アーキペラゴを探して

デニム、ヴィンテージ、旅、レビューのブログ

永遠のMONSTER / ハンガンの川辺にて

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ハンガンの川辺にある売店はユニークな形をしている。売店のほか、野球グラウンド、遊覧船乗り場や打ち捨てられたモノ達が川辺にはあった。10年間以上前の話。

最近、ハンガンを新しい韓流ロケ地にするという記事を読んだ。売店はすでになくしてしまってたようだが、 また復活するそうだ。 地元が今になって注目するとは。荒地のような印象がある独特な場所なのだが。

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2006年、映画『グエムル-漢江の怪物-』公開。 日本では単なるB級映画と評された。個人的なB級志向から、ハンガンに怪物が出現する設定は面白かった。ハンガンの風景には、何かが欠けている。 何かが足りないような景色。その喪失部分へ、モンスターが投入された。

ハンガンの抜け感のある風景が印象的だったのは、 その後、自分に訪れるクラッシュを予見していたのかも知れない。 

グエムル-漢江の怪物

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 この映画についての論評を読むと、その後、世界経済にあらわれるモンスターを予見しているとの指摘もある。実際、2007年末から株式市場は変調を来たし、2008年リーマンショック。グローバルレベルで金融システムが破綻した。

僕にとってのモンスターは、悪魔の通貨と呼ばれるポンドだった。251.07から一気に150を切るのを見届け、掟破りのロングで買い下がり続けた。悪魔に文字通り喰われた知人のカタキを打つという偽りの動機もあった。本当は脳への刺激が強すぎるだけだ。悪魔は快楽を感じないだろう。負けだ。130アラウンドで終了。オール所持金830円+借金。all is lost. その後、悪魔は118.79まで潜り続けた。 僕も含め多くが地べたに叩きつけられ、博打打ちとしての生き方は変更を余儀なくされた。負けを認めたので生きている。(strong never falls = 負けを認めないものは死んだ)

永遠のモンスター。 ユナイテッドキングダム。

 

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この韓流映画は世界を席巻するモンスターをグエムルとして予見していた。 だから、この監督の作品は若干気になる。予見されているものがあるのか。

最新作は『スノーピアサー』。 映画のコピー―2031年、氷河期。17年間疾走し続ける人類最後の箱舟(スノーピアサー)。自由を掴むため人々は立ち上がる―
氷河期を生残った人達が同じ列車で走るそうである。またB級感満載のおなじみの設定だ。

繰り返し現れるモンスター。この作品で何を視せてくれるのだろう。その来たるべきものを、避けることはできないのかも知れないが。単なるB級映画であるならばこの上ない。

スノーピアサー

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どんな怪物があらわれようと、もう醒めてしまっている。だから永遠。悪魔の棲むロンドンを、最終デスティネーションと決めている。釜山から入り、チョルラドを抜けて、もうしばらくすれば、ハンガンの川辺に立ち、澄んだ空気を見ることができるだろう。