れ帰った

 現地でもミキをかなり飲んだが、「花田のミキ」と「奄美みき」を大阪に連れ帰った。空港の検査場で、ミキを見られるたびに微妙な沈黙の空気が流れた。(早く連れて行け)なぜかそんな雰囲気だった。検査員の瞳に乾杯。

「花田のミキ」と「奄美みき」1

「花田のミキ」と「奄美みき」2

 左は「花田のミキ」。さしずめ女優のミキ。宝塚出身の少し化粧を盛っているかもしれない「みき」という女優も「ミキ」に改名したようだ。右は「奄美みき」。これはアイドルのミキ。最初はこの初々しいミキがいいかもしれない。開封後、5日目。写真で違いは分からないが、色や粒の粗さが微妙に違う。

開けたてはフレッシュで新鮮味のある味だったが、何日かして、酸味というかやや熟女感が増してきたようだ。いけない。また女性的表現がまとわりついてきた。大阪へはようついていかんという「東のみき」も無理クリ連れ帰ればよかったと思う。賞味期限が切れても限界まで日々発酵するのを楽しみたい。

 

ミキ、それは 神と人をつなぐ飲み物

三人のミキ以外にも「赤木名ミキ」、「竹山みき」、「平のみき」、「森山ミキ」といったたくさんのミキがいる。奄美にはミキが棲む世界がひろがっている。

奄美パークの展示スペースにあったミキの説明。もともとは神酒(みき)なんですね。だから、心の栄養を補給するという言い方もそれほどおおげさではないんです。写真をクリックすると拡大して説明が読めます。

ミキの説明

 ミキという神と人をつなぐスピリチュラルな飲み物が現代でも残っていることは奇跡に近いと思う。奄美に行ったら是非味わってほしい。ミキを飲むためだけに奄美に行く価値はあると思う。*2

昔のミキ

 
【全人類必飲】ミキを飲んでグラウンディングする

もし人生に生き詰まるような何かがあったなら、そういうことは良くあると思うが、その時は、500ミリリットル、 1リットルのミキを一気飲みしてほしい。カロリーオーバーを気にしてはいけない。

ミキが意識とともに身体のなかを落下することで、地球に心がしっかりと接続され、あてどなく浮遊する肥大化した自我は確実に後退するだろう。

グラウンディング。大地とのつながりを回復しながら心身のバランスを取り戻すこと。これほどグラウンディングできる飲み物は飲んだことがなかった。

 

「奄美みき」

http://shimatoufuya.jp/miki.html

「花田のミキ」
http://www.gajumarine.com/?pid=79122049

 

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*1:1ccあたりに1億個の乳酸菌が入っているので科学的にも特別だといえる。ヨーグルトが1ccあたりに1000万個だから10倍の乳酸菌濃度。キムチは6億とかなので笑える。

*2:牧志の市場にも「みき屋」さんがあるので、沖縄に行ったらぜひ試してほしい。ビンで飲めるよ。※2015年行ったところもうつくる人がいないということでした。店はあります。

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