アーキペラゴを探して

デニム、ヴィンテージ、旅、レビューのブログ

レビュー

【脱ミソジニー】英国フェミニストが弱者男性にも言及? / エマ・ワトソン 国連スピーチのフェミニズム

先日、ビック・イシューを買ったところ、表紙はハリポタでハーマイオニーを演じたエマ・ワトソン( Emma Watson)でした。見開き2ページの特集があり、昨年エマ・ワトソンが国連で行ったHeforSheのスピーチをめぐるふり返り的な内容でした。 (ビッグイシュ…

「村上さんのところ」書籍版とコンプリート版 / 掲載されたやりとりの傾向

「村上さんのところ」書籍版とコンプリート版のどちらがおすすめか? 選ばれたやりとりには傾向らしきものがありました。選ばれなかったやりとりの魅力。

【プール絵画の傑作】デヴィッド・ホックニーの A Bigger Splash が見たい! / LGBTの風景

View image | gettyimages.com デヴィッド・ホックニー。1965年の写真です。お洒落です。1980年代はアートに興味ない人でも知っていました。ウォーホルよりもホックニーの方がどちらかというと好きだったです。 David Hockney デイヴィッド・ホックニー - Wi…

村上春樹「女のいない男たち」の面白さ

村上春樹『女のいない男たち』の感想、面白かったところ、全作品レビュー。おすすめナンバー。この作品が持つコンセプトアルバムとしての意図に沿って読んでみました。

ソニーのLED電球スピーカーで「ノルウェイの森」を聴こう / ミニマリストのインテリア

ソニーのLED電球スピーカーを実際に使ってみた感想、レビュー、気になった点。

「村上さんのところ」を旅する休日 / 印象に残った回答(前の方から)35選

「村上さんのところ」の質問と回答のなかから、特に印象的だったものを前の方から順番に35個選んでみました。

部族を考える現代的意味 /「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2015」の見どころ、おすすめ

「KYOTOGRAPHIE 京都国際写真祭 2015」の見どころ、おすすめ。今年のテーマは「TRIBE−あなたはどこにいるのか?」。(5月10日まで)TRIBE(部族)を考える現代的意味とは?

ヘブンリー・グリーン / 子どもの頃に欲しかったもの

子どもの頃、緑色のものが欲しかった。抽象的だけど、緑色のなにかが欲しかった。それはビー玉だったり、下敷きだったり、緑色の昆虫だったりした。緑色のビンを見に青島ビール工場に行ったこともある。緑色のなにかを見ていると、緑色の世界に吸い込まれる…

田中一村の絵を見る一泊二日の旅 / 奄美大島「田中一村記念美術館」

奄美に田中一村の絵を見に行った。 目次 田中一村の絵を見に奄美へ 1.田中一村記念美術館 2.田中一村終焉の家 3.金作原原生林 田中一村関連書物 田中一村の絵を見に奄美へ 奄美は大きな島であり、加計呂麻島などの群島に行くことを考えると本来は一週…

闇に拮抗する力 / 「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」

トピック「岡崎京子」について 「今月は岡崎京子の…を買いたいから…」紀伊国屋のマンガコーナーですれ違いざまに中学生ぐらいの女子二人連れが言うのを聞いた。 岡崎京子の作品が自分にとってどのような意味を持つのかにしか興味がなかった。女子の会話を聞…

ふつうに良かったは怪しいひびき / 『ロスト・イン・トランスレーション』

ふつうに良かったと語る『ロスト・イン・トランスレーション』。女子の下品とおぼこの狭間で。ビル・マーレイ同好会の行方。

くちびるから散弾銃で不可視の内戦を生き抜く / 「岡崎京子展 戦場のガールズ・ライフ」

岡崎京子展を見る前に公式カタログを見ながらの主要作品のふりかえり。『くちびるから散弾銃』的世界観を通しての個人的な感想。

竹鶴と文庫本のマリアージュを愉しむ / マッサンから学ぶウイスキー入門

休日に竹鶴ピュアモルト三種類を飲みくらべながら文庫本を楽しむ。ニッカを飲むならブレンデッドから。マッサンから学ぶその理由。

ミッキー・ローク的であるということ / 『シン・シティ 復讐の女神』

今週のお題「さむい」 エンディングが終わり、館内の照明が灯された。座っているのは、ぼくも含めて三人だけ。ほかの客はエンディングの音楽が鳴りはじめると、とっとと出て行ってしまった。さむい。この寒さを熱に変えなければならない―― どう見るべきか『…

「言い訳」と「謝り」の真髄とは何かを考える / 『できる大人のモノの言い方大全』

以前勤めていた会社は、言い訳のプロや謝りのプロで満ち溢れていた。 反発心から、言い訳のプロや謝りのプロには決してならないでおこうと誓ったものだ。しかし、1900年代ののんびりしたビジネス環境とは違って、弱肉強食の2000年代は、仕事を覚えるより前に…

心がざらつく夜は焚き火を囲んで愛と絆を育もう / マイホーム焚き火とプラネタリウム

J McGuire | Flickr - Photo Sharing! 少し前に読んだコミュニティに関する記事が面白いと思いました。特に面白かったのがチーム・ラボの猪子寿之氏の発言。 場所からコミュニティは生まれるというのは幻想 場所からコミュニティが生まれるというのは幻想で…

なぜ『ベイマックス』だけが絶賛されるのか

スクリーンが閉じられるまで誰も動かない。誰も動かないと次の回の入れ替えに困るので、映画の方で感動させすぎない細工をしているくらいだ。 前の席に若いカップルが座っていた。映画が終わり、彼氏に「DVDが出たら買おうよ、買うよね!」と耳元でささやい…

大人って何だ? 『おとなになる本』

大人って何だ?かつて大人とは何かを知りたくて万巻の書物を探った。 結論的には、みんな大人なのでその問いには意味がないということだ。フィリップ・アリエスによれば、子どもの発見は近代の出来事であった。つまり、むかし子どもは「小さな大人」として大…

LGBT対応のジェンダーフリー更衣室は必要か

Orgullo LGBT 2013 | Flickr - Photo Sharing! LGBT ーーレズ、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダーの頭文字を取った総称。 数年前にあるホテルのフィットネス施設を利用したときのこと。男性更衣室で、女性下着を上下ともつけた人が恥ずかしそうに更…

本物よりも花らしい造花の真実 / 僕が『ゴーン・ガール』を見た理由

『ゴーン・ガール』のエンディングが流れても誰も席から動けなかった。感動したというよりも、見づかれてぐったりしてしまったのだ。なかには始終クスクスと笑い続けていた宇宙人のような女子もいたが……。来年の流行語は宇宙人女子とか猛者の女といったとこ…

状況に関わらず支配的であり続ける / ジョルジュ・バタイユ「非‐知―閉じざる思考」

12月に入り、法事が続いた。彼らの人生と重なる幾分かの時間を思い出した。彼らの笑った顔しか思い浮かばない。違った表情を思い出そうとすればできるのだけれども、なぜ、彼らの笑った顔しか思い浮かばないのか考えてみた。 ジョルジュ・バタイユ。岡本太郎…

続・僕がマッサンを見続ける理由 / エア飲み会の夜

あさイチ見ていると、今日の「ちなんでFAX」のテーマは、「”マッサン”受け 私ならこう受ける」だった。朝ドラの「受け」を今後どうしたらいいのかとも、言っていたようにも聞こえる。いくら面白いとはいえ、これは自意識過剰だろう。いや、そうじゃない。朝…

ウィトゲンシュタインは究極のミニマリストか /「ウィトゲンシュタインの建築」

1. ウィトゲンシュタインの建築とは 90年代後半には閉店していたと思うが、西部美術館の横に「アール・ヴィヴァン」というアート系書店があり、アール・ヴィヴァン叢書というB4版の冊子を出していた。各冊子は決まったアーティストやムーブメントを特集し、1…

僕がマッサンを見る理由 / フロム・ザ・バレルと音楽CD

NHKの朝ドラは世間で言われるほど面白いものだろうか。あまちゃんの放映時は、話題について行ってるように見せるため、ピンクのベストを着てみたりした。実は、朝から、オラ、オラ、オラと、二日酔いの頭に響くものがあった。ひそかに、朝オラと呼んでいた。…

ボーカロイドはエーテルを体現するか

ヴォーカル。神がつくった至高の楽器。その座がしばらく前から脅かされているらような気がする。音声合成システム、ボーカロイドの影響は、だんだんと拡がり、看過できないレベルになっている。ヴォーカルと聞くと、この二曲が思い浮かぶ。 マーラーの交響曲…

楽園 / ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』

ヴィンロンかサデックに向かう船の中で読んだと思う。ウィリアム・ゴールディングの『蠅の王』という本の内容を思い返していた。 集団のなかに働く力学は、小さな友人関係から国家規模までどれも似ている。愛とか平和もあるだろうが、繰り返し発現する集合・…

自由に生命が泳ぐ柵へ / 『若者よ、マルクスを読もう』

倉敷国際ホテルのロビー吹き抜けに、棟方志功の大きな板画が掛けられている。この板画の横のチェアで『若者よ、マルクスを読もう 20歳代の模索と情熱 』(以後、若マル)を読んだ。前作から続いて、内田樹氏と石川康弘氏によるマルクスの頭脳への憧れが綴られ…

スカイブルーのゼロ 「風立ちぬ」 / 上高地帝国ホテルの図書室

映画『風立ちぬ』で、主人公が山の避暑地に行き、山小屋を大きくしたようなホテルに滞在する。このホテルのモデルは上高地帝国ホテルだろうと思った。 宮崎アニメには、現実の場所や建物をモデルにしたイメージが度々登場する。千と千尋の道後温泉やポニョの…

エクリチュールと旅2 / バルト『零度のエクリチュール』

(9月15日エントリーのメモ) ベトナムエアラインの中で、バルトの『零度のエクリチュール』を読んだ。字面を追うことはできるが理解は難しい。デュラスの小説はすらすらと頭に入る。デュラスはバルトを嫌っていたという。デュラスの本心は分からない。バルト…

エクリチュールと旅 / マルグリッド・デュラス『愛人 ラマン』

書くこと。フランス語でエクリチュール。エクリチュールと聞いて、思い出すのは、『エクリチュールの零度』を書いたR.バルトと、書くことが生きることであったM.デュラス。 『エクリチュールの零度』は何度か読んでみたが、歯が立たなかった。内田樹氏のブロ…