アーキペラゴを探して

デニム、ヴィンテージ、旅、レビューのブログ

2014-09-01から1ヶ月間の記事一覧

楽園 / ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』

ヴィンロンかサデックに向かう船の中で読んだと思う。ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』という本の内容を思い返していた。 集団のなかに働く力学は、小さな友人関係から国家規模までどれも似ている。愛とか平和もあるだろうが、繰り返し発現する集合・…

自由に生命が泳ぐ柵へ / 『若者よ、マルクスを読もう』

倉敷国際ホテルのロビー吹き抜けに、棟方志功の大きな板画が掛けられている。この板画の横のチェアで『若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 』(以後、若マル)を読んだ。前作から続いて、内田樹氏と石川康弘氏によるマルクスの頭脳への憧れが綴られ…

スカイブルーのゼロ 「風立ちぬ」 / 上高地帝国ホテルの図書室

映画『風立ちぬ』で、主人公が山の避暑地に行き、山小屋を大きくしたようなホテルに滞在する。このホテルのモデルは上高地帝国ホテルだろうと思った。 宮崎アニメには、現実の場所や建物をモデルにしたイメージが度々登場する。千と千尋の道後温泉やポニョの…

サンタ・マリア・ノヴェッラ・ティサネリーア京都

本屋のレジ前のワゴンに、内田樹氏の『疲れすぎて眠れぬ夜のために 』という文庫本が積まれているのを見た。大分前の本だと思うが、時節柄、売れているのだろう。ポップに「ワンランク下の自分に」と書いてある。中身はまだ読んでいないが、このコピーだけで…

エクリチュールと旅2 / バルト『零度のエクリチュール』

(9月15日エントリーのメモ) ベトナムエアラインの中で、バルトの『零度のエクリチュール』を読んだ。字面を追うことはできるが理解は難しい。デュラスの小説はすらすらと頭に入る。デュラスはバルトを嫌っていたという。デュラスの本心は分からない。バルト…

エクリチュールと旅 / マルグリッド・デュラス『愛人 ラマン』

書くこと。フランス語でエクリチュール。エクリチュールと聞いて、思い出すのは、『エクリチュールの零度』を書いたR.バルトと、書くことが生きることであったM.デュラス。 『エクリチュールの零度』は何度か読んでみたが、歯が立たなかった。内田樹氏のブロ…

Leica R4

iPhoneのカメラの性能がいいのか、最近はコンデジも持ち歩くことは少ない。ましてや、一眼レフはクローゼットに入ったままだ。だけど、レンズを通して見た世界を確認するために、時々取り出してみる。ライカR4。死んだ父親が借金と一緒に残したカメラ。ライ…

京町屋と調和する宿泊特化型ホテル / 三井ガーデンホテル京都新町 別邸

烏丸通から蛸薬師に入り、新町のあたりを歩いていると、えっ、こんな所に、と思う場所にホテルが出来ていた。サインには、三井ガーデンホテル京都新町 別邸と書いてある。名前から漂う気合が香ばしい。低層部は町屋風、上階の客室部分はコンクリート打放し風…

高浜駅と玻璃ヶ浦駅のあいだ / 『真夏の方程式』

大阪までの飛行機に時間があるので、伊予鉄の高浜駅を見に行った。映画『真夏の方程式』の始めと終りのシーンに、高浜駅が『玻璃ヶ浦駅』として登場する。映画のようなイメージの駅だったろうかと思い、時間つぶしに再確認しておこうと思った。 駅の造りは、…