これはバリにあるタンジュンサリのプール。プール越しにビーチが見える。
Casa BRUTUS 5月号の表紙の写真はリチャード・バワの設計したホテルだった。バワは初期のアマンリゾーツに決定的な影響を与えたことでも有名である。現在でもアマンはセレブリティの支持を集めている。東京にもアマンが出来るそうだ。
リチャード・バワの設計した建築は、建築愛好家の興味の対象であり続けている 。スリランカのバワの建築ツアーに参加したくなってくる。
Casa BRUTUS 5月号の表紙の写真を良く眺めていると、サヌールのタンジュンサリのビジュアル(トップの写真)に似ていることに気づいた。タンジュンサリのプールはインフィニティ・プールではないが、陰影の落ちたプール越しにビーチが続くヴィジュアルが良く似ている。
ネットで調べてみるとバワがタンジュンサリの設計に関わっていたことが分かった。
Minoru "Mike" Masujima – interview
http://redpod.jp/topics/article/topics001
リチャード・バワは1981年にトライトンホテルでインフィニティ・プールを設計した。インフィニティ・プールはエッジを限りなくゼロにすることで視覚的に海と繋がっているように見せる。最近ではシンガポールのマリーナベイ・サンズまでがそうだ。一体どこまで行くのか。バワは自然との境界を完全になくしたり、水面を鏡のように使い、自然を完全に反射させることで、永遠のイメージをつくうとしたのではないかと思う。自然に対する厳かな気持ちを喚起させる。アマンの建築家ケリー・ヒルはリチャード・バワから大きな影響を受けた。その後1988年アマン・プリでインフィニティ・プールがつくられた。
1962年 タンジュンサリ
1981年 ヘリタンス・アフンガッラ (旧トライトンホテル)
1988年 アマンプリ
1992年 アマンキラ
1994年 カンダラマホテル(ヘリタンス カンダラマ)
リチャード・バワはその後、インフィニティ・プールや水面の反射に留まることなく、カンダラマホテルで建築や空間という言葉を超えた、自然と完全に融合する領域を探求し続けた。アマンはインフィニティのイメージに留まり、リゾート施設に永遠を感じさせる空間を求めた。アマンを支持する人達こそが、永遠の対極であるはかなさを知っているからかも知れない。
アマンリゾーツ
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タンジュンサリのプール越しに永遠を見る
バリのタンジュンサリは、アマンリゾーツのように施設のディテールを極め尽くしたというよりも、いい意味でラフでピースフルでアットホームな感じがした。敷地の片隅で遊んでいる地元の子どもや夜の中庭から見えるビーチの白い波頭の繰り返しに、永遠のフラグメントを見るような気がした。
タンジュンサリを紹介したページ
ここからバリは始まった タンジュンサリ/バリ・サヌール|Travel|SENSE|Faust A.G.
tandjung sariのウェブサイト
Tandjung Sari | Sanur Bali
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