デヴィッド・ホックニー。1965年の写真です。お洒落です。1980年代はアートに興味ない人でも知っていました。ウォーホルよりもホックニーの方がどちらかというと好きだったです。
David Hockney
公式ウェブサイト
ホックニーはプールをモチーフとした作品を多数描いています。夏に近づく季節になるとホックニーのプールの絵が見たくなるんです。見ていてとにかく涼しいんです。
公式ウェブサイトでは、画像の転載はNGでしたので、シェアリングできる画像を探してみました。
A Bigger Splash, 1967
ゲッティーズで、A Bigger Splash 発見! プール絵画の代表作です。しかもご本人とのツーショット。こんな画像があるとは。
別アングルから。A Bigger Splashにも完全にピントがあってます。ホックニーのタブローはやっぱりいいですね。
左側に芝生とスプリンクラーの絵が見えます。このシリーズもいいです。
公式ウェブサイトでのリンク
テイト(Tate)の作品紹介
'A Bigger Splash', David Hockney | Tate
ウィキペディア
A Bigger Splash - Wikipedia, the free encyclopedia
次はフリッカーからのシェアリング。美術館で撮影したものと推測されます。
Peter Getting Out of Nick's Pool,1966
ご本人はゲイなので、プールの連作はある意味ホックニーの目を通したゲイの風景です。男性は水着をつけていないのでお尻が出ています。モデルはホックニーの恋人だったピーターです。
1963年にホックニーは陽光なロサンゼルスに住みはじめます。ホックニーの出身国イギリスでは1967年まで同性間の性的活動は法的に禁止されていました。ソドミーは違法だったわけです。
この作品について書かれた記事です。
公式ウェブサイトでのリンク
Portrait of an Artist (Pool with two figures), 1972
ぐっときますね。こちらの絵でなぜかパンツをはいていますがキリスト教絵画に匹敵するような豊穣なストーリーを内包しています。泳いでいるのはホックニーです。見ているのはホックニーを捨てたピーターです。ホックニーはピーターに捨てられてボロボロになるんですね。それでも何年かしてピーターを最高にカッコよく描いています。ピーターが見つめる白いパンツは何を象徴しているのでしょうか。水面の表現や色づかいももの凄い技術ですね。
山の風景がなんとなく日本風なのも魅力的です。
公式ウェブサイトでのリンク
ホックニーのプール絵画についての記事です。
A Large Diver (Paper Pool 27), 1978
ペーパープールと呼ばれる版画のシリーズです。バシャッ。抽象度が高まって飛び込んだ音が聞こえてきそうです。
欧米でのホックニー人気は絶大でたくさんの人が bigger splash してます。
この写真もホックニー絵画のニュアンスが感じられますね。
公式ウェブサイトでのリンク
彼と彼 とても大きな水しぶき,1974
これは、映画「彼と彼 とても大きな水しぶき」のヴィジュアルを額装したもののようです。映画の原題は「A Bigger Splash」です。絵のタイトルそのままです。映画にはご本人が登場しています。
イギリス王立美術大学出身でアメリカを代表する現代画家ホックニーのドキュメント。プールのある彼のアトリエでの制作風景、友人、恋人との日常シーン(タイトルで察するとおり、彼は同性愛主義者である)絵画作品のあらゆるモチーフが残像となりオーバーラップしていく。
映画 デヴィッド・ホックニー/彼と彼 とても大きな水しぶき - allcinema
ある日ニューヨークから芸術家仲間のヘンリーがやってきてロンドンを忘れてアメリカに来るように勧める。画家パトリックと会って心揺れるデイヴィッド。太陽のそそぐプールサイドで少年達とはしゃぐ彼は、やがて再び筆をもつようになる。今日もピーター、モーや他の仲間たちの間で、揺れうごいているデイヴィッド。
デヴィッド・ホックニー 彼と彼 とても大きな水しぶきとは - 映画情報 Weblio辞書
静寂に見えるプールの風景も、その内実は揺らめいてるわけです。
デヴィッド・ホックニー著作
- 作者: デイヴィッドホックニー,David Hockney,木下哲夫
- 出版社/メーカー: 青幻舎
- 発売日: 2006/10
- メディア: 大型本
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ホックニーの著作。有名画家の中には光学機器を使って投影された画像をトレースしていた人もいたということです。光学機器が秘密の知識。しかも1400年代から。じゃあ、デッサン力の意味とは? 絵画を学んだ人は衝撃を受ける書物です。こうしたアカデミックなことも研究しているのでホックニーは伝統的なゲイジュツ家なんですね。固定化されたと思われる絵画の歴史でも、その内実は揺らめいているわけです。
ホックニーによって世界の内実が揺らめいていることが良く分かるんです。水面の表現を見れば分かりますよね。それだけ見てても楽しいです。
- 作者: デヴィッド・ホックニー,ニコス・スタンゴス,小山昌生
- 出版社/メーカー: Parco出版局
- 発売日: 1984/01
- メディア: 単行本
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ホックニーの自伝的なエッセイと作品集です。当時のホックニーの感性が伝わってくるので、ホックニーに関心がある人はユースドでも持っておきたい本。
こんな背景があっても、ホックニーのプール絵画は涼しく感じられます。見ているうちにだんだんと水面の揺らめきしか感じられなくなってくることに秘密があるのかもしれません。
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