4月20日にユニクロとJWアンダーソンの2018春夏が発売されます。
ユニクロのいろんなアイテムを購入してきましたが、結果的によく買ったのは、JWアンダーソン・コラボでした。
これがJWアンダーソン2017秋冬で買ったアイテムです。小技がきいていて洒落ていたので次々に買ってしまったという感じです。
ユニクロのウェブサイトには、すでにAWアンダーソンコラボのラインアップが発表されています。
UNIQLO and JW ANDERSON 2018春夏コレクション|UNIQLO
今回のコレクションには「ブライトン・ビーチ」というテーマが設けられていることに特徴があります。
参考:【4月20日発売】ユニクロ×JWアンダーソンの2018春夏はジェンダーフリーなデザイン
このエントリーでは、ユーザー目線でコレクションテーマによるレビューをしてみたいと思います。
目次
まずブライトン・ビーチというコレクションテーマを見てみましょう。
ブライトン・ビーチというコレクションテーマ
ブライトン・ビーチが表現しているテーマは、サブカルチャーです。
ブライトンはロンドンからも近いイギリス南部の海辺の街でリゾート的な雰囲気があります。
海上に古い桟橋からアクセスできるブライトンピアという遊園地があり、ブライトンビーチのシンボルになっています。
キーとなるヴィジュアルにも使われています。
右側の背景に写っている建物がブライトンピアです。
ストリートビューでは、桟橋を渡ってブライトンピアを歩けます。桟橋からブライトンののんびりした雰囲気を感じることができます。
ブライトンはサブカルチャーの発信地
ブライトンは、ザ・フーのアルバムを原作にした映画「さらば青春の光」の舞台となったように、サブカルチャーの発信地です。
モッズは週末にモッズコートを着てブライトン・ビーチに通ったんですね。
この映画にはスティングも出ていたりして濃いヴィジュアルになっています。
映画の中でモッズとロッカーズがブライトン・ビーチで争いますが、2018年現在、参考にしたい着こなしはこの映画のモッズのナードな感じになります。アレッサンドロ・ミケーレのグッチもナードな着こなしをガンガンに押してきています。
ブライトンは、モッズの聖地だけではなく、ゲイカルチャーでもサンフランシスコと並ぶ発信地になっていますので、多様性あるサブカルチャーのイメージをもとに今回のコレクションが展開されているのではないかと思います。
そうした理解をもとに、今回のコレクションをチェックしてみましょう。
JWアンダーソン2018春夏の事前チェック・レビュー
アウター
まずアウターです。JWアンダーソン(以下、ジョナサン)がイメージしたブライトンということがパッと見で伝わってきます。
ユニセックスモデルのパーカとデニムジャケットをチェックしてみましょう。
かなり力が入っているのがデニムジャケットです。
ディテールがかなり面白いです。ジョナサンは、リーバイスのサードをモデルしていますが、これまでに見たことのないデザインです。
右と左が微妙に違うアシンメトリーのデザインです。
左側の胸ポケットがリーバイスのセカンドをベースとしていますが、右側はオリジナルな形のポケットを後で貼りつけたようなディテールにしています。
つくる過程やリペアする過程を表現することでクラフト感を出してるわけですね。生地も評価の高いカイハラ製です。
デザイン的には、シンメトリー(左右対称)に対するアシンメトリーではなく、ロマネスクやゴシック建築に見られるヨーロッパ的なアシンメトリーになっています。
裏もシームの位置をずらしたり、肘当てのデザインも変えています。
袖口のデザインも違いますね。凝りまくっています。
シルエットはリーバイスのサードをやわらかくした感じに寄せてきています。
ちなみに、ジョナサンはリーバイスのサードをモデルにしましたが、GUとコラボしたキム・ジョーンズ氏はリーバイスのセカンドをモデルにしています。
これがキム・ジョーンズ氏がデザインしたデニムジャケットです。一瞬で売り切れてしまったために実物を見ておりません。
ホワイトを店頭でチラッと見ましたがよく出来ていたように思います。
リーバイスと同じ胸ポケット横に白いタブをつけるという凝りようです。
GUのデニムジャケットもセカンドですからね。両方ともナードっぽいやわらかみのあるシルエットになっています。
ユニクロのデニムジャケットについては基本知識とともにこちらの記事で紹介しています。
JWアンダーソンのデニムジャケットは実物を見て購入しました。レビュー記事です。
アシンメトリーというマニアックなつくりになっているか現在のところ品切れにはなっていません。
品切れの場合は、本家本元リーバイスのサードの現行品をチェックし始めるといいかと思います。
Levi's トラッカー ジャケット(リンス/ ワンウォッシュ) - Amazon
Levi's トラッカー ジャケット(ウォッシュ) - Amazon
(アマゾンの場合は、レビューにサイズについての体験談が書きこまれていてわかりやすいです。)
次にポケッタブルパーカのチェックです。
JWアンダーソンらしく3色切り替えのデザインとなっていて3パターンあります。
ポケッタブルパーカはかなり便利なんですね。上着がいるかなと迷う時にかばんに入れても軽いですからね。ポケッタブルものについては、素材の好みがありますので、実際の質感を確認するのがおすすめです。実際の質感は、薄手の素材であるものの表情があり、ナイロンものにありがちな安っぽさはありません。
試着してみて似合えば買いのアイテムになります。
シャツ・ポロシャツ
注目すべきは、リネン素材が2種あることです。
リネンのシャツは、現在、ユニクロのノーマルで出している100%プレミアムリネンシャツがいい感じで仕上がっています。
ジョナサンのリネンは、コットンリネンですので、リネンは53%ですが、どういう質感で出してくるかはチェックポイントになります。
半袖でコットンリネンを展開していますが、これもいい感じに仕上がっています。
参考:2018年はユニクロのプレミアムリネンとリネンコットンシャツの仕上がりが素晴らしい
デザイン傾向の理解のために前シーズンのシャツを紹介します。
これは2017秋冬の長袖シャツです。
今回のシャツでも切り替えのデザインです。
ジョナサンの場合は、ロマネスクやゴシックに見られるヨーロッパ的なクラフト感のあるアシンメトリーであり切り替えになります。
新作のシャツについても、ディテールをよく見るとかなり凝ったことをしていると思います。
これも前シーズンのジョナサンのオックスフォードシャツになります。
左側がノーマルのユニクロのオックスフォードシャツで、右側がJWアンダーソンのオックスフォードシャツです。ユニクロのオックスフォードは、無印良品のオックスフォードに匹敵するつくりとなっており、基本に忠実なつくりとなっています。
ジョナサンの方は袖の裏に違う種類の記事が貼ってあったり、ボタンダウンでなかったりしますが、ジョナサンらしいオックスフォードシャツとしています。
両方とも2回洗濯機で洗った状態です。
同じユニクロなので素材も同じだろうと思っていましたが違いました。両方ともよくできています。
主旨的には、ジョナサンの服にはいろいろな仕掛けがあり、その仕掛けの楽しみもありますが、そうした知識なしに単純に服としての楽しさが感じられる服と言えます。
Tシャツ
前のコレクションでは上品なボーダーを展開していましたが、今回はセンターで切り替えてきました。ユニクロユーがスタンダードなボーダーを展開していますのでかぶり感はありません。
そして、かもめのプリントTシャツです。1970年に出版された「かもめのジョナサン」という小説がありましたので、自らのジョナサンという名前にかけたと推測されます。
ジョナサンは群れから外れて雑事よりも何よりも飛ぶことを重視します。この本を訳した五木寛之氏があとがきで、ジョナサンは飛ぶことを重視しているが食べることも重要じゃないかといった趣旨のことを書いていたと思いますが、AWアンダーソンのジョナサンもデニムジャケットのデザインで見られたように、手仕事の残るハンドメイド感覚を重視しているわけです。
だから、ものすごく理想としてこのかもめがシンボライズされるわけですね。
「かもめのジョナサン」は1970年代の若者に手渡しで読み継がれていくわけですが、このジョナサンの表紙がその時代のアイコンになるんですね。
1970年代のジョナサンは飛んでいますが、2018年のAWアンダーソンのジョナサンは歩いています。面白いですね。こうした寓意はデザイナー本人からは語られないだろうと思います。
パンツ
前コレクションのレギュラーフィットジーンズはよく出来ていましたので、今コレクションでも登場です。
グッズ
グッズにもトートバックとダッフルバックにカモメ柄が展開されています。
カモメ柄のアイテムは、「かもめのジョナサン」を読んでみた時に象徴的な意味を発するというのがジョナサンの仕掛けです。
これらのバッグには無地も用意されていています。
シンプルでいい感じです。
最後に、キーとなるヴィジュアルをもうひとつ見てみましょう。
カップルで、週末にブライトンに行くイメージですね。
オリジナルのブライトンやサブカルチャーからは、意味合いを微妙にズラすことで、ストリートをベースとしながらも、AWアンダーソンらしい明るい上品さが感じられるコレクションとなっています。
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