宇宙船地球号というのは、地球をひとつの閉じた系として例えたバックミンスター・フラーが提唱した世界観。
フラーによると、地球の住人は全員、宇宙船地球号の乗組員ということになっちゃうんですが、その乗組員には、パタゴニアをおすすめしたいと思う。
このエントリーでは、僕がパタゴニアをおすすめする3つの理由とこれまでに使ってきたパタゴニア製品を適温でラフに語りたいと思う。
目次
まずは、パタゴニアのアウトラインから。
パタゴニアとは何か
パタゴニアとは何かは、1997年に出版されたパタゴニアとエスクァイア日本版がコラボした特集号によく表現されている。
巻頭に口上みたいなことが書かれていて、パタゴニアのイメージをうまく伝えていたと思う。
エスクァイア日本版は現在、休刊してしまったんだけど、世界初の男性誌でありスクエアなエスクァイアが、ビートな出自を持つパタゴニアを熱く語るというのが印象的だった。
この雑誌はアマゾンでも中古で時々出品されるので、パタゴニアをこれから本格的に着てみようという人にはおすすめ。
patagonia PRESENTS エスクァイア日本版 – 1998
パタゴニアをおすすめする3つの理由
パタゴニアをおすすめするのは次の3つの理由。
- 機能性
- メッセージ性
- ファッション性
ひとつずつ簡単に見ていこう。
1.機能性
これはエスクァイアの誌面をアイフォンでそのまま写した写真。
この特集号は、パタゴニアとのコラボなので、パタゴニア関係者が多く出ているのだが、この雑誌の編集者が、パタゴニアの創設者が自分のガレージ(ある種の聖域)を見せてくれるというんで、ワクワクしながら見に行ったら、右上のような状態だったんですね。
この写真を見た時にやっぱりそうだよねと思ったんだ。
パタゴニアは、地球をエクスペリエンスするための服だから、あんな体験があるね、こんな体験もあるよねと、そのための服を次々とつくっていったようなところもある。
だから、ひとつひとつは本格的なアウトドアメーカーのような製品のようにはならない。オーバースペックにはならないということなんだけど、最低限の機能で、最大限の体験が出来ればいいわけだ。
そのへんのバランスの良さが、街着として、ファッショナブルに着ることを可能にしている。
個人的には、パタゴニアを街着として着るよりも、旅に着ていく服にしている。特に海に面したアジアへの旅行にはぴったりだったと個人的には思う。
2.メッセージ性
メッセージ性というのは、フリースを開発を開発したのがパタゴニアということからもわかるように、地球という生態系の環境に絶えず意識を向けている。アースコンシャスな企業なんですね。
これもエスクァイアを撮影した写真。
パタゴニアの創業時の写真で、工場とか倉庫みたいなところから企業がスタートしたことがわかる。左から3番目が創業者のイヴォン・シュイナード。最初は山登り用のツールを作っていたんですね。
左端の人の履いてるジーンズもつぎ当てだらけでかっこいいのだが、モノに対する哲学も同時に示している。
パタゴニアの正確な歴史
そして、ビートだ。ビートといっても、ビートニクスのビートだ。
ビートな人たちがはじめたということがある。
ビートの原義は、打たれたとか打ちひしがれた人たちなんだけど、主流ではない、周縁系の人たちですね。それがロービートからハイビートへ、ダウンビートからアッパービートへ時代とともに変化していく。
カウンターカルチャーが主流になっていく過程でもあるよね。
もともとは、ビートな人たちがやりはじめたブランドだからメッセージ性があるということなんだろうね。
3のファッション性は、機能性とメッセージ性をベースにした副次的な項目になる。
3.ファッション性
誰が支持してるとかは本当はどうでもいいことなんだけど、パタゴニアがファッション性で支持されてきたということは確かにある。
ジル・サンダーが好きなブランドにあげたり、その商品をめぐってストリートファイトが繰りひろげられたりするシュープリームスのオーナーもパタゴニアは好きなブランドと書いてあるのを読んだことがある。
新しいところでは、ユニクロユーの2018AWのコレクションでも、パタゴニアのレトロシリーズにインスパイアされたようなアイテムがある。
出典:ユニクロ|Uniqlo U (ユニクロ ユー) 2018年秋冬コレクション
胸ポケットのデザインなんかが明らかにレトロの影響を受けているよね。
要するに、リーバイス501やサードのように、レトロシリーズがデザインのスタンダードとして評価されているということになるんだ。
オールタイム、エブリタイムおすすめのアウターにレトロシリーズがあるんだが、その
レトロシリーズを少しチェックしてみよう。
洋服屋さんのスタッフが流行に左右されることなく着ていたようなイメージがある。
レトロシリーズ
個人的には、レトロはそれほど買ってなくて、90年代の後半に1枚買っただけである。
1997年ぐらいのレトロカーディガン。
内側がメッシュで、表面がモコモコしたフリース。今ではいろんなメーカーがこうしたフリースを出しているがオリジナルはパタゴニア。
このレトロカーディガンは、今はレトロジャケットになっているが、風を通すので寒いところがあり、この仕様をベースに防風シートを加えたのがレトロXである。
レトロX
出典:メンズ・クラシック・レトロX・ジャケット | パタゴニア
ベージュが着ぐるみみたいで人気があるが、他の色もかっこいい。
レトロXは防風シートを挟んでいるのでそれなりの価格となっている。
女性用はウエストの高い位置シェイプされているのでカッコいい。
昔からメンズがボックスで、ウィメンズがシェイプのイメージがある。
レトロXにはベストもある。
PATAGONIA パタゴニア M'S CLASSIC RETRO-X VEST メンズ L NAT
- 出版社/メーカー: patagonia(パタゴニア)
- メディア: その他
- この商品を含むブログを見る
レトロジャケット
ジャケットだとシートがないので価格もレトロXに比べると安くなる。
ウィメンズのフード付きもある。
女子の場合、ワイドパンツを履いて、ジャストサイズか小さめのレトロXを着るとけっこうかっこいい。
僕がこれまで使ってきたパタゴニア
では、これまでに僕が使ってきたパタゴニアを幾つか紹介しよう。
フリース
最初に買ったのがこのフリース。最初に買ったものなので手元に置いてある。
ユニクロみたいなフリースであるが、先につくったのはパタゴニアだ。
軽くて暖かいという話があったので買った。軽くて暖かいということで、真冬でもTシャツにネルシャツにこのフリースという組み合わせだった。
今から考えると信じられない恰好をしていた。フリースはそれほど暖かくなかったのだ。だけど、出始めは、そう言われてたんですね。
実際は、そんなに暖かいものではなかったんだけど、フリース神話がしばらく続いた。このフリース神話が続かなければ、現在のユニクロはなかっただろう。
雪なしのタグが使われたのは1993年から1994年なので、最初にパタゴニアを買ったのは1993年か1994年ということになる。25年ぐらいパタゴニアを使用している感じだ。リーバイスと比べるとまだ日が浅い。
時は1990年代。これは本当の話なんだが、この程度の赤のフリースはかなり地味に見える時代だった。みんなそれぞれ好きな格好をして、1990年代は全員が部族的な時代だった。
ユニクロがフリースを真似っこしたからなのか、パタゴニアは地味なフリースも出し始めた。
これはトラベラージャケット。
グリーンのマドラスチェックですね。
パタゴニアの山の稜線に白いラインが入っているのが雪あり。赤いフリースは稜線に雪がないので雪なし。
一番のおすすめしたいのがR(レイヤード)システムだ。
Rシステム
Rシステムというのは、要するに防寒状況のレベルにあわせて重ね着をしていくシステムなんだが、インナーからアウターにかけて、RとかR2とかR3といったアイテムがある。
これは最も内側に着るR。この下には速乾性の高いキャプリーンを着ていたが、今ならばヒートテックを着るという感じだ。
このRの黒いプルオーバーは便利で、デザインは変わるが、10年おきぐらいに買い換えている。
ヒートテックのない時代に、冬に韓国に焼肉の食べ歩きに行く時に使用した。冬の韓国はものすごく寒く、ホテルも寒い時があり、Rの防寒性が必要なほどだった。
真冬に食べる冷麺がうまかった。牛骨スープは熱いのでたべれるのだ。
キャプリーン
キャプリーンというのは、パタゴニアの開発した新素材で、ユニクロのエアリズムのような製品である。もちろんパタゴニアの方が先である。
キャプリーンが優れているのは速乾性で、すぐ乾く。夏着ててもサラサラするし、冬に着ればある程度の保温性がある。
エアリズムと違うのは、これ一枚で着れることである。
エアリズムが出る前には、キャプリーンのTシャツをたくさん買った。
左のピスタチオと呼ばれる黄色のボーダーはシーズン毎に出たのでよく買った。
欠点は、一枚5000円もすることだった。
しかし、アジアを旅行するのにこれ以上のTシャツはなかったのでよく買った。
現在は、キャプリーンにも、ライトウェイトとかサーマルウェイトとか仕様が増えている。
メンズ | ベースレイヤー | パタゴニア | 公式オンラインショップ
パンツ&ショーツ
パタゴニアはパンツやショーツも人気がある。
これは半パンにもなるロングパンツ。
現地に着くと、ジッパーで半パンに早変わり。
左は水着にもなる半パンで、右はそのまま履いていてもおかしくないパンツ。
パンツはゴムが伸びてしまったが、絵柄がこっているのでなんとなくとってある。
デイパック&リュック
洋服での信頼性が高かったので、デイパックもパタゴニアを買った。
15年以上前のモデルなので中のコーティングがボロボロにはがれたが、きれいに落として防水性なしのデイパックとして使っている。
ポケットのジッパーに蛍光のラインが入っており、スタンド・バイ・ミーのように夜間に路肩を歩く場合などの安全性に優れている。
惰性でリュックもパタゴニアにしている。
飛行機が着くとすぐ降りて、現地の路線バスに乗りたいので、ほとんどリュックにしている。
レインパーカー
雨合羽は、あると便利なアイテム。
雨でも移動しなくてはならない時に着ると体温低下防止にもなる。
とにかく多様なアクティビティに対する製品を揃えているので、パタゴニアの製品の種類は多い。
その分、ひとりひとりにカスタマイズされたような製品選びが可能になっていると言えるだろう。ひとりひとりに自分だけのパタゴニアがあるんですね。
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